越智友則を主軸に上田遙が振付けた「赤と白と黒の世界」
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ワールドレポート/大阪・名古屋
- 上野 茂
- text by Shigeru Ueno
振付:上田遙『3elements ~ 赤と白と黒の世界を踊る』ほか
中部にバレエを育てる会 名古屋シティバレエ団
越智インターナショナルバレエを中心に構成される名古屋シティバレエ団が毎年開催している「中部にバレエを育てる会」。27回目となる今回は、名古屋市芸術創造センターのサポート公演に認定され、新たな広がりを見せた。
その第1は国際的コレオグラファー(振付家)上田遙の参加。第2はジャズダンス舞踊団が公演の輪に加わったことだ。
上田は2009年、名古屋市民芸術祭の主催公演『戦国バレエSHIRO』を振付けけ、日本人のDNAを揺さぶるドラマチックな舞踊劇を構築。観客を熱く魅了した。
その作品で若き侍大将を演じたのが越智友則だった。
今回、上田は友則を主軸に置き『3elements ~ 赤と白と黒の世界を踊る』を創作。情熱的な赤(フラメンコ)、ロマンあふれる白(バレエ)、そして欲望とエロスに満ちた黒(タンゴ)の世界を描出した。
友則は3つの世界の主人公としてシャープなソロでアンサンブルをリード。7つの舞踊団から選抜されたのべ38人のダンサーが、それぞれの世界を情感豊かに体現。越智久美子とワディム・ソロマハの黄金コンビは赤、黒の世界で鮮やかなペアリングを見せ、観客を熱狂させた。
『3elements』に先立ち行われたグループ別のステージでは、初参加のスタジオM、名鶴ひとみステージングダンスがビート感あふれるダンスを展開。バレエファンに〝ジャズ〟の魅力をアピールした。
今回のステージの興奮と高まりを、ぜひ次回公演にも引き継いでほしいものである。
(2011年3月19、20日 名古屋市芸術創造センター)
撮影:テス大阪