室尾由紀子と法村圭緒が主演、法村友井バレエ団『くるみ割り人形』
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- 大阪・名古屋
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ワールドレポート/大阪・名古屋
- すずな あつこ
- text by Atsuko Suzuna
4年目を迎える、アルカイックホールでの法村友井バレエ団『くるみ割り人形』が、今年も上演された。
このバレエ団の『くるみ』はロシア版の流れを組む演出で、クララが金平糖のグラン・パ・ド・ドゥも踊るもの。今年そのクララ役は室尾由紀子。可愛らしい童顔の彼女、いきいきとした表情もチャーミングでクララがとても似合っていた。金平糖のグランパ・ド・ドゥの部分でも、アダージオでは、二人で組むことに若干慣れていないのかなと思わせるところもあったものの、決めるところはスキッと決まり観ていて気持ちのよいものに仕上がっていた。王子(くるみ割り人形)の法村圭緒も、軽くてキレのある動き、アラセゴン・トゥールやシェネもとてもきれい、そして上品で優しい表情はさすが。
他に、2幕に登場する蝶々達、高田万里、上田麻子、法村珠里の3人が踊ったが、3人ともスタイルがよくて踊れるダンサーたち、美しい動きを見せてもらった。ディヴェルティスマンもアラビアの杉岡麻魅など、それぞれそのダンサーの雰囲気を活かした踊りにキャスティングされていて楽しめた。中国の辰巳紗代、東文昭の二人も表情共々可愛らしくていい。
中でも印象に残ったのはギゴーニュおばさん----あのてっぺんに乗っているおばさんを演じた杉山環、まだ小さい女の子が鏡とパフを持って、お顔をパタパタ、小さいのにしっかりと雰囲気が出ていて、可愛くて仕方がなかった。
少し気になったのは、全体的に照明が明るかったこと、雪のシーンなど場面によっては、もう少し落とした方がドラマに入り込めるような気がした。
休憩中にはお楽しみ抽選会もあり、子ども達にとって楽しめる一夜だった。
(12月25日 尼崎アルカイックホール)