クララを大谷美夢羽、金平糖の精を山田梨央、佐々木大、青木崇も踊った『くるみ割り人形』よりクララの夢 他、北山大西バレエ団

北山大西バレエ団第26回公演

『くるみ割り人形』よりクララの夢 他

北山大介と大西縁が主宰する北山大西バレエ団の舞台はいつもバレエ公演としては、ちょっと独特。北山が指導するミュージカルの出演者たちによる歌の披露があったり、この教室でバレエを学んだ後、ベリーダンスの世界に進んだダンサーの披露があったり、休憩中にはクラウンが登場したりと変化に富んでいる。そんな独特の舞台を、昨年末に惜しくも他界された薄井憲二氏もよく観に来られていたことから、お写真を置いた薄井氏の席が用意され、黙祷が捧げられた。

コンサート形式で進む舞台、印象に残ったものを挙げたい。
水谷有梨と青木崇の『ジゼル』よりパ・ド・ドゥは、青木がさすがにアルブレヒトの心情を深く表現、水谷も丁寧に踊っていたが、もう数歩、心情表現に深みが出ればさらに良い。まだ若いのでこれからの課題だろう。また、この演目では、照明はもう少し落ち着いていた方が良かったと思う。
的場涼香、水谷有梨、山田梨央と踊れるダンサー3人の『トリッチトラッチポルカ』は、ステッキを持っておしゃれに楽しく、3人に良く合って楽しめた。また『KAGLA』は、北山の音楽で原振付が高谷大一の、この団体らしい和の魅力とポアントテクニックを使った格好良さが融合した演目。的場中心に楽しませた。
その的場は25年表彰だそうで、青木崇と『海賊』よりグラン・パ・ド・ドゥを踊った。脚を上げすぎない品、つつましさを意識して取り組んでいることが感じられた。
最後は『くるみ割り人形』よりクララの夢。クララの大谷美夢羽は無邪気な感じが良く出て好演。演技派でもある青木崇がドロッセルマイヤー、テクニックも活かした雪の女王を的場、花のワルツの中心はスタイルに恵まれて優しい雰囲気の若林芽衣。そして、金平糖の精&王子は、山田梨央と佐々木大。山田は爽やかさも持って自然に喜びを客席に伝えた。
(2018年1月21日 大阪国際交流センター)

『ジゼル』よりパ・ド・ドゥ 水谷有梨、青木崇 撮影:スタジオフォーマット

『ジゼル』よりパ・ド・ドゥ 水谷有梨、青木崇
撮影:スタジオフォーマット

『海賊』よりグラン・パ・ド・ドゥ 的場涼香、青木崇 撮影:スタジオフォーマット

『海賊』よりグラン・パ・ド・ドゥ
的場涼香、青木崇
撮影:スタジオフォーマット

『くるみ割り人形』よりクララの夢 金平糖の精:山田梨央、王子:佐々木大  撮影:スタジオフォーマット

『くるみ割り人形』よりクララの夢
金平糖の精:山田梨央、王子:佐々木大
撮影:スタジオフォーマット

『ドン・キホーテ』第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥ 大谷美夢羽、亀田研介 撮影:スタジオフォーマット

『ドン・キホーテ』第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥ
大谷美夢羽、亀田研介
撮影:スタジオフォーマット

『トリッチトラッチポルカ』的場涼香、水谷有梨、山田梨央 撮影:スタジオフォーマット

『トリッチトラッチポルカ』
的場涼香、水谷有梨、山田梨央
撮影:スタジオフォーマット

『くるみ割り人形』よりクララの夢花の女王:若林芽 撮影:スタジオフォーマット(すべて)

『くるみ割り人形』よりクララの夢花の女王:若林芽
撮影:スタジオフォーマット

ワールドレポート/大阪・名古屋

[ライター]
すずな あつこ

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