きらめく宝石の様々な踊りを3人の作曲家の音楽に乗せて、NYCBのダンサーたちが豪華に踊った
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掲載
ワールドレポート/ニューヨーク
- ブルーシャ西村
- text by BRUIXA NISHIMURA
New York City Ballet ニューヨーク・シティ・バレエ団
" Jewels " by George Balanchine
『ジュエルズ』ジョージ・バランシン:振付
ニューヨーク・シティ・バレエの秋のニューヨーク公演、『ジュエルズ』を観ました。初演は1967年ニューヨークで、バランシンの代表的な振付作品の一つです。
休憩を2回を挟んで、I「エメラルド」( EMERALDS )、II「ルビー」( RUBIES )、III「ダイアモンド」( DIAMONDS )の3幕で構成され、それぞれの宝石で違う作曲家の曲が使われています。舞台セットと衣装は、宝石ごとにイメージ、デザインが変えられており、全体的にキラキラ輝いている雰囲気ですが、シンプルで落ち着いたイメージでまとめられていて、ところどころに煌びやかで華やかなイメージが加えられていました。ゴージャスな感じですが、バランスが取れていて美しかったです。
音楽は「エメラルド」はガブリエル・フォーレの曲「ペレアスとメリザンド」と「シャイロック」、「ルビー」はイーゴリ・ストラヴィンスキーの曲「ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ」、「ダイアモンド」はピョートル・チャイコフスキーの曲「交響曲第3番 ニ長調」です。
衣装には光り物が散りばめられていて、女性ダンサーたちは、頭に輝くティアラを着けていました。群舞のダンサーたちは多かったので、見ごたえがありました。
I「エメラルド」のプリンシパルはタイラー・ペック&アマール・ラマサーのペア、レベッカ・クローン&アスク・ラ・コールのペアです。
舞台後方の背景は緑色で、上のほうにはエメラルドのように緑色に輝く光り物が、ところどころに曲線状に置かれていました。
女性ダンサーたちは、緑色長めのシフォンチュチュでした。全体に軽快な感じでした。女性ソロ、男性ソロ、パ・ド・ドゥ、男女3人、10人などの小さなグループでの踊りが次々に重なっていき、少しずつ軽快に踊りました。さわやかな印象の作品でした。
II「ルビー」のプリンシパルはアシュレイ・ボーダー、アンドリュー・ヴェイエット、テレサ・ライヒェルンでした。
George Balanchine's Jewels. Photo (C) Paul Kolnik
舞台後方の背景は黒で、赤いリボンと空中に赤い直線状のガラス棒のようなものがたくさん置かれていました。女性ダンサーたちの衣装は、赤のミニスカートとレオタードで、赤く輝くガラスのようなものがたくさん縫い付けられていました。
George Balanchine's Jewels. Photo (C) Paul Kolnik
ソロ、男女のパ・ド・ドゥ、男女8人などの踊りが、バラエティに富んでいました。振付はとても情熱的なもので、背景の赤と黒の色と情熱的な踊りのイメージが引き立て合っていました。
男性4人で女性1人をリフトするシーンは、1人が4人から足を上げてもらったり交互にサポートされていました。そしてみんな去り、女性1人がグラン・アラベスクをして静止し、去っていきました。次々にダンサーたち数名ずつ入れ替わっていき、踊りました。
最後には、全員出てきて、飛び跳ねて踊り、ジャンプをしてポーズをきめ、幕が閉じました。
III「ダイアモンド」は、プリンシパルはサラ・メアンズ、タイラー・アングルです。ストリングスの曲です。舞台後方の背景はうすい水色で、ところどころ濃いネイビーブルーでした。豪華な透明のクリスタルのようなシャンデリアが、いくつか天井から下げられていました。大きなジュエリーのようにキラキラ輝いているオブジェです。
女性たちは白の短めのパニエやチュチュで、白や透明っぽい色合いの光り物のスパンコールのようなものがちりばめられていました。最初は、女性12名のコール・ドが踊り、大人数で迫力がありました。やがて、女性2名、4名などでの踊りが続き、男女ペアのサラ・メアンズ、タイラー・アングルも踊りました。男性がピルエット16回転や回転を多用していました。ジャンプも多く、この作品では、シェネも含めて、回転が多かったです。静かで、ロマンチックなイメージの振付でした。男女ペアの踊りは、表情豊かで、振付もおもしろかったです。
男女ペアが大勢出てきて、舞踏会のように全員で踊りました。大勢でオルゴールのような踊りをし、迫力があり美しかったです。すごい拍手が起こりました。
盛り上がり、全員でジャンプを続けていました。周りもだんだんポーズするようになり、男女ペアもポーズをとって幕が閉じました。
(9月28日夜 David H. Koch Theater)
Sara Mearns in George Balanchine's Jewels.
Photo (C) Paul Kolnik
George Balanchine's Jewels.
Photo (C) Paul Kolnik