ワールドレポート

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ワールドレポート ~世界のダンス最前線~ From Tokyo <東京>

東京の記事一覧

独創性と素晴らしいアイディアに溢れるベジャールの『くるみ割り人形』、母役を踊った渡辺理恵のサヨナラ公演となった

東京バレエ団モーリス・ベジャールの『くるみ割り人形』モーリス・ベジャール:振付バレエに革命をもたらした偉大な振付家、モーリス・ベジャールの没後10年記念企画の最後を締めたのは、チャイコフスキーの三大バレエの一つ『くるみ割り人形』。マリウス・プティパの台本による、少女が主人公のファンタジックな物語を、ベジャールは、母を亡くした7歳ころの自身を主人公にした自伝的な作品に作り替えた。ビムと呼ばれていた少

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2018/01/10掲載

米沢唯と井澤駿が踊ったアシュトン版『シンデレラ』の率直で美しい踊りが見事だった

新国立劇場バレエ団『シンデレラ』フレデリック・アシュトン:振付新国立劇場バレエ団の優れたレパートリーのひとつフレデリック・アシュトン振付の『シンデレラ』。しばしば年末に上演されることが多く、新国立劇場バレエ団では『くるみ割り人形』と隔年で交互に上演していたと記憶する。今年は、イーグリング振付の『くるみ割り人形』を新制作したが、やや早い時期の初演となったので、『シンデレラ』も上演されることになったの

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2018/01/10掲載

圧巻だった「7つの短編」の中村恩惠と首藤康之のデュエット、バレエ協会公演「クレアシオン」

日本バレエ協会「Balletクレアシオン 2017」『くびりちどうし』田中祐子:振付、『ねこ背』近藤良平:振付、『7つの短編』中村恩惠:振付日本バレエ協会の平成29年度の「Balletクレアシオン」では、牧阿佐美バレヱ団で踊った田中祐子振付の『くびりちどうし』、男性ダンスグループ コンドルズを率いる近藤良平振付の『ねこ背』、イリ・キリアンの薫陶を受け振付家・ダンサーとして活躍する中村恩惠振付の『7

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2017/12/11掲載

創作バレエを中心に若手ダンサーを多く起用して「躍動」したバレエコンサート、牧阿佐美バレヱ団

牧阿佐美バレヱ団「躍動」『ヴァリアシオン・プール・カトル』三谷恭三:振付、『飛鳥 ASUKA』より「竜剣の舞」牧阿佐美:振付、『パリの炎』よりグラン・パ・ド・ドゥ ワシリー・ワイノーネン:振付、『動物の謝肉祭』より「白鳥」三谷恭三:振付、『ロメオとジュリエット』よりバルコニー・シーンのパ・ド・ドゥ 三谷恭三:振付、『時の彼方に ア ビアント』より「白い部屋」ドミニク・ウォルシュ:振付、『コンスタン

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2017/12/11掲載

イーグリング版『くるみ割り人形』の小野絢子と福岡雄大の素晴らしい踊り、新国立劇場バレエ団

新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』ウエイン・イーグリング:振付新国立劇場バレエ団は、2017-18の新シーズンの幕開けにウエイン・イーグリング版『くるみ割り人形』の世界初演を行った。イーグリングは周知のように、ダンサーとしては英国ロイヤル・バレエのマクミラン版『ロミオとジュリエット』をアレッサンドラ・フェリと踊って世界的に知られるようになった。芸術監督としては東南アジアの各国で仕事をしたのち、オ

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2017/12/11掲載

アナニアシヴィリがすがる乙女を踊って、時空を超えて今日に華やかに蘇った『飛鳥 ASUKA』

牧阿佐美バレヱ団『飛鳥 ASUKA』牧阿佐美:改訂選出・振付(『飛鳥物語』1957年初演 台本・原振付:橘秋子)富山市オーバード・ホールの『飛鳥 ASUKA』再演を観た。近年の地方のホールは素晴らしく、施設の整ったものもが多いが、オーバード・ホールも堂々たるもの。内装はチャコールの濃淡を配し、モダンな和風のトーンを幾何学的に直線でデザインした落ち着いた雰囲気。なかなか格調も高くたいへん鑑賞しやすい

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2017/11/10掲載

中川郁が見事にオーロラ姫デビューを飾った、牧阿佐美バレヱ団の『眠れる森の美女』

牧阿佐美バレヱ団『眠れる森の美女』テリー・ウエストモーランド:演出振付(M.プティパ版に基づく)牧阿佐美バレヱ団の『眠れる森の美女』はプティパの原振付を、ステパノフ式のノテーションにより最大限に尊重した英国ロイヤル・バレエ版を継承するテリー・ウエストモーランドの演出振付である。牧阿佐美バレヱ団は1982年にこのヴァージョンの『眠れる森の美女』を初演した。当時のことを三谷恭三総監督と賀川祐之舞台監督

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2017/11/10掲載

ザハーロワとレーピンの愛と信頼が生み出した「トランス=シベリア芸術祭」の2つの素晴らしいプログラム

トランス=シベリア芸術祭「アモーレ」「パ・ド・ドゥ for Toes and Fingers」「アモーレ」=『フランチェスカ・ダ・リミニ』 ユーリー・ポソホフ:振付、 『レイン・ビフォア・イット・フォールズ』 パトリック・ド・バナ:振付、 『ストロークス・スルー・ザ・テイル』 マルグリート・ドンロン:振付 「パ・ド・ドゥ for Toes and Fingers」=『ライモンダ』より"グラン・アダ

