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ニューヨーク・シティ・バレエの"Classic NYCB II"、ジャスティン・ペックの新作『ロタンダ』ほかが上演された

ワールドレポート/ニューヨーク

ブルーシャ 西村 Text by BRUIXA NISHIMURA

「クラシックNYCB II」ニューヨーク・シティー・バレエ

"Classic NYCB II" New York City Ballet
ジャスティン・ペック(Justin Peck)振付ほか

1月21日から3月1日まで、ニューヨーク・シティ・バレエの冬のシーズン公演でした。私が見たのは2月28日の新作を含んだ「クラシックNYCB II」です。休憩を2回はさんで3つの小品が上演されました。3人の振付家による3つの作品を、一つの公演で観ることが出来る機会でした。

新作『ロタンダ(円形建築)』"Rotunda"は、今回の冬公演の2020年2月26日ニューヨーク初演です。音楽は若手アメリカ人作曲家のニコ・マーリー(Nico Muhly)、ジャスティン・ペック(Justin Peck)の振付です。25分間くらいの作品でした。
出演したプリンシパルはサラ・マーンズ(Sara Mearns)、エイドリアン・ダンチヒ・ウォリング(Adrian Danchig Waring)、ゴンサロ・ガルシア(Gonzalo Garcia)、ダニエル・ウルブリヒト(Daniel Ulbricht)です。他はソリスト8名で、全部で12名のダンサーたちが出演しました。
この作品は8つのパートが連なっていました。幕が上がると舞台上に1人の男性が寝そべっていて、そこにダンサー全員が次々に出てきて、12名で踊るところからスタートしました。

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New York City Ballet in Justin Peck's Rotunda. Photo by Erin Baiano

作品の構成は工夫してよく練られていて、静かに始まり、変化のある盛り上がりがあり、にぎやかなフィナーレで終わりました。男女3名の踊り、男女のパ・ド・ドゥ、女性ソロ(サラ・マーンズ)の踊りと他全員の踊り、男女5名の踊り、男性ソロ(ゴンサロ・ガルシア)の踊り、そして全員のフィナーレでした。
ペックの振付はベースはクラシックですが、新鮮な身体の使い方を入れているので現代的な印象があります。とても自由でのびのびとした振付で、今日の振付家らしさが現れていました。小走りで駆け回るところなどがあり、男女のパ・ド・ドゥ、リフトのテクニック、女性ソロと男性ソロの見せ場も手際よく盛り込まれていて、全体のバランスがよくとれていました。
全体に速いリズムの音楽に乗って、素速い動きが次々に展開され、流れるように続いていきました。
最後は、全員でかけ足でぐるぐる走って周っていたところ、ガルシア1人だけ残り他の全員がさっと幕の中へ去っていきました。そしてそのガルシア1人だけが走っていたところ急に止まって、駆け足の途中の姿で止まったポーズのまま照明が消え、まだ何かが続くような希望の持てる明るいシーンで終わりました。すごい拍手でした。

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Gilbert Bolden III and Sara Mearns of New York City Ballet in Justin Peck's Rotunda. Photo by Erin Baiano

"In G Major" は、音楽モーリス・ラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」、ジェローム・ロビンズ(Jerome Robbins)振付、1995年にニューヨークで初演された作品です。パリ・オペラ座バレエ団ではジェローム・ロビンズへのオマージュ公演で『アン・ソル』として上演しました。
センターのパ・ド・ドゥは、ソリストのユニティー・フェラン(Unity Phelan)とジョヴァーニ・フルラン(Jovani Furlan)です。この作品では他に12名の群舞のダンサー達たちが踊りましたが、プリンシパルは出演しませんでした。今見ても色あせないロビンズの振付で、クラシック・バレエベースで、明るく楽しい踊りが続く、ハッピーエンドの作品でした。
最後はフェランが両腕を広げているところを、男性たちにリフトで持ち上げられていて、全員でポーズを取り静止して決めていました。

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Unity Phelan and Jovani Furlan in Jerome Robbins' In G Major. Photo by Paul Kolnik

『DGV』(DGV: Danse a Grande Vitesse)です。音楽はマイケル・ナイマン(Michael Nyman)、クリストファー・ウィールドン(Christopher Wheeldon)振付です。初演は2006年11月英国ロイヤル・バレエ団です。
出演したプリンシパルはテレサ・レイクレン(Teresa Reichlen)、テイラー・スタンレー(Taylor Stanley)、ミーガン・フェアチャイルド(Megan Fairchild)、ローレン・ラヴェット(Lauren Lovette)、アンドリュー・ヴェイエット(Andrew Veyette)、ゴンサロ・ガルシア(Gonzalo Garcia)です。他はソリスト2名とコール・ド・バレエ多数です。
男女ペアが4組で、パ・ド・ドゥが多い振付でした。見せ場のパ・ド・ドゥがたくさん盛り込まれていて、クラシック・ベースでリフトのテクニックが多く使われ、速い展開が続きました。くり返しも多く取り入れられていて、淡々と素速く続いて、マスゲームのような印象の踊りが続きました。
前方でパ・ド・ドゥが続いているところに、同時に舞台後方では背景のように群舞のダンサーたちが大勢手をつないでグランプリエをくり返しながら横に移動し続けていました。

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Brittany Pollack and Peter Walker in Christopher Wheeldon's DGV: Danse à Grande Vitesse. Photo by Erin Baiano

(2020年2月28日夜 David H.Koch Theater)

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