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夏山周久演出・再振付で関西の実力派ダンサーたちが踊った全日本洋舞協会『ラ・バヤデール』

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

全日本洋舞協会合同公演2018『ラ・バヤデール』

夏山周久;演出・再振付

パリを拠点に活躍する全日本洋舞協会会長の黒井治は、1992年、パリ・オペラ座ガルニエ宮で、ヌレエフが渾身の思いで創り上げた『ラ・バヤデー』の舞台を観て心が震え、今でも強烈に脳裡に焼き付いているという。その後、数え切れないほどの『ラ・バヤデール』を観てきたという彼の思いを受け、今回、夏山周久の演出・再振付での公演が実現した。

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ニキヤ(1幕・3幕):片岡典子、ソロル:青木崇
撮影:尾鼻文雄(OfficeObana)

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ニキヤ(1幕・3幕):片岡典子、ガムザッティ:国田美和
撮影:尾鼻文雄(OfficeObana)

第3幕までを上演し、ニキヤは踊り分ける形で、1幕・3幕を片岡典子、2幕を荒井茜、ソロルは青木崇、ガムザッティを国田美和。片岡は壮大な全幕のそれぞれの場面場面を、一つひとつ大切に丁寧に踊り好演。荒井は凜とした魅力を持って"白"の世界を表現した。国田はさすがにベテランらしく、登場するだけで華があるとともに、ニキヤと対する場面の凄みのある演技には会場中が引きつけられた。加えてスピーディーな回転などの高度な技術も衰え知らずで完成度が高かった。
脇も良いダンサーたちが多々目についた。大僧正は大柴拓磨、彼はルックスも良いダンサーだが、演技に対する細やかな取り組み、彼らしく役を組み立てて表現しているのが良い。ラジャの山口章も経験を重ねたこその自然な演技。また、ガムザッティの召使マヤに森薫というのは贅沢な配役。さまざまな全幕舞台の経験を重ねたからこそだろう、脇で自然に場をつくる役割を果たした。ブロンズ像の末原雅広が鮮やかなテクニックを楽しませてくれたのは言うまでもない。

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ガムザッティ:国田美和、ソロル:青木崇
撮影:尾鼻文雄(OfficeObana)

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ニキヤ(1幕・3幕):片岡典子 撮影:尾鼻文雄(OfficeObana)

この公演、終演後にいくつかの賞が与えられた。主催の全日本洋舞協会賞に片岡典子、兵庫県芸術文化協会賞に荒井茜、産経新聞社賞に国田美和。そして、将来が期待される若手ダンサーに贈られるパリ・コンセルヴァトワール短期研修のご褒美と10万円の渡航補助つきの全日本洋舞協会会長賞は、「影の王国」の第1ヴァリエーションを踊った久保本美咲。恵まれたスタイルを持った彼女、これからの成長が楽しみだ。
(2018年6月10日 あましんアルカイックホール)

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ニキヤ(2幕):荒井茜 撮影:尾鼻文雄(OfficeObana)

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ニキヤ(1幕・3幕):片岡典子、ガムザッティー:国田美和、ソロル:青木崇 撮影:尾鼻文雄(OfficeObana)

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ニキヤ(2幕):荒井茜、ソロル:青木崇
撮影:尾鼻文雄(OfficeObana)

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ニキヤ(1幕・3幕):片岡典子、ソロル:青木
撮影:尾鼻文雄(OfficeObana)

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『ラ・バヤデール』ニキヤ(2幕):荒井茜、ソロル:青木崇 撮影:尾鼻文雄(OfficeObana)

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