若手伸び盛りの荒瀬結記子と正富黎主演により、野間景改訂振付『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ
text by Atsuko Suzuna

野間バレエ団

『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』ジャン・ドーベルヴァル:原振付、野間景;改訂振付

21年前に野間バレエ団の第3回記念公演で、フェルディナン・エロルドの曲をランチベリーの編曲によりオーケストラ演奏で上演した思い出の演目『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』。この時、主役リーズを踊った野間景が、今回は改訂振付を行った上演。主役リーズ&コーラスは、ともに3歳からこのスタジオでレッスンを続けてきた荒瀬結記子と正富黎。正富は現在、チェコのThe National Moravian-Silesian Theatreで活躍しているダンサーだ。

荒瀬のリーズは、バレエのパがとてもスムーズで美しいのはもちろん、穏やかで爽やかな魅力、本人の人柄がにじみ出ているのだろう。そして、正富のコーラスは伸びやかで、アラセゴン・トゥールなど、技にシャープさがあって良い。2人は、ここ数年、どんどん成長しているように感じられる。そして、リーズの母シモーヌは青木崇。ノーブルな王子などで定評のある彼の女装は、やはり美しく、だが、演技力もさすがで厳しいお母さんを自然に、絶妙な間も駆使しながら演じた。木靴の踊りも、後半になるにつれてどんどんノリノリに盛り上がって楽しませてくれた。また、アランの大門智も、コミカルでとても良い味を出していたのが印象的だった。

『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』リーズ:荒瀬結記子、コーラス:正富黎 撮影:古都栄二(テス大阪)

リーズ:荒瀬結記子、コーラス:正富黎
撮影:古都栄二(テス大阪)

全体に楽しい演出でありながら、品を失わない舞台になっていることに、このバレエ団の特性が出ているようで、とても気持ちよく観ることができた。
(2016年7月23日 ソフィア・堺ホール)

『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』リーズ:荒瀬結記子 撮影:金原優美(テス大阪)

荒瀬結記子
撮影:金原優美(テス大阪)

『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』リーズ:荒瀬結記子、コーラス:正富黎 撮影:金原優美(テス大阪)

荒瀬結記子、正富黎
撮影:金原優美(テス大阪)

『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』アラン:大門智 撮影:金原優美(テス大阪)

大門智
撮影:金原優美(テス大阪)

『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』にわとり(親):井村祐介、にわとり(子):安藤楓夏 撮影:金原優美(テス大阪)

井村祐介、安藤楓夏 撮影:金原優美(テス大阪)

『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』撮影:金原優美(テス大阪)

撮影:金原優美(テス大阪)

『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』コーラス:正富黎 撮影:古都栄二(テス大阪)

正富黎 撮影:古都栄二(テス大阪)

『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』コーラス:正富黎 撮影:古都栄二(テス大阪)

荒瀬結記子、青木崇 撮影:金原優美(テス大阪)

『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』シモーヌ:青木崇 撮影:金原優美(テス大阪)

青木崇 撮影:金原優美(テス大阪)

『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』撮影:古都栄二(テス大阪)

撮影:古都栄二(テス大阪)

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