ソロマハと『時の踊り』を踊った渡辺梢の表現力・安定感のある踊りが印象的

第34回フレッシュバレリーナフェスティバル

越智インターナショナル・バレエ
『時の踊りーオペラ「ジョコンダ」より』ワレリー・コフトンによる越智久美子:振付、「バレエコンサート」

越智インターナショナルバレエ(越智久美子代表)の第34回フレッシュバレリーナ・フェスティバルが6月4日、名古屋の日本特殊陶業市民会館ビレッジホールで開かれた。1989年に新人公演としてスタートしたこの会は、若手に経験を積む機会を与えるのが狙い。出演する若手には、自分をアピールするいい機会となる。

出演者全員が紹介されたあと、『ドン・キホーテ』の名シーンで華やかに幕を開けた。いきなりワディム・ソロマハが登場。初めから盛り上げようという構成でインパクトがある。ワディムの相手役に起用されたのは髙木優花。手足が長く、バレエダンサーとして恵まれた体型で、今後が楽しみな素材だ。
後半も、最初の演目が今回のメイン作品『時の踊り』〜オペラ『ジョコンダ』より〜で、故ワレリー・コフトンが94年に越智久美子とワディムのために振付けた作品。独特なリズム感の曲に合わせた傑作で、初演時に見て印象に残った記憶がある。今回は、渡辺梢がワディムの相手を務めた。渡辺はキャリアが豊富で、技術、表現力ともにあり安定感がある。今回総合的に見て、やはり一番手の女性ソリストと言えよう。

第34回フレッシュバレリーナフェスティバル 時の踊り〜オペラ「ジョコンダ」より〜 渡辺 梢、ワディム・ソロマハ

第34回フレッシュバレリーナフェスティバル
時の踊り〜オペラ「ジョコンダ」より〜 
渡辺 梢、ワディム・ソロマハ

この2人のほか、『ディアナとアクティオン』の奥田桃子、『無益な用心』の中西愛里紗、『黒鳥』の都築花野(大寺資二バレエ・アカデミー)らに、一歩抜き出た実力を感じた。
(2017年6月4日 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール)

第34回フレッシュバレリーナフェスティバル 「ディアナとアクティオン」よりディアナのヴァリアシオン 奥田桃子

第34回フレッシュバレリーナフェスティバル
「ディアナとアクティオン」より
ディアナのヴァリアシオン 奥田桃子

第34回フレッシュバレリーナフェスティバル 「無益な用心」よりパ・ド・ドゥ 中西愛里紗、アレキサンドル・ブーベル

第34回フレッシュバレリーナフェスティバル
「無益な用心」よりパ・ド・ドゥ 
中西愛里紗、アレキサンドル・ブーベル

第34回フレッシュバレリーナフェスティバル 時の踊り〜オペラ「ジョコンダ」より〜 渡辺 梢、ワディム・ソロマハ

第34回フレッシュバレリーナフェスティバル
時の踊り〜オペラ「ジョコンダ」より〜 
渡辺 梢、ワディム・ソロマハ

第34回フレッシュバレリーナフェスティバル「フィナーレ」

第34回フレッシュバレリーナフェスティバル
「フィナーレ」

第125回アカデミィ公演「コッペリア」より

第125回アカデミィ公演「コッペリア」より

第68回岐阜アカデミィ公演「ライモンダ」より

第68回岐阜アカデミィ公演「ライモンダ」より

四日市・桑名アカデミィ公演「フェアリードール」より

四日市・桑名アカデミィ公演「フェアリードール」より

四日市・桑名アカデミィ公演「ドン・キホーテ」より エスパーダ:ワディム・ソロマハ、大道の踊り子:渡辺 梢

四日市・桑名アカデミィ公演「ドン・キホーテ」より
エスパーダ:ワディム・ソロマハ、大道の踊り子:渡辺 梢

ワールドレポート/大阪・名古屋

[ライター]
舞踊ジャーナリスト 上原宏

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