21回目を迎えた関西を代表する夏のガラ、MRBバレエスーパーガラが今年も華やかに!

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

MRB松田敏子リラクゼーションバレエ

MRBバレエスーパーガラ

関西の夏のガラ公演として定着した「MRBバレエスーパーガラ」、21回目の今回も華やかに開催された。
各舞台で主役を踊っている田中ルリや竹中優花、藤本瑞紀、法村圭緒、武藤天華、恵谷彰なども出演した『LOOK'』で幕開け。続いて、若手注目株のヴァリエーションから舞台が進んでいった。

野間バレエ団の荒瀬結記子と同バレエ出身でチェコのモラヴィアン・シレジアン劇場で活躍する正富黎による『アルレキナーダ』よりグラン・パ・ド・ドゥは、コミカルな中にも品があり好感が持てた。内田美聡と松岡伶子バレエ団の碓氷悠太が踊った『オンディーヌ』(漆原宏樹振付)も壮大なものを感じさせる良い作品。また、玄玲奈振付『Lettre/:bleue』は、玄自身と武藤天華が踊り、雨の音に乗せて、2人の想いを浮かび上がらせるような、興味深い作品に仕上がっていた。

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『ラ・シルフィード』より 松田敏子、小笠原祥真
撮影:尾鼻 文雄(OfficeObana)

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『ゼンツァーノの花祭り』よりグラン・パ・ド・ドゥ
白井沙恵佳、末原雅広
撮影:尾鼻 文雄(OfficeObana)

主催の松田敏子は、チェコのブルノ国立歌劇場バレエ団で活躍する若手ダンサー、小笠原祥馬をパートナーに、コール・ド・バレエ付きで『ラ・シルフィード』より。この演目は女性が歳上でもしっくり来る演目であることをあらためて。妖精として幼い頃からジェームズを見守って来たシルフィードという感じ。爽やかな小笠原、小柄で落ち着いた雰囲気を見せる松田とで良い仕上がりだった。

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『Lettre/:bleue』玄玲奈、武藤天華
振付:玄玲奈
撮影:尾鼻 葵(OfficeObana)

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『春の水』白石あゆ美、沖潮隆之
撮影:尾鼻 葵(OfficeObana)

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『タリスマン』よりグラン・パ・ド・ドゥ
寺田翠、大川航矢
撮影:尾鼻 葵(OfficeObana)

第2部は、漆原宏樹振付の群舞『トッカータとフーガ』で幕開け。見応えのある踊りが続いた。カナダのロイヤル・ウィニペグ・バレエで活躍する白井沙恵佳と末原雅広による『ゼンツァーノの花祭り』よりグラン・パ・ド・ドゥは、白井の清純な恥じらいを感じさせる初々しい雰囲気、香るような魅力がとても良い。末原も清潔感を持って持ち前のテクニックを披露。白石あゆ美は沖潮隆之をパートナーに『春の水』をアクロバティックに踊った。

森美香代振付の『Full Moon Wishes』は森自身と、森伊佐、河森睦生、田島和実、山本悦子、要垣内康子、江川由華とベテランダンサーたちが、風船や風鈴の音を使いノスタルジックに。適度な抜け感が心地よい作品だった。スターダンサーズ・バレエ団の塩谷綾菜と高谷遼は品を持って『コッペリア』よりグラン・パ・ド・ドゥ。『ダイアナとアクティオン』よりグラン・パ・ド・ドゥは松岡伶子バレエ団の佐々部佳代とベラルーシ国立ボリショイ劇場の待山貴俊。佐々部の伸びやかさと、待山のダイナミックでワイルドな踊りが上手く合っていた。ラストは、ロシアのノヴォシヴィルスク国立オペラ劇場の寺田翠と大川航矢の『タリスマン』よりグラン・パ・ド・ドゥ。自由自在に動くどこまでも軽い身体の寺田、スケールの大きさを感じさせる大川、鮮やかなテクニックの数々に大いに興奮したクライマックスとなった。
(2019年7月28日 グランキューブ大阪)

撮影:尾鼻 文雄-0014.jpg

『ダイアナとアクティオン』よりグラン・パ・ド・ドゥ
佐々部佳代、待山貴俊
撮影:尾鼻 文雄(OfficeObana)

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『タリスマン』よりグラン・パ・ド・ドゥ
寺田翠、大川航矢
撮影:尾鼻 文雄(OfficeObana)

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