DANCE BOX Vol.138 one - dance 花沙の『hana』

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ
text by Atsuko Suzuna

『hana』

『hana』

 DANCE BOXが定期的に行っている主催公演の中で、"DANCE CIRCUS"というのは選考の ない開かれた公募企画で、先着順で受付けたグループ がそれぞれ12分間の作品を上演するもの。そこから優れた作品をピックアップして20分の作品を上演するのが" DANCE BOX Selection"、そしてさらに今回の、ひとつだけで上演する"one - dance"。スポーツで言えば勝ち抜き優勝戦・・のように選ばれぬいたもの。

 上演された『hana』は、踊る花沙と、渡辺敬介の作品---ヌードデッサンを切り抜いて板状で立てたようなオブジェ数体との共演。
 赤いワンピースの女性---花沙がひとり、指を動かすホンのささやかな動きから、私たちを惹きつけはじめる。だんだん、だんだん、大きな激しい動きになり、ある時は鳥のよう、ある時は何か動物のよう、ある時は水を泳ぐ何かであったり・・・それがすべて、とてもさりげなくてナチュラル、彼女の感受性が外部からの小さな何かに反応して勝手にそうさせているようにさえ見える。ヌードのオブジェとのからみあいは、エロティックにも感じられれば、無邪気なコの、お遊びのようにも思えたり・・・。
 花と一言で言っても、色んなイメージの花がある。この踊りの中でのさまざまな変化は、それぞれ色んな花を思わせているのかな?とそんな気もした。

(3月31日、DANCE BOX )

『hana』

『hana』

『hana』

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