フランスのアクロバット・グループによる鍛えられた身体を使った素晴らしいパフォーマンス
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Compagnie XY カンパニーXY
"Il N'est Pas Encore Minuit"『まだ真夜中ではない』
リンカーンセンター・フェスティバルで7月19日から22日まで、フランスのアクロバット・グループ、カンパニーXYが招聘され『まだ真夜中ではない』の公演がありました。パフォーマーは22人で、サーカスの鍛錬を積んできた身体能力が発達しています。
純粋なダンスそのものではないですが、肉体の鍛錬を積んで表現するサーカスの一種で、フランスらしくおしゃれな感じの公演でした。音楽も良かったです。
アーティスティック・コラボレーションは、Loic Touze, David Gubitch, Valentin Mussou, Emmanuel Daries。アクロバティック・コラボレーションは、Nordine Allalです。
Compagnie XY (C) Christophe RAYNAUD DE LAGE
Compagnie XY (C) Christophe RAYNAUD DE LAGE
器具はあまり使わず、ほとんどがパフォーマーの肉体だけを使ったアクロバットでした。人で作った2段タワー(2人)、3段タワー(3人)がたくさん出てきました。そして、一番上の人がジャンプしたり、飛んで隣の人のタワーの上に入れ替わっていったりしました。この立っている人のタワーの上を、小柄な人が同時に何人も飛んで別のタワーへ入れ替わり続けるところは圧巻で、見ているこちらが冷や冷やするほどスリリングでした。
2つのグループで人々が固まって手を組んで、その上に立っている人が、まるでトランポリンのように飛び上がったり回転したりするところもありました。その人間で作ったトランポリンのような組み方の上にいる人が、別のもう一つのグループの上に飛び移っていました。
人間の肉体だけで3段タワーを作ったものは、一番上に乗る人が別の人々から放り投げられて飛び上がり、一番上の段に着地して支えられ、3段になったところもありました。
Compagnie XY (C) Christophe RAYNAUD DE LAGE
Compagnie XY (C) Christophe RAYNAUD DE LAGE
ダンスやバレエのリフトは1人が1人を上に持ち上げることが多いですが、この彼らのパフォーマンスは、普段目にするダンスに使われるリフトの技術に特化して、それを完全に1人の人を肩より上に上げて立っていて、それを2段から3段へと、上へ上へと延ばしていました。建築物を作る時のように、一番下の土台となる人々は身体が大きい男性でかためて人数が一番多く、上に行くほど小柄になり人数を少なくしていました。パフォーマンスはリズミカルな間合いでずっと続いていき飽きることなく、通常見るようなサーカスでもなく、大人数でやる肉体のみのアクロバットで、珍しくて面白かったです。
(2017年7月21日 ローズ・シアター)
Compagnie XY (C) Christophe RAYNAUD DE LAGE
Compagnie XY (C) Christophe RAYNAUD DE LAGE
ワールドレポート/ニューヨーク
- [ライター]
- ブルーシャ西村