豪日共同ダンスプロジェクト『INK』
- ワールドレポート
- 大阪・名古屋
掲載
ワールドレポート/大阪・名古屋
- すずな あつこ
- text by Atsuko Suzuna
2006年は、オーストラリアと日本両政府が制定した「豪日交流年」。これは、そんな今年行われている、選出された5人のオーストラリアの振付家が、それぞれ日本のアーティストとのコラボレーションにより新作を創り出す「ネオン・ライジング/アジアリンク -日本コンテンポラリー・ダンス交流」の一環。
オーストラリアで数々の賞に輝くケイト・デンボローが振付、高橋匡太が映像を受け持ち、北村成美とジェラルド・ヴァン・ダイクが出演。『INK』は、"インク"と読む。ライトで作るインクの線・・・たくさんの筆記具で、寝ている男の腕や足・・・身体のそれぞれの分を支えていく。
見終わって頭に浮かんだのは〈対比〉と〈関係〉。黒い短めのワンピースの女(北村)は、昔の歌謡曲ー沢田研二の歌に合わせて俗っぽく踊り、どこか毒々しい魅力をぷんぷんさせている。ナチュラルな膝丈のズボン姿の男性(ジェラルド)は、爽やかな力を抜いた雰囲気。女ー男、黄色人種ー白色人種、混沌ー整然、する人ーされる人、惚れるー惚れられる・・・そんな、対になる言葉を二人のダンサーに当てはめながら、二人の関係について思いを巡らせた。
(7月18日、19日 Art Theater dB・18日を鑑賞)