ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2017.08.10]

田川陽子が踊る『My 椿姫』から実力派若手のコンテンポラリーなど「Summer Dream」が展開した

田川陽子バレエアカデミー20周年記念「Summer Dream」
『イライラ』『My 椿姫』『賛歌』堀登;振付、『UNISON CANTABILE』一柳麗;振付、『人形の夢と目覚め』加藤惠;振付、『Four Seasons』田川陽子;振付ほか

ドイツのゲルセンキーシェン州立歌劇場で活躍した田川陽子が帰国して開いた「田川陽子バレエアカデミー」も20周年を迎えた。その間に育った生徒たちには、様々なコンクールで1位をはじめ優秀な成績をおさめ、イギリスのエルムハーストに留学中の森川礼央や、既にスウェーデン王立バレエで活躍している中島希沙など世界にはばたいているダンサーがいる。今回の20年目の記念の舞台には、そんな彼らや、コンクールなどでともに競い合ったレベルの高いダンサーたちも出演。主宰の田川は、長年ゲストパートナーとして繰り返し踊っている貞松正一郎、彼の後輩にあたる水城卓哉と踊るなど、ベテランから若手まで良いダンサーが出演し、見応えのある舞台になった。

osaka1708a_11800.jpg 『UNISON CANTABILE』池田絢音、森川礼央
撮影:古都栄二(テス大阪)

特に印象に残ったものを数点挙げると、まず、池田絢音が踊った『エスメラルダ』よりヴァリエーション。彼女はやはりエスメラルダで、コンクール1位など良い成績をあげていた記憶があるが、“華やかなジプシー”という雰囲気でイキイキ。その池田と森川礼央が2人で踊った『UNISON CANTABILE』は、池田の師である一柳麗の振付。白のシンプルな衣裳で、ジャズ調の音楽も使った複雑な振付を楽しげに鮮やかに。2人ともに高いテクニックがあるからこその軽快さと言えそう。
また、これからの成長が楽しみなのは、堀登振付の『イライラ』を踊った北村竜聖。コミカルなソロを高い身体能力とチャーミングなしぐさで楽しませてくれた。 

osaka1708a_12068.jpg 『My 椿姫』田川陽子、水城卓哉
撮影:古都栄二(テス大阪)
osaka1708a_12164.jpg 『My 椿姫』田川陽子、貞松正一郎
撮影:古都栄二(テス大阪)
osaka1708a_22405.jpg 『My 椿姫』田川陽子、貞松正一郎、水城卓哉
撮影:古都栄二(テス大阪)

そして、堀登振付『My 椿姫』を、田川がマルグリッド、水城卓哉がアルマン、貞松正一郎がアルマンの父で。水城は踊りが洗練されていることはもちろん、ピュアで一途な青年がとてもよく似合。貞松も脇の重要な役をベテランならではの味を出して踊った。そして、田川はせつない感情を丁寧に表現。美しい身体のラインを見せた踊りから、ピュアな悲しみが伝わってきて引き込まれた。
ラストは、堀登振付『賛歌』。田川と貞松を中心に、スウェーデンで踊る中島希沙、中島と同じバレエ団の同僚となった金世友など、良いダンサーたちが多数出演しての群舞で、華やかに幕を閉じた。
(2017年7月22日 名古屋市芸術創造センター)

osaka1708a_23143.jpg 『賛歌』撮影:テス大阪 osaka1708a_23355.jpg 『賛歌』撮影:テス大阪
osaka1708a_23251.jpg 『賛歌』田川陽子 撮影:テス大阪 osaka1708a_20602.jpg 『UNISON CANTABILE』
池田絢音、森川礼央 撮影:テス大阪
osaka1708a_23546.jpg カーテンコール 撮影:テス大阪