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山本庸督のオベロン、髙井香織のタイターニア、海外で活躍中のダンサーも出演──Y.S.BALLET COMPANY 堀内充振付『真夏の夜の夢』

ワールドレポート/大阪

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

Y.S.BALLET COMPANY

『真夏の夜の夢』堀内充;振付

8年前に同カンパニーで初演された『真夏の夜の夢』の再演。オベロンの山本庸督、タイターニアの髙井香織を中心に、このバレエ団で育ち海外で活躍している大巻雄矢や山本勝利、井上雄介なども出演、レベルの高いダンサーが揃った。加えて、初演時につくられた森壮太による舞台美術と松浦眞也による照明で、大きな柱が照明によって様々に印象を変え、視覚的にもとてもセンスの良い舞台。幻想的な真夏の森に迷い込んだように楽しんだ。

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タイターニア:髙井香織  撮影:尾鼻文雄(OfficeObana)(すべて)

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ヒポリタ:浅野真奈、シーシアス:中井嵩人

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『真夏の夜の夢』

幕開け、まず、ヒポリタ(浅野真奈)が登場し、達者な踊りで物語に誘う。オベロンの山本庸督は王らしく堂々とした雰囲気に憂いも含んで、タイターニアの髙井香織は優しげで美しい。そしてパック(山本勝利)がパックの妹(中浜のぞみ)とペアで登場するのは、この堀内版の大きな特徴。2人がバレエテクニックを軽快に駆使して、キュートなコミカルさを見せながら、全体のアクセントになっていたのが印象的。ライサンダー(宗近匠)、ハーミア(板敷まり)、ディミートリアス(大巻雄矢)、ヘレナ(坂口舞)の人間模様も丁寧に描かれ、しっかりと演じられていた。タイターニアが惚れ薬でロバのボトム(井上雄介)に恋する場面、髙井が柔らかなげな表情でロバによりそう姿は穏やかなメルヘンのよう、井上のさりげないしぐさの微笑ましさとともに印象的だった。
ラスト、ヒポリタとシーシアス(中井嵩人)、ライサンダーとハーミア、ディミートリアスとヘレナ、3カップルの結婚は、明るい青空のもと白いチュチュ姿で有名な「結婚行進曲」に乗せて盛大に、それなりの長さのある充実した場面として構成されていた。もちろん、この曲は『真夏の夜の夢』のなかの曲で必要なのだけれど、日本で通常の結婚式にも使われるあまりにも有名な曲だ。『真夏の夜の夢』の全体の幻想的な雰囲気のなかでは、個人的にはもう少し短くさらっとした使い方でも良いかもしれない、と感じた。

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オーベロン:山本庸督

だがさすがに、実力派ダンサーたちと、良い振付、舞台、照明......総合芸術としての魅力を楽しめる舞台に仕上がっていた。
(2018年8月4日 NHK大阪ホール)

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『真夏の夜の夢』

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パック:山本勝利、パックの妹:中浜のぞみ

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タイターニア:高井香織、ボトム:井上雄介

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ヘレナ:坂口舞、ディミートリアス:大巻雄矢

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ヒポリタ:浅野真奈、シーシアス:中井嵩人、ヘレナ:坂口舞、ディミートリアス:大巻雄矢、ハーミア:板敷まり、ライサンダー:宗近匠撮影:尾鼻文雄(OfficeObana)(すべて)

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