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法村圭緒改訂振付『くるみ割り人形』と創立者・友井唯起子の『スペイン交響曲』を大力小百合が改訂して上演

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

法村友井バレエ団

『くるみ割り人形』法村圭緒:改訂振付、『スペイン交響曲』大力小百合:改訂振付

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『スペイン交響曲』神木遥、春木友里沙、今村泰典、今井大輔
撮影:尾鼻文雄(OfficeObana)(すべて)

いつも、ロシア・バレエのクラシック全幕をレベル高く上演する法村友井バレエ団。ここ数年は、それに加えて、創立者の一人である故・友井唯起子の創作作品をリメイクして上演することも行ってきている。今回も、ロシア・バレエ『くるみ割り人形』全幕に加えて、友井が1965年にエドゥアール・ラロ作曲のヴァイオリン協奏曲に惚れ込んで振付け、自ら主演したという『スペイン協奏曲』を大力小百合の改訂振付で上演した。

幕開けは『スペイン交響曲』。大人数の群舞を率いて中心を踊ったのは、神木遥、春木友里沙、今村泰典、今井大輔の4人。4人ともスラッとしたスタイルで美しい実力あるダンサー。今村はベテランで安定した踊りを、神木、春木、今井は、若手伸び盛りのフレッシュな魅力を観せ、これからの活躍が楽しみ。
振付は、基本的にクラシック・バレエのパを活かしたもので、しばしばディヴェルティスマンで踊られるスペインの踊りに近い感じ。せっかくクラシック・バレエとは一味違ったものを創る機会でもあるので、もっと大胆にバレエでは使わない民族舞踊特有の動きを増やしてもよかったかもしれない。

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『スペイン交響曲』撮影:尾鼻文雄(OfficeObana)

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『くるみ割り人形』クララ:中尾早織、王子:今井大輔

そして、『くるみ割り人形』。法村圭緒の演出・振付は、主人公・クララ(中尾早織)をパーティで後ろの方に引っ込んでしまうシャイな女の子として描く。そんなクララが、ドロッセルマイヤー(法村圭緒)に導かれて不思議な世界に身を置くなか、王子(今井大輔)とネズミの女王(坂田麻由美)を仲裁するようになるほど成長する。最後のグラン・パ・ド・ドゥ(今回、ドロッセルマイヤーも共に踊ったので、パ・ド・トロワと言った方が良いかもしれない)では、活き活きとした輝きを持って伸びやかに踊るのだ。そんなストーリー上のオリジナリティに加え、戦いの場面などで映像を多用していたのも印象的だった。
クララの中尾は、やさしく素直な雰囲気で、少しずつ成長していく少女を自然な演技で好演、今井は恵まれたスタイルや甘いマスクを活かし端正に、女の子の憧れの存在そのもののような王子を踊った。そして、演出・振付でもある法村圭緒のドロッセルマイヤーは、さすがの存在感、加えて軽い身のこなしで踊りも楽しませてくれるドロッセルマイヤーだった。
ソリストも充実、ネズミの女王の坂田は白に銀のドレスに身を包み、長身を活かした強さと美しさを活かした悪役。また、花のワルツの中心を踊った中辻里佳子も美しいスタイル、まわりを明るくするような華を持って、パートナーの今村やコール・ド・バレエとともに盛り上げた。
(2019年6月2日 あましんアルカイックホール)

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クララ:中尾早織、ドロッセルマイヤー:法村圭緒

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『ネズミの女王:坂田麻由美

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クララ:中尾早織、王子:今井大輔、ネズミの女王:坂田麻由美

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花のワルツ・ソリスト:中辻里佳子、今村泰典

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クララ:中尾早織、王子:今井大輔、ドロッセルマイヤー:法村圭緒

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クララ:中尾早織、シュタルバウム夫人(クララの母):堤本麻起子

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『くるみ割り人形』クララ:中尾早織、王子:今井大輔

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