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2017/11/10掲載

古代エジプトとローマを巡り、絶世の美女クレオパトラの悲劇を描く、熊川哲也による最新作『クレオパトラ』

K BALLET COMPANY K バレエ カンパニー『クレオパトラ』熊川哲也:演出・振付・台本熊川哲也が演出・振付けた『クレオパトラ』全2幕が世界初演された。題材としてクレオパトラを扱ったバレエは、フォーキンの『エジプトの夜』が思い浮かぶ。1908年にサンクトペテルブルクで初演され、翌年には『クレオパトラ』と改題され、音楽や演出も改訂されてパリのシャトレ座で上演された。これはクレオパトラと奴隷

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2017/11/10掲載

弦楽四重奏の美しいメロディとともにバレエの豊かなイメージが踊られた、スタジオ・パフォーマンス

THE バレエ・ミュージアム Studio de Danse Fusion vol.6藤野 暢央:構成・振付・演出「THE バレエ・ミュージアム」というタイトルで、チャコットのダンスキューブ勝どきスタジオで定期的にスタジオ・パフォーマンが行なわれている。今回の出演者はゲストとして富村京子、西田佑子、森本由布子、藤野暢央、他にアンサンブルが10名出演した。 オープニングはヨハン・パッヘルベルの『カノ

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2017/10/10掲載

ひばりの歌が作った情感豊かな音楽を見事にダンスで表した、楽しさが心に沁み入った舞台

NBAバレエ『THE RIVER』アルヴィン・エイリー:振付、『HIBARI』リン・テイラー・コーベット:振付2015年6月に初演されたNBAバレエの『HIBARI 』が、美空ひばりの生誕80年を迎えて再演された。私は初演の舞台を見逃していたが、評判が良かったので楽しみだった。だが、その一方で少し不安でもあった。ブロードウェイ・ミュージカル『スウィング!』やABTに振付けた『ガチョーク賛歌』などで

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2017/10/10掲載

刺激的で魅力的だった20世紀の傑作『アルルの女』『小さな死』『春の祭典』、東京バレエ団公演

東京バレエ団〈20世紀の傑作バレエ〉『アルルの女』ローラン・プティ:振付、『小さな死』イリ・キリアン:振付、『春の祭典』モーリス・ベジャール:振付〈20世紀の傑作バレエ〉と題して、東京バレエ団が20世紀のバレエに革新的な影響を与えた3人の振付家の作品による公演を行った。演目は、バレエ団として初演になるローラン・プティの『アルルの女』とイリ・キリアンの『小さな死』の2作品と、バレエ団が得意とするモー

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2017/10/10掲載

吉田都と堀内元がバレエの尊い美しさを伝達していく、Ballet for the Future 2017

吉田都×堀内元 Ballet for the Future 2017『Haydn Cello Concerto』堀内元:振付、『And My Beloved』エメリー・ルクローン:振付、『タランテラ』ジョージ・バランシン:振付、『ライモンダ』〜第3幕(結婚の祝典)より〜 マリウス・プティパ:振付、『Passage』堀内元:振付吉田都と堀内元、と言う世界に誇る日本人ダンサーを中心にして、古典からコン

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2017/10/10掲載

5回目を迎え、子どもも大人もバレエを楽しめるイベントとして成果をあげている「めぐろバレエ祭り」

「めぐろバレエ祭り」〈バレエ・コンサート〉東京バレエ団『パキータ』マリウス・プティパ:振付ほか毎夏恒例の「めぐろバレエ祭り」も第5回を迎え、子どもも大人も一緒に楽しめるバレエのイベントとしてすっかり定着したようだ。第1回の「めぐろ子どもバレエ祭り」は、子どもにバレエの楽しさを知ってもらおうと企画されたものだが、第2回から現在の名称に改め、バレエの公演のほか、幅広くバレエに親しんでもらおうと、子ども

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2017/09/11掲載

首藤康之とパフォーマンス集団CAVA による秀逸な無言劇『レニングラード・ホテル』を楽しんだ

『レニングラード・ホテル』丸山和彰(CAVA):作・演出、首藤康之ほか:出演『レニングラード・ホテル』は、首藤康之とパフォーマンス集団CAVA による無言劇である。作・演出はCAVAの丸山和彰。かつて首藤が『ドン・キホーテ』全幕を振付けた際に、ドン・キホーテ、サンチョ・パンサ、ガマーシュ、キトリの父ロレンツォなどの演技主体の役にパフォーマンス集団CAVAを起用して、クラシック・バレエの名作を活き活

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2017/09/11掲載

海外で活躍する若手ダンサーが踊る機会を広めようとする公演が会場を沸かせたBright Step 2017

〈Bright Step 2017〉『ロミオとジュリエット』より"寝室のパ・ド・ドゥ" ジョヴァンニ・ディ・パルマ:振付ほか「Bright Step」は、ロシア国立バレエ・モスクワの西島勇人が、海外で活躍する日本の若手ダンサーに日本で踊る機会を提供しようと、3年前に立ち上げたプロジェクト。公演のほかワークショップも開催しており、「日本で最もバレエを身近に感じられるダンサーグループ」を目指している。

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2017/09/11掲載

スコットランドを舞台としたビントレーの秀作、『Flowers of the Forest』が日本初演された

ワールドレポート/東京関口 紘一 Text by Koichi Sekiguchiスターダンサーズ・バレエ団「サマーミックスプログラム」『N.N.N.N.』ウィリアム・フォーサイス:振付、『ワルプルギスの夜』ジョージ・バランシン:振付、『眠れる森の美女』よりグラン・パ・ド・ドゥ マリウス・プティパ:振付、『Flowers of the Forest』デヴィッド・ビントレー:振付スターダンサーズ・バ

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2017/09/11掲載

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