すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2016.09.12]
[ 山口 ]

『くるみ割り人形』を中心にバレエ、コンテンポラリー、ジャズダンス、ミュージカルと多彩、yoshimura dance centerの舞台

yoshimura dance center
『ここに、向こうに』『くるみ割り人形』礼よしむら:振付ほか

劇団四季でも活躍した礼よしむら主宰のyoshimura dance centerの舞台を初めて観た。クラシック・バレエはもちろん、映画『フラッシュ・ダンス』をオマージュしたものなどのジャズダンス、ストリートジャズ、中田一史振付『destiny』などのコンテンポラリー・ダンス、それに踊るだけでなく歌も歌ってのミュージカルなど多彩な演目で盛りだくさんな内容だった。

osaka1609e_SHIO4989.jpg 『ここに、向こうに』礼よしむら、ほか
撮影:塩谷武(©エー・アイ)

多彩な演目の中で、特に印象に残ったのは、礼よしむら振付『ここに、向こうに』。日本語の歌詞付きの歌とともに白い衣裳で踊られる作品、悩みながらも全力で生きている若者たちを描き、踊っている若者たちそのものの姿を踊りにしたようにも感じられた。とても爽やかで前向き、涙が出そうになる青春賛歌、礼よしむら自身を中心に踊られた。

そして最後には『くるみ割り人形』全幕を上演した。礼が改訂振付を行い、左右木健一を指導とドロッセルマイヤー役に招いた。王子はデンマーク・ロイヤル・バレエのチャールズ・アンダーソン。観ていて一番に感じたのは、出演する子供たちがとても表情豊かなこと。ミュージカルで歌ったり、ジャズダンスなど多彩なレッスンを受けている子が多いからだろうか、演技することにとても積極的で全員が物語を創ろうとしているように感じられた。クララの網永真夏は、ちょっとお転婆な快活さを持って表情豊かに好演。そして、左右木のドロッセルマイヤーはさすがに存在感があり、自然な演技。背中を曲げたおじいさん執事役を中田一史がリアルに演じていたのも興味深かった。チャールズの王子は優しく素直な雰囲気で少年っぽさもあって、クララとも金平糖とも合う。金平糖の精は宝川璃緒、華があり、きちんとレッスンを積み重ねた上で踊っていることが感じられる踊りだった。ちなみに、この物語、くるみ割り人形が王子に変わるわけだが、ここでは、金平糖の精も、バレリーナ人形がドロッセルマイヤーのマントで金平糖の精を踊るバレリーナに変わる。これもまた、夢のある演出だなと感じた。
(2016年8月7日 周南市文化会館)

『くるみ割り人形』
osaka1609e_TAKE2351.jpg 宝川璃緒、チャールズ・アンダーソン
撮影:塩谷武(©エー・アイ)
osaka1609e_ER3A3795.jpg 網永真夏、チャールズ・アンダーソン
撮影:山崎光彦(©エー・アイ)
osaka1609e_IMG_1949.jpg ハーレキン:小山憲、ピエロ:桐川煌太朗、村上冬一
撮影:山崎光彦(©エー・アイ)
osaka1609e_IMG_2758.jpg 網永真夏、左右木健一
撮影:山崎光彦(©エー・アイ)
osaka1609e_SHIO0598.jpg ドロッセルマイヤー:左右木健一
撮影:塩谷武(©エー・アイ)
osaka1609e_SHIO1812.jpg 雪の女王:藤井柚里
撮影:塩谷武(©エー・アイ)
osaka1609e_TAKE1530.jpg チャールズ・アンダーソン、瀬戸口高史
撮影:塩谷武(©エー・アイ)
osaka1609e_TAKE1959.jpg 波多野葵花、瀬戸口高史
撮影:塩谷武(©エー・アイ)