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船引怜美 Text by Remi Funabiki 
[2005.05.10]

●シルヴィ・ギエム、写真集『インヴィテーション』と気になる今後

シルヴィ・ギエムの待望の写真集『インヴィテーションInvitation』(写真家Gilles Tapie)が3月下旬に発売されました。縦×横40cm×30cm、厚さ5cmというボリュームはまさにコッペリウス博士の魔法の本並みの大きさ。それ だけシルヴィの40年間の歴史の重みを感じさせます。シルヴィの家族、幼少時代、体操選手時代、オペラ座バレエ学校時代の写真(ローラン・イレールやエリ ザベット・モーランの姿も)、ヌレエフ/ベジャールらとの写真、リハーサル写真、公演写真(『マノン』『ドン・キホーテー』『ロミオとジュリエッ ト』…)、日本での写真、シルヴィ制作の陶芸作品、花、木、自然…フォトキャプション・ナンバーが付いている写真だけでも362点、全429ページ。この 写真集からではほんの一部に過ぎないということはわかっているものの、今まであまり知ることの出来なかったシルヴィ・ギエムという女性の素顔を見ることが 出来ることはとてもうれしいことです。こうして彼女の魅力をさらに知ることが出来ることによって、今後舞台の上で観る彼女から受ける感動がまた変わってく るような気がします。

4月20日~23日にはサドラーズ・ウェルズ劇場(SW)でバレエ・ボーイズとの『ラッセル・マリファントの夕べ』がアンコール公演として上演され、彼女 の完璧主義者と言える探究心とさらに上を可能にする彼女の底知れない能力に圧倒されました。今回の『ブロークン・フォール』では昨年10月にSWで上演さ れた時をさらに上回る動きの滑らかさがとても衝撃的でした。

公演初日の20日にはインディペンデント紙にインタヴューが掲載され、シルヴィは現在ラッセル・マリファントとのデュエットに取り組んでいるという情報が あり、その発表が期待されます。そのインタヴューの最後には誰もが気になる質問がされました。2005/6シーズンもロイヤル・バレエ(RB)に在籍する ことが来シーズンの予定からも明らかになりましが、今後について「飽きたら辞めるわ」と一言。誰もがその日が永遠に来ないことを願うのは同じですが、それ がいつになるかについては、「そんなの誰もわからないわ」とますますファンを怯えさせる答え。これからも女王様シルヴィの言動を、指をクロスしながらじっ と見つめることになりそうです。

気になる来シーズンのRBでの活動ですが、4月20日に公式発表されたロイヤル・バレエ2005/6シーズン中でキャストが発表されている中で彼女の名前 を見つけることが出来るのは2演目。『マルグリットとアルマン』(10月17,26,27日、コープと共演)と『マノン』(11月12日、ムッルと共演) が予定されています。
ロイヤル・バレエ2005/6シーズン詳細:www.royalopera.org/