ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2017.02.10]

原田高博のレッスンに集うトップレベルのダンサーたちが集結して、注目の新作『マイメモリー』他を上演

原田高博バレエシアター
『心緒』『マイメモリー』原田高博;振付

原田高博のレッスンには関西の実力派ダンサーたちが通う。そんな実力派ダンサーとこれからの若手がともに出演して、原田高博バレエシアター主催の初めての舞台が繰り広げられた。
1月5日、6日の2日間でプログラムを変え、1部と2部ではグラン・パ・ド・ドゥやヴァリエーション、名作からの小品などをコンサート形式で、第3部では原田が振付けたオリジナルの2作品が上演された。

osaka1702b_0543.jpg 「ワルプルギスの夜」撮影:古都栄二(テス大阪)

コンサートで印象に残ったのは、まず、5日の『ワルプルギスの夜』より。ベテランらしく華のある存在感を持った肥田あけみと、ダイナミックな雄々しさで惹きつけた青木崇を中心に、天野龍之介、猿渡忠、肥田亘を加えての5人で踊られた。また、まだ10代の若手、十川大希が『ラ・フィーユ・マルガルデ』と『ライモンダ』よりアブデラクマンのヴァリエーションを踊ったのも印象に残った。初々しさを感じさせる素直な踊り、アブデラクマンの方は、役柄のイメージとはだいぶ違ったのだが、伸び盛りという感じで、これからの成長を期待したい。
加えて、やはり原田のオリジナル2作。『心緒』は、「嫉妬、羨望より生まれるのは…〜」というサブタイトルがついた作品、梅谷侑里、梅本愛子、笠原千裕、鹿嶋彩香、中西由佳、長谷川さくらの6人が二日とも踊った。大人の女性が内側を見つめて踊っている、そんなことを感じながら観た。そして、やはり最も印象的だったのは、両日、最後に上演された『マイメモリー 〜産まれてから死神に至るまで〜』。
5日は田中ルリ、6日は長田沙織を中心に、1人の女性の人生を、沖潮隆之が父のように、上村崇人、佐々木大、末原雅広、山本隆之が人生のなかで出会うさまざまな男性、死神を抽象的に踊る。全員がトップレベルの素晴らしいダンサーたち、5日と6日で佐々木と山本の役が交替するなど、見比べての楽しさも感じながら観た。何より、中心の女性を踊った2人、田中と長田がまったく違ったタイプの踊りを観せてくれたのが、とても興味深い。優しげで品と慎ましさを感じさせ、少女のあどけなさから大人の情感までを流れるような魅力で踊った田中、素朴で素直、そこに強い意志が貫かれているような長田の踊り──驚くほど違った雰囲気。観ながら、自分自身のこれまでのことを、いつのまにか振り返っていた。また、再度観たい良い作品だ。
(2017年1月5日、6日 クレオ大阪中央ホール)

osaka1702b_4085.jpg 『ライモンダ』より 撮影:古都栄二(テス大阪) osaka1702b_0649.jpg 『心緒』撮影:古都栄二(テス大阪)
osaka1702b_0714.jpg 『マイメモリー』撮影:古都栄二(テス大阪) osaka1702b_0848.jpg 『マイメモリー』撮影:古都栄二(テス大阪)
osaka1702b_0863.jpg 『マイメモリー』撮影:小林愛(テス大阪) osaka1702b_1783.jpg 『マイメモリー』撮影:古都栄二
osaka1702b_1851.jpg 『マイメモリー』撮影:古都栄二(テス大阪)