クラシカル・バレエ・シアター第5回公演『ジゼル』

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ
text by Atsuko Suzuna

クラシカル・バレエ・シアター第5回公演『ジゼル』

 田中規子が代表をつとめるクラシカル・バレエ・シアター公演も5回目を迎えた。今回の演目は『ジゼル』。田中は以前、バレエスタジオミューズ公演で、ドレスデン・バレエのディレヴィヤンコ振付による『ジゼル』のベルタ(ジゼルの母親)役をしており、今回その時の経験がよく生きているように見えた。
 主役ジゼルを踊ったのは長尾さやか。やさしい柔らかい雰囲気を持った彼女、正直なところテクニック的に秀でているわけではないのだが、素直で清純な踊りに好感が持てた。アルブレヒトは沖潮隆之、まだとまどいが出ているのかと見える部分もあったが、ルックス的にアルブレヒトは似合う。
 ヒラリオンの桑田充が、細かい部分までよく考えた演技で、マイムも生き生きしていてとても良かった。ベルタの田中規子も経験を生かしてさすが。
 バチルド姫とミルタの田中裕子は、長身でスタイルもよく、強いイメージがよく出ていた。松谷沙美と桃田幸子のドゥ・ウィリーを中心に、コール・ド・バレエも美しかった。
 全体的に、それぞれのダンサーが持つ雰囲気を上手く活かした適材適所のキャスティングだったように思う。
(9月10日 京都こども文化会館大ホール)

クラシカル・バレエ・シアター第5回公演『ジゼル』

クラシカル・バレエ・シアター第5回公演『ジゼル』

クラシカル・バレエ・シアター第5回公演『ジゼル』

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