『ヨハン・シュトラウス・フェスティバル』を越智久美子&ワディム・ソロマハ主演で上演

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

越智インターナショナルバレエ

『ヨハン・シュトラウス・フェスティバル』越智久美子:再振付、ワレリー・コフトン:原振付ほか

越智インターナショナル・バレエは、故・越智實が創立してから、今年で創立70周年を迎えるのだという。このフェスティバルは、亡くなった越智實から引き継いで代表に就任し3年が経つ越智久美子から、習い始めたばかりのヨチヨチ歩きの子どもたちまで、幅広い出演者による多彩な演目で繰り広げられた。

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撮影:テス大阪(すべて)

実力を持つダンサーたちによって上演された演目の第1は『ヨハン・シュトラウス・フェスティバル』より。2000年にワレリー・コフトンがシュトラウスの曲に乗せて振付けた作品を、越智久美子の再振付で上演した。
優雅なパーティの甘い恋が描かれる。中心の "ロマンス"、"雷鳴と稲妻" を踊ったのは、越智久美子とワディム・ソロマハ。ソロマハは淑女・越智に一目惚れする青年を品良く表現。多回転など技術も良く、余裕を持った紳士的なサポートが素晴らしい。また越智は舞台に出た瞬間にまわりがパァッと明るくなったよう、つくづく華のあるダンサーだ。大人だからこその押さえた魅力を感じさせて踊った。
もう一つ、見応えがあったのが『ドン・キホーテ』より。第1幕と第3幕から抜粋して組み合わせたものだが、なんと、キトリとバジルは登場しない。ボレロやセギジリアなどがスペインの魅力を香らせて踊られるなか、エスパーダと街の踊り子をワディム・ソロマハと越智久美子。活き活きと格好良いソロマハ、強い眼力で観客を惹きつける、越智。周りを固めたヴァリアシオンなどのなかに、良い若手が多く育っていることも感じられた。

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他にこのフェスティバルでは、クラシック・バレエからの小品やヴァリエーションも多く上演された。そのなかで「第127回越智インターナショナルバレエ・アカデミィ公演」のラストあたりや、「第36回フレッシュバレリーナフェスティバル」として踊られた10のヴァリエーションは、どれもなかなかの出来映えで、ダンサーがそれぞれの個性を活かして踊っていることが感じられたのも良く、そんなダンサーたちのこれからの成長がまた楽しみだ。
(2019年6月22日 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール)

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撮影:テス大阪

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撮影:テス大阪

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