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ボリショイ、NYCB、パリ・オペラ座の3つのバレエ団がバランシンの『ジュエルズ』を華やかに競演した

Lincoln Center Festivalリンカーンセンター・フェスティバル

" Jewels " by George Balancine The Bolshoi Ballet, New York City Ballet, Ballet de l'Opéra national de Paris
『ジュエルズ』ジョージ・バランシン:振付 ボリショイ・バレエ団、ニューヨーク・シティ・バレエ、パリ・オペラ座バレエ団

ニューヨークでは夏季恒例となっているリンカーンセンター・フェスティバルが、今年は7月10日から30日まで開催されました。演劇、音楽、ダンス、バレエなど世界中から一流のカンパニーが招聘される大きな芸術の祭典です。
今回のダンス公演の呼び物は、ボリショイ・バレエ、ニューヨーク・シティ・バレエ、パリ・オペラ座バレエという世界的な3つのバレエ団が『ジュエルズ』という1つの全幕バレエ作品に共演する合同公演です。7月20日から23日まで、David H. Koch Theaterで上演されました。
1967年は、4月にジョージ・バランシンがバレエ全幕作品『ジュエルズ』を振付け、6月と7月に最初のリンカーンセンター・フェスティバルが開催された重要な年です。それから50年後の2017年に、このフェスティバルでこれらの2つの出来事を同時に祝う特別な公演として、この金字塔的な作品『ジュエルズ』を3つの世界的バレエ団が踊るという合同公演が用意されました。この3つのバレエ団の芸術監督であるマハール・ワジーエフ、ピーター・マーティンス、オーレリー・デュポンがコラボレーションしました。

『ジュエルズ』は全3幕で構成されていて、パリ・オペラ座バレエが第1幕の「エメラルド」、NYCBが第2幕の「ルビー」、ボリショイ・バレエが第3幕の「ダイアモンド」を踊りました。 それぞれバレエ団が個性的でしたので、新鮮な気持ちで観劇することができました。3つのバレエ団が1幕ごとに踊ることで、それぞれのバレエ団の個性が分かりやすかったです。同じバレエといっても踊り方、表現の仕方が少しずつ違っていました。芸術監督によって、演出に個性の違いが出るのでしょうし、バレエ団ごとにダンサーの体格も違いましたので、民族的な違いだけではなく積み重ねてきたトレーニング方法にも違いがあるのだろうと感じました。

「エメラルド」(C) Agathe Poupeney

「エメラルド」(C) Agathe Poupeney

" Emeralds "「エメラルド」 パリ・オペラ座バレエ

音楽はガブリエル・フォーレ(Gabriel Fauré 1845-1924)の『ペレアスとメリザンド』(Pelléas et Mélisande 1898)、『シャイロック』(Shylock 1889)です。
プリンパル・ダンサーは、エトワールのレティシア・プジョル、マチュー・ガニオ、ミリアム・ウルド=ブラーム、マチアス・エイマンです。(主役のレティシア・プジョルはこのニューヨーク公演で引退)
30分くらいの作品で、幕が開いたら舞台一面に緑色がいっぱいの舞台セットと、緑の衣装を着たダンサーたちが出てきて、エメラルドの緑色の世界が広がりました。客席からも思わずため息がもれていました。
プリンシパル・ダンサーだけでなく、パリ・オペラ座バレエのダンサーは全体的に、顔の表情でも深い演技をしていて、手の動きや全身で豊かな感情表現をしていました。ピルエットの回転数は2回転半や3回転と少なめですが、回転数を増やす技巧に走るのではなくて、その他のバレエの基礎の表現に力を入れていると感じました。バレエのテクニックはさすがしっかりしていて、全体に安定しています。エトワールの踊りは実力が安定していて、動きがエレガントでした。優雅なダンサーたちの表現は、宝石のエメラルドの雰囲気にピッタリ合っていました。

(C) Agathe Poupeney

「エメラルド」レティシア・プジョル
(C) Agathe Poupeney

(C) Agathe Poupeney

「エメラルド」レティシア・プジョル
(C) Agathe Poupeney

(C) Agathe Poupeney

「エメラルド」レティシア・プジョル
(C) Agathe Poupeney

レティシア・プジョル、マチュー・ガニオ (C) Agathe Poupeney

「エメラルド」 (C) Agathe Poupeney

レティシア・プジョル、マチュー・ガニオ (C) Agathe Poupeney

「エメラルド」 (C) Agathe Poupeney

(C) Agathe Poupeney

「エメラルド」 (C) Agathe Poupeney

(C) Agathe Poupeney

「エメラルド」 (C) Agathe Poupeney

" Rubies "「ルビー」 ニューヨーク・シティ・バレエ

音楽はイーゴリ・ストラヴィンスキー(Igor Stavinsky 1882-1971)の、『ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ』(Capriccio for Piano and Orchestra 1927)です。 プリンシパル・ダンサーは、ミーガン・フェアチャイルド、ホアキン・デ・ルス、テレサ・ライヒレンです。 ダンサーの数は、「エメラルド」と「ダイアモンド」よりも、少なめでこじんまりしています。NYCBのダンサーはほとんどが手足が長く、ダンサーの体格のイメージも統一されている印象があります。手足が長いスタイルが良い女性たちが赤色のイメージの衣装、ミニスカートがついたレオタードで踊ると、赤く情熱的でとても美しかったです。軽快で速いテンポの音楽に乗って、軽やかでした。ルビーの踊りは、エメラルドの優雅なイメージと違って、コケティッシュで活発な感じでした。 もちろんNYCBのダンサーたちのバレエテクニックは安定していますし、回転もピルエットは4回転はしていますし、表情も豊かですが、先ほどのパリ・オペラ座バレエのダンサーの全体的な表情や表現力、演技力よりも、抑え気味に見えました。

「ルビー」(C) Paul Kolnik

「ルビー」(C) Paul Kolnik

(C) Paul Kolnik

「ルビー」 (C) Paul Kolnik

(C) Paul Kolnik

「ルビー」(C) Paul Kolnik

(C) Paul Kolnik

「ルビー」(C) Paul Kolnik

(C) Paul Kolnik

「ルビー」(C) Paul Kolnik

(C) Paul Kolnik

「ルビー」 (C) Paul Kolnik

(C) Paul Kolnik

「ルビー」(C) Paul Kolnik

(C) Paul Kolnik

「ルビー」(C) Paul Kolnik

(C) Paul Kolnik

「ルビー」(C) Paul Kolnik

" Diamonds "「ダイアモンド」 ボリショイ・バレエ

音楽はピョートル・チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky 1840-1893)の『交響曲第3番ニ長調』(Symphony No.3 in D Major, 1875)より。 プリンシパル・ダンサーは、アリョーナ・コワリョーワ、ジャコポ・ティッシです。 これは3つの演目のうち一番長い作品です。ダンサーの数はとても多くて、群舞が舞台一面にたくさん出てきます。舞台背景は薄いブルーで、白いチュチュのダンサーが大勢舞台に出てくると、無数のダイアモンドのキラメキのようでした。
ダンサーたちの体格、体型は皆さんよく似ていて、筋肉の付き方が同じで、体系が統一されていました。続けて3つのバレエ団の踊りを観ると、特徴の違いに気が付きやすかったです。そしてダンサーたちは男女とも、3つのバレエ団の中で、一番、筋骨隆々としていました。特に太ももなど足の筋肉がすごく鍛えられていました。基礎トレーニングのメニューが、ボリショイ・バレエは独特なのでしょうか。

「ダイアモンド」 (C) Damir Yusupov

「ダイアモンド」 (C) Damir Yusupov

「ダイアモンド」 (C) Damir Yusupov

「ダイアモンド」 (C) Damir Yusupov

「ダイアモンド」 (C) Damir Yusupov

「ダイアモンド」 (C) Damir Yusupov

ダンサーのテクニックは安定していますし、外見的にもとても美しかったです。全体的に踊り方は細かい振付の一つ一つの動きまでメリハリがあり、完璧に揃って丁寧で圧倒的な実力でした。私の個人的な感想では、3つのバレエ団のうちボリショイ・バレエのダンサーたちは、平均して踊りのテクニックが一番しっかりしていて、上手だと思いました。

3つのバレエ団を合同公演で1つの演目を踊るのをみて、予想していた以上に、それぞれのバレエ団ごとにダンサーたちの体格や踊り方に個性の違いがあることを強く感じました。
(2017年7月22日午後 David H. Koch Theater)

(C) Damir Yusupov

「ダイアモンド」 (C) Damir Yusupov

(C) Damir Yusupov

「ダイアモンド」(C) Damir Yusupov

「ダイアモンド」(C) Damir Yusupov

「ダイアモンド」(C) Damir Yusupov

ワールドレポート/ニューヨーク

[ライター]
ブルーシャ西村

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