『海賊』から『SYMPHONY IN C』まで一体感のある舞台、「フレッシュバレリーナフェスティバル」
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ワールドレポート/名古屋
関口 紘一 Text by Koichi Sekiguchi
越智インターナショナルバレエ
「フレッシュバレリーナフェスティバル カーニバル2018」越智久美子:演出・振付
第35回を迎えた越智インターナショナルバレエのフレッシュバレリーナフェスティバルが、今年も7月25日に名古屋市芸術創造センターで開催され、カーニバル2018としてアカデミーの生徒たちも参加した。演出・振付は越智久美子。PART 1は可愛らしいバレリーナの卵たちによる『海賊』花園の場。続いてチャイコフスキー『白鳥の湖』やドリーブの『コッペリア』など様々のヴァリエーションが踊られた。こちらも小さなバレリーナたちが愛らしく踊った。
カーニバル2018に出演の子供達 撮影:田中聡(テス大阪)
「デフレ」撮影:田中聡(テス大阪)
そしてPART 2はショパンのポロネーズによるデフレで幕が開き、若いダンサーから主役を踊るカンパニーの主要メンバーまでが勢揃いして、フェスティバルを祝った。
そしてオープニングも『海賊』で、オダリスクよりアントレとコーダが踊られた。続いて様々なヴァリアシオンが踊られ、どれも丁寧な踊りだったが、『パキータ』のパ・ド・ドゥ(森藤純花、末松大輔)が意欲的に表現しようとしていて感心した。また、越智久美子が振付けた『パ・クラシック』は「森の女王のヴァリアシオン」(鈴木友美)「ローズアダージオよりヴァリアシオン」(大下結美花)「オーロラ姫のヴァリアシオン」(奥田桃子)「グラン・パ・クラシックよりヴァリエアシオン」(渡辺梢)を構成したもの。皆それぞれにしっかりと踊り良かったが、渡辺梢の軽さを感じさせる踊りが印象に残った。『ディアナとアクティオン』よりパ・ド・ドゥも中西愛里紗とヤロスラフ・サレンコにより踊られた。中西は可能性を感じさせる魅力的なダンサーだ。
PART 3は『SYMPHONY IN C』から。ビゼーの音楽にワレリー・コフトンが振付けたものに基づいて、越智久美子が再振付を行った。第1楽章では、プリンシパルの越智久美子とヤロスラフ・サレンコがメインのメロディを踊り、群舞がドラマティックな展開を表す。第3楽章では男性ダンサーを中心に踊らせ、第4楽章は全員が踊って大いに、舞台を盛り上げた。全体の構成がしっかりしているので、ダンサーも自然に高揚してくるよう。全体を通じてダンサーに一体感が感じられた良い舞台だった。
(2018年7月25日 名古屋市芸術創造センター)
「SYMPHONY IN C」撮影:田中聡(テス大阪)