ヒューストン・バレエのプリンシパルに昇格した飯島望未のジゼル、ロサンゼルス・バレエ・ゲストプリンシパルの清水健太のアルブレヒトが共演──ソウダバレエ第20回記念公演『ジゼル』

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

ソウダバレエ

『ジゼル』ウラジミール・デレヴィヤンコ:演出・振付

宗田静子主宰で、世界各地で活躍する数々のトップダンサーを育てているソウダバレエ。同じ宗田の主宰で、プロダンサーなどが集うオープンクラスも、まだ関西ではそういったものがなかったかと思える早い時期から、"バレエスタジオミューズ"として行っているスタジオだ。
ここで育った康村和恵が、ドイツのドレスデン歌劇場で活躍していた時のこと。当時の芸術監督ウラジミール・デレヴィヤンコ振付で彼女が踊る『ジゼル』を現地で観た宗田は、大きな感銘を受け、「なんとしてでも、これを上演したい」と切望。2001年4月に大阪で、康村がジゼル役で実現、私も観せていただいたが、今もその素晴らしい舞台は記憶に残っている。

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ジゼル:飯島望未、バチルダ:門西雅美、クールランド候:夏山周久
撮影:古都栄二(テス大阪)

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結婚式─パダクション パ・ド・ドゥ:本田千晃、末原雅広
撮影:古都栄二(テス大阪)

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ジゼル:飯島望未
撮影:文元克香(テス大阪)

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ジゼル:飯島望未、アルブレヒト:清水健太
撮影:文元克香(テス大阪)

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ジゼル:飯島望未、アルブレヒト:清水健太
撮影:古都栄二(テス大阪)

その名舞台が、今回、20回の記念の今年、再演されることに。今回、康村はアドバイザーとして関わり、この団体で育ち、世界に羽ばたいて、とても良い時期を迎えているダンサーが主役を担った。ヒューストン・バレエのプリンシパルに昇格したばかりの飯島望未とロサンゼルス・バレエ・ゲストプリンシパルとして活躍する清水健太だ。
ファッション誌のモデルも務める飯島はさすがに美しい。そして、美しさだけではなく、この"ただただ、アルブレヒトを愛する"というジゼル像に丁寧に向き合った深みのある表現。想いがつのると、こんな風になるよね──そんな表情にグイグイと惹きつけられた。

2幕でのフワッとした軽さも素晴らしく、本当にこの世のものではないよう。今、もっとも油が乗る良い時期を迎えているのではないだろうかと感じた。そしてまた今後さらに高みに、ということもありそうな、そんな気もした。アルブレヒトの清水も、さすがに、この複雑な心情表現が必要な役柄を自然な演技と高いテクニックで見せた。やはり良いダンサーだと再認識した。
ヒラリオンの岡田兼宜、ジゼルの母ベルタの田島和実、クールランド候の夏山周久、バチルダの門西雅美、ミルタの椿井愛実などのソリスト陣も充実、コール・ド・バレエのなかにも、これからの注目株が多々いるような気がした。
(7月12日 あましんアルカイックホール)

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撮影:古都栄二(テス大阪)

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撮影:古都栄二(テス大阪)

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撮影:文元克香(テス大阪)

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撮影:文元克香(テス大阪)

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