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ローザンヌで活躍した脇塚優や淵山隼平、海外で踊っている実力派ダンサーたちが集った

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

ダンスウエスト

「Dance at the Gathering」

海外で活躍する日本人ダンサーが多数出演しての「Dance at the Gathering」がNHK大阪ホールで開催された。

東條裕子バレエシアターの『A NIGHT IN THE TOROPICS』で幕開け、すぐに、今年のローザンヌ国際バレエコンクールのファイナリスト、淵山隼平が爽やかに『ラ・フィーユ・マル・ガルテ』のヴァリエーションを披露した。続いてカナダのロイヤル・ウィニペグ・バレエ活躍する白井沙恵佳と、今年のローザンヌで4位に入賞した脇塚優が『ラ・シルフィード』を踊った。これが想像以上に良かった。白井は、周りがフワッとした光を帯びるような不思議な魅力があって妖精そのものという感じ、また脇塚の踊りからは無邪気な喜びが溢れていた。

「ラ・シルフィード」より 撮影:岡村昌夫(テス大阪0175.jpg

『ラ・シルフィード』よりパ・ド・ドゥ 白井沙恵佳、脇塚優
撮影:岡村昌夫(テス大阪)

「ペールギュント」より 撮影:文元克香(テス大阪)0292.jpg

『ペールギュント』第1幕 ペールギュントとソロヴェイのパ・ド・ドゥ 中島麻美、大巻雄矢 振付:エドワード・クルッグ
撮影:文元克香(テス大阪)

「薔薇の精」撮影:岡村昌夫(テス大阪)0706.jpg

『薔薇の精』井阪友里愛、二山治雄 撮影:岡村昌夫(テス大阪)

多くの演目があったので、特に印象に残ったものをいくつか挙げたい。まず、とても新鮮で惹き込まれたのは、スロヴェニア国立マリボル歌劇場バレエ団の中島麻美と大巻雄矢が踊った『ペール・ギュント』第1幕よりペール・ギュントとソロヴェイのパ・ド・ドゥ。これは2人が所属する劇場の芸術監督で振付家のエドヴァルド・グリークの作品。現代的なカジュアルな衣裳をまとってのコンテンポラリーだ。2人の自然で素直な表情、そして身体での活き活きとした踊りがとても良かった。

元ハンブルク・バレエ団ソリストで、現在、振付家として世界中で活躍している大石裕香の踊りを久しぶりに観ることができたのも嬉しかった。菅沼伊万里が振付けた『群青の家』という作品で、ヨーロッパの絵画の世界に迷い込んだような深みを感じる世界、もう一度、観てみたいと思わせる演目だ。また、神戸女学院舞踊専攻の若手ダンサーたちによる島崎徹振付『Zero Body』の迫力ある踊りも楽しめた。

後半は、創美バレエスクールの『In the mood』で幕開けて、ベルリン国立バレエ団の井阪友里愛とパリ・オペラ座バレエ団短期契約の二山治雄の『薔薇の精』。少女と薔薇の花びらそのものがが舞っているようだった。新国立劇場バレエ団の2人、小野絢子と福岡雄大は宝満直也振付『Craze of before dawn』を披露。静謐──そして研ぎ澄まされた表現はさすが。

「群青の家」撮影:岡村昌夫(テス大阪)0444.jpg

『群青の家』大石裕香 振付:菅沼伊万里
撮影:岡村昌夫(テス大阪)

「Zero-Body」撮影:岡村昌夫(テス大阪)0579.jpg

『Zero Body』神戸女学院大学音楽学部舞踊専攻 振付:島崎徹
撮影:岡村昌夫(テス大阪)

「Craze-of-before-dawn」撮影:岡村昌夫(テス大阪)0871.jpg

『Craze of before dawn』小野絢子、福岡雄大 振付:宝満直也
撮影:岡村昌夫(テス大阪

「海賊」より 撮影:文元克香(テス大阪)0968.jpg

『海賊』よりパ・ド・トロワ Mayara MAGRI、アクリ瑠嘉、アクリ士門
撮影:文元克香(テス大阪)

ラスト2つはガラらしく華やかに。イングリッシュ・ナショナル・バレエの加藤栞とバーミンガム・ロイヤル・バレエの厚地康雄による『ドン・キホーテ』よりグラン・パ・ド・ドゥと、英国ロイヤル・バレエのMayara MAGRIとアクリ瑠嘉、タルサ・バレエ団のアクリ士門の『海賊』よりパ・ド・トロワで、テクニックも楽しませて盛り上げた。フィナーレは法村牧緒監修で、楽しく幕を閉じた。
(2019年7月17日、NHK大阪ホール)

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