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自由な発想で明るく楽しい闊達な踊りが繰り広げられた、マーク・モリス・ダンスグループの公演

ワールドレポート/ニューヨーク

ブルーシャ 西村 Text by BRUIXA NISHIMURA

Mark Morris Dance Group Mostly Mozart Festival
マーク・モリス・ダンス・グループ「モストリー・モーツァルト・フェスティバル」

"Sport" "Empire Garden" "V" by Mark Morris
『スポート』、『エンパイア・ガーデン』、『V』 マーク・モリス:振付

7月10日から8月10日まで開催されていた、ニューヨークのリンカーンセンター主催の「モストリー・モーツァルト・フェスティバル」で、マーク・モリス・ダンス・グループの公演がありました。音楽の造詣が深く、自身のカンパニーに専属のオーケストラも抱えているマーク・モリスは、このフェスティバルに毎年招聘されています。

休憩をはさんで、演目は3つでした。
まず、世界初演の『スポート』。振付はマーク・モリス、音楽はエリック・サティ(Erik Satie)の "Sports et Divertissements"です。ピアノ演奏に乗せて12名のダンサーたちが踊りました。
速いリズムに乗って、ダンサーは数名ずつのグループで登場して、踊り、走り去ったり、次々と入れ替わる速い展開が続きました。ダンサーたちは裸足でした。
ダンサー同士で引っ張り合ったり、反対に引っ張って倒れていったり、動いていて引っ張られていったり、お互いの体重をかけて使いながら動くところなども多かったです。舞台の端にダンサーが座っていて、反対側のダンサーが集団で泳ぐ真似をしていたところは、自由な発想で一風変わっていました。クロール、平泳ぎ、バックなど様々な泳ぎ方を上半身で真似して動いていました。スポートというタイトルのとおり、様々な運動をダンスで表現しているようでした。時々、観客は何度も大笑いして受けていました。25分間くらいの楽しい作品でした。難易度の高い動きは特に無いのですが、バレエベースで基礎はきちんと押さえられていて、自由にのびのびと踊っていました。

2曲目は2009年初演の『エンパイア・ガーデン』(Empire Garden)です。振付はマーク・モリス、音楽はアメリカ人作曲家チャールズ・アイヴス(Charles Ives) の、"Trio for Violin, Violoncello, and Piano, S. 86"です。
出演ダンサーは15名で、30分くらいの作品でした。演奏はヴァイオリン、チェロ、ピアノでした。衣装はカラフルな様々な色のラフなものでした。
音楽の音符にピッタリ合っている動きの振付でした。モリスらしいオリジナリティーが高い個性的な変わった振付です。
バレエベースですが、両手をグーにしたまま動かして踊ったり、2番ポジションでプリエしたままで上半身だけ動かして踊ったりしていました。

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「エンパイア・ガーデン」photo/Gene Schiavone

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「エンパイア・ガーデン」photo/Gene Schiavone

3曲目は2001年初演の 『V』 です。振付はマーク・モリス、音楽はロバート・シューマン(Robert Schumann)の Quintet in E Flat Major for Piano and Strings, Op. 44--Allegro brillante; In modo d'una Maria. Un poco largamente - Agitato; Scherzo molto vivace; Allegro, ma non troppoです。演奏はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノでした。
静かなゆったりした曲に乗って、バレエベースの振付で、何組かペアで踊るところも多かったです。リフトも多用していました。ペア、少人数のグループの踊りが次々に入れ替わっていきました。速い展開で踊りが進みました。
ダンサーたちが這って進んでいるところを途中で、急に立ち上がって歩いたり、踊っていたかと思うと走り回ったり、立っている1人が床にいるもう1人をひきずったり、リフトしたダンサーをぐるっと回すところもありました。2人ずつペアで出てきて、リフトして踊り、ポーズをとって静止して終わりました。衣装もシンプルでしたが、なかなか洒落ていて動きと合っていました。
全体的にあまり細部にとらわれない自由な発想で動きが作られていて、闊達で明るく、観客も大いに楽しんだ公演でした。
(2019年7月12日夜 リンカーンセンター・ローズシアター)

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「V」photo/Robbie Jack

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「V」photo/Robbie Jack

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