インタビュー & コラム

コラム 針山愛美

針山愛美 〜バレリーナのベルリン日記〜 ヨーロッパのダンス事情をバレエダンサー目線でご紹介します。

コラム 針山愛美の記事一覧

今月はロシアからお届けします。

8月に、今年で3回目となる、「ボリショイバレエ学校インターナショナルワークショップ」をモスクワで開催しました。何回訪れても、ロシアの美しい街並みには心が躍ります。私が初めて訪れたのは1991年でした。その時に比べると、比べ物にならないほど豊かな国になっています。しかし豊かさにはいろいろあります。当時1990年代ロシアは、ペレストロイカの真っただ中で、物質的にはヨーロッパや日本には比べると裕福ではな

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2018/09/10掲載

2018年8月1日から8月5日にかけて「第5回台湾グランプリ2018」「2018 Taiwan Grand Prix IBC」が開催されました。

私は、昨年に引き続き審査員をさせていただきました。今年は16カ国からの参加があり、クラッシックは約165名、コンテンポラリー部門は24名が参加しました。開催国の台湾を始め、マレーシア、インドネシア、タイ、中国、フィリピン、ベトナム、香港、韓国、日本などアジア各国から参加がありました。またアメリカや、イギリスなど遠方からも数名の参加者もありました。決戦出場者のクラス決戦出場者のクラス初日は、5つのグ

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2018/08/10掲載

今回は、国内外コンクールについて浅く広く触れてみます。

6月、アメリカで4年に1度行われるジャクソン国際バレエコンクールが開催され、日本人の活躍も素晴らしいものがありました。最近では、日本、世界各地でバレエコンクールが毎週の様に行われています。ジャクソンは、4年に1回行われると言うことでオリンピックのようなコンクールです。私は1998年と2002年の2回出場しました。その時の出会いや経験は今の自分につながっています。コンクールは結果がついてくるものです

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2018/07/12掲載

今月は、ベルリンの情報をお届けしたいと思います。

ベルリン国立バレエ団は、2018 - 2019のシーズンから芸術監督が変わります。その影響もあり、来年度のレパートリーはかなり変化があるようです。アレクセイ・ライトマンスキーの「ラ・バヤデール」が初演されるなど新作も予定されています。また、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団では、事実上2018-2019は、サイモン・ラトル最後のシーズンとなります。ベルリンで、今年第5回目になる「ベルリン・インター

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2018/06/11掲載

今回は、東ヨーロッパ、ラトビアから国際ダンスコンクールの模様などをお届けしたいと思います。

2018年4月18日から22日にかけて、ラトビアの首都リガで今年14回目となる国際ダンスコンクール(Riga spring 2018)が開催されました。参加したのは世界各国からの700人を上回るダンサーたち、Latvia, Estonia, Lithuania, Russia, Italy, France, Germany, Georgia, Iceland,Belarus, Sweden, Ka

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2018/05/10掲載

今月は、ロシアからお届けします。

4月でしたが、まだ雪が残っていて冬の雰囲気を残すロシアでした。しかし、ロシアに来るといつも少しほっとします。ほっとするというのは不思議な感じですが、私が初めて訪れた外国、そして10代の時に過ごした国なのでそう感じるのかもしれません。4月5日 ボリショイ劇場で、ユーリ・グリゴロービッチ版の「ロメオとジュリエット」をみました。 振付:ユーリ・グリゴロービッチ セット衣装 :Simon Virsalad

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2018/04/11掲載

スロバキア国立劇場、コシシェにあるバレエ団のパフォーマンスを見ました。

今月も、東ヨーロッパよりお届けします。 スロバキア国立劇場、コシシェにあるバレエ団のパフォーマンスを見ました。「チャーリー・チャップリン」誰でも名前は知っているチャーリー・チャップリン。 しかし、彼の人生そのものを知る人は少ないかもしれません。 舞台や、メディアに出ている芸人のチャップリン。幼い頃から、母親が精神病になったりアルコール依存症の父親が幼い時に死去するなど、人生は大変困難なものでした

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2018/03/12掲載

今月は東ヨーロッパ、スロバキアからお届けいたします

スロバキアのブタペストから車で2時間半ほどのコシシェと言う街に来ています。今回はまずハンガリーのブダペストに降り立ち、そこから小型バスでコシシェまで。 スロバキアとハンガリーの国境は国境と言う壁も何もなく、ただ国境いのサインがあるのみ。ヨーロッパがユーロに統一されたありがたさを感じる今です。私が初めてヨーロッパに来た1996年にはまだユーロは成り立っていなかったので、隣の国に行くのもパスポートが必

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2018/02/13掲載

2018年、気持ちを新たに

2018年、気持ちを新たにまた色々と勉強させていただきながら一歩一歩前に進みたいと思います。本年も宜しくお願いいたします。 今月はベルリンからお届けいたします。2010年に改装が始まったベルリン国立歌劇場。2013年に終わる予定でしたが、劇場の地下通路などで歴史的な書物がみつかり調査が必要になったり中々スムーズに進まず、4年以上予定より工事が長引き2017年10月3日に仮オープン、その後一時また閉

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2018/01/10掲載

今回は世界から、日本から、芸術に関する話題について触れたいと思います。

ベルリンの街には3つのオペラハウスがあり、財政的に継続していくのは大変厳しいですが、それでも芸術に対しての予算は日本とかなりの差があります。 日本の文化予算は国と地方自治体を合わせて、約3000億円(建設費を除いて)。ドイツは1兆3000億円です。人口比は日独で3対2なので、一人当たりの文化予算は7倍位になります。ダンスのグループもベルリン国立バレエ団をはじめ、小さな団体が多数ありプロジェクトごと

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2017/12/11掲載

今月はモスクワ便りをお届けいたします。

10月20日私が1996年に入団したバレエ団、スタニスラフスキー&ネミロヴィチ=ダンチェンコ記念国立モスクワ音楽劇場の『ジゼル』を見ました。 私にとって初めてプロとして活動を始めたバレエ団です。 劇場を数年前に改装工事をして新しく生まれ変わった新劇場で初めて舞台を見ました。 劇場や客席の作りは以前の趣きが残っていましたが、ロビーが大きく変化しており、従来のフォワイエの他に、大きく筒抜けたホールのよ

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2017/11/10掲載

9月はヨーロッパとウクライナのバレエ学校、バレエ団を訪れることができました。

キエフでは2度バレエの公演を見ることができました。キエフ国立バレエ団独特のユニークで新鮮なパフォーマンスでした。9月12日『Viennese waltz』 音楽:Johann Strauss (息子), Joseph Strauss, Johann Strauss (父) 音楽構成:O. Baklan 振付・構成:Aniko Rekhviashvili. 「キエフ国立バレエ団」Aniko Rek

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2017/10/10掲載

今月は、ベルリンや台湾からお届けいたします。

2010年秋から改装工事が行われているベルリン国立歌劇場がついにオープンします。10月3日にオープンする予定ですが、9月1週目現在、外装はほぼ完成しているもの周辺はまだまったく整っておらずオープンが本当に間に合うか、と言う状態です。10月3日はオペラではなくコンサート形式でオープニングコンサートを開催し、また12月まで閉じるそうで内部はまだ見ることができないのですが、大改装の後がどうなったか楽しみ

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2017/09/11掲載

今月はロシア、モスクワよりお届けします。

私の第3の故郷とも言えるロシア、ボリショイ・バレエ学校の研修旅行のために、未来のバレリーナたちを連れて、私の人生の土台を作ってくれた場所のうちの1箇所であるモスクワを訪れました。 毎回この学校に来るたびにいろいろな思いがこみ上げてきて、胸が一杯になります。 決して楽で楽しい思い出ばかりではなく、厳しいことも多々有りましたが、それが私の人生の土台を築いてくれ、多々の経験を与えてくれました。 ペレスト

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2017/08/10掲載

今月は、モスクワ国際バレエコンクール、そしてロシアの巨匠の方々のコメントなどお届けしたいと思います。

今月は、先月盛り上がっていたボリショイバレエ団の来日、そしてボリショイバレエ団来日中に、現地モスクワで開催されていたモスクワ国際バレエコンクール、そしてロシアの巨匠の方々のコメントなどお届けしたいと思います。先日、偶然ウラジーミル・ワシリエフ氏とお会いする機会がありバレエ、クリエーション、その他様々なことについてお話しする機会がありました。 彼は世紀のダンサーとして活躍した後、他方で振り付けや指導

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2017/07/10掲載

今年で4回目を迎えるベルリンインターナショナルワークショップ。

今年も才能溢れるバレリーナ達が沢山の経験をつみました。 そして、今回は6名の長期留学許可、バレエ学校に入学する権利を頂きました。ベルリンに到着して、1日目。 朝からベルリン国立バレエ団にてスペシャルレッスン。この日は、バランシンスタイルのレッスンをしていただくようにリクエストして、あまり学ぶ機会が無い「バランシン メソッド」のクラスを受けました。 レッスンの最後には、ベルリン国立バレエ団の『白鳥の

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2017/06/12掲載

今月は、ヨーロッパ、ウクライナからお届けいたします。

3月17日にクロアチア国立バレエ団