DANCE BOX 10周年記念祭『Dance Circus100連発!』
- ワールドレポート
- 大阪・名古屋
掲載
ワールドレポート/大阪・名古屋
- すずな あつこ
- text by Atsuko Suzuna
大阪でコンテンポラリー・ダンスを上演し続けている「DANCE BOX」の10周年。7日の前夜祭では、10年間の活動を振り返り、検証し今後を考察する報告会&座談会+パフォーマンスが行われ、8日には、8分程度のダンスが1ラウンドで9~11組程度、1日5ラウンドに渡って上演された。
私は時間の関係で8日の14:45~の第2ラウンドだけを鑑賞。その8作品(プログラムから一作品が欠場)だけでも、バラエティに富んでいたから、全部観たらさぞ凄かったことだろう。今貂子の白塗りの舞踏は迫力があったし、アニメソングや歌謡曲を使いながらの BISCOのダンスなど、8分ずつまったく違った楽しみがあるのはいい。
中でも特に印象深かったのは野口知子。始めに中央で語り始める前口上(?)は、落語?演劇?という気もしつつ、客席で、くじを引かせて当たった観客を舞台左右に座らせ、3分でカップラーメンを作り、食べさせる中で踊られる妙な踊りには拍手を贈りたい。同じ空間を共有するからこその、ミョ~~な空気感がいい。なかなかこんな空気は作れないもの。
私は普段クラシック・バレエを観る機会が多い。クラシックは好きだし素晴らしい、日本には高度な技術を持ったダンサーがとてもたくさんいると思う。けれど、そんなダンサーたちの周りで新しい良い作品はほんの少しずつしか生まれない。この8作品を観るだけでも独特のものが生まれているが、クラシック・ダンサーとの接点は物理的にも、気持ちの問題としてもとても少ない気がする。
今の状態のまま接点を持っても成功する可能性は少ないかも知れないが、なんとか、このイベントに溢れていた"創る空気"と"踊れるダンサー"が、力を合わせて面白い作品を実現したり出来ないものか?と、そんなことを思った。
(10月8日 Art Theater db *前夜祭は 7日)