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船引怜美 text by Remi Funabiki 
[2004.05.10]

●注目のカップル、ローレン・カスバートン&エドワード・ワトソン

  4月12日には、注目の新人カップル、ローレン・カスバートソン&エドワード・ワトソンがデビューを飾りました。弱冠19歳のローレンは、ダーシー・バッ セル以来の生粋のロイヤル・バレリーナとして大変期待されています。今シーズンはプリンシパル・ダンサーの怪我によるキャスト変更のために、様々なプリン シパル・ロール(リラの精、バランシン『アゴン』第2パ・ド・ドロワ、『シンフォニー・イン・C』第2楽章など)を入団2年目とは思えない貫禄でこなして きています。テクニックの強さと“ロイヤル”の優雅さ、上品さを兼ね備えたローレンは、ソリストを踊っていても彼女に秘められている才能は一目瞭然です。 一方、男性ダンサーにしては類のないと言われる際立った柔軟性、ラインの美しさを持つエドワード・ワトソンは、プリンシパル・ロール・デビューを今か今か と期待され続けてきました。それだけにこのカップルのデビューは大変な注目でした。レスリー・コリアーとジョナサン・コープの情熱溢れる指導が、今回のデ ビューを大成功に導いたと言われています。

各紙では、少女らしさに欠けるジュリエット像にはジュリエット初挑戦とは信じがたい彼女の自信に満ちた踊り、テクニックの安定性、存在感が評価されていま す。非常に控えめで温室育ちのお嬢様のジュリエット像には、彼女のこれからのジュリエットへのアプローチが期待されます。大役へのプレッシャーを隠しきれ ない部分も見られましたが、エドワード演ずるロミオは純真さ溢れ、優雅なムーブメントにはロミオの人物描写が的確にされていたと言われています。エドワー ドのこれから課題は、パートナリングと言われています。『ロミオとジュリエット』のバルコニーのような叙情的、情熱的パ・ドゥ・ドゥウでは、男性ダンサー の上体の強さが何よりも必要とされます。女性のような上体の柔軟性を持つエドワードにとって、上半身の強さ今後の最大の課題になりそうです。
様々な課題は残されましたが、この新人カップルに秘められた可能性は無限大です。今後の二人の活躍、そして近い将来の再演に期待が高まります。

『ロミオとジュリエット』
ローレン・カスバートソン


『ロミオとジュリエット』
エドワード・ワトソン

『ロミオとジュリエット』
エドワード・ワトソン

『ロミオとジュリエット』
ローレン・カスバートソン

『ロミオとジュリエット』
エドワード・ワトソン&
ローレン・カスバートソン