京都の実力派ダンサーたちも出演して──全京都洋舞協議会「オータム・ダンス・フェスティバルin京都」
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ワールドレポート/京都
すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna
オータム・ダンス・フェスティバルin京都
全京都洋舞協議会
京都の洋舞団体が集う全京都洋舞協議会は、来年60周年を迎える歴史ある団体。その合同公演、昼の部と夜の部で別演目が上演され、私は昼の部を観た。
それぞれ、その団体で振付けして創っている作品が多いのが良い。特に印象に残ったものをいくつか挙げると、まず、本城ゆり現代舞踊研究所の『サンクトゥス/イン パラディスム』。洋舞の初期から活躍した、今、もう96歳と聞く本城ゆりが振付けただけでなく、自身も踊ったのは驚きであるとともに素晴らしいこと。座った状態での上半身の表現がほとんどなのだが、気持ちが踊っている。G.フォーレの音楽に乗せて、優しい祈りの気持ちが伝わった。
本城ゆり現代舞踊研究所『サンクトゥス/イン パラディスム』(昼の部) 撮影:金原優美(テス大阪)
石原完二モダンバレエ・スタジオ『WALTZ〜私と踊って〜』(昼の部) 撮影:金原優美(テス大阪)
また、石原完二モダンバレエ・スタジオ『WALTZ〜私と踊って〜』は、仮面舞踏会の曲などを使った、とてもおしゃれな11人のダンス。石原完二振付で、コケティッシュな魅力も感じさせるレディたち。喜びが溢れるような活き活きとした良い表情も印象的。石原陽子による衣装、ピンクに黒を加えたロングドレスもセンス良く感じた。
そして、原美香バレエスタジオの『ライモンダ組曲』は、クラシック・バレエを高いレベルで踊るダンサーが複数出演していて見応えがあった。ロームシアターの開館を記念した深川秀夫振付『白鳥の湖』でオディールを踊ったことが記憶に残る矢部希実加が憂いを持って、3幕のライモンダのヴァリエーションを踊ったのは存在感たっぷりで引きこまれた。また、第3ヴァリエーションを踊った本田彩香が、恵まれたスタイル、長い手脚を活かしてスローな振りを魅力的に観せてくれたのも印象に残った。また、観てみたいダンサーだと感じた。
原美香バレエスタジオ『ライモンダ組曲』(昼の部)
撮影:金原優美(テス大阪)
「オータム・ダンス・フェスティバルin京都」
昼の部のフィナーレ 撮影:金原優美(テス大阪)
他にも力作が並び、また、私が観ることが出来なかった夜公演では、また違った団体、ダンサーたち、振付作品が上演された様子。そちらもきっと見応えがあったことだろう。
(2018年11月4日 京都こども文化会館エンゼルハウス大ホール)
中西照恵バレエスタジオ『heart of ハンガリーsweet』(夜の部) 撮影:金原優美(テス大阪)
石原完二モダンバレエ・スタジオ『亡者たちの宴』(夜の部) 撮影:テス大阪
「オータム・ダンス・フェスティバルin京都」夜の部のフィナーレ 撮影:金原優美(テス大阪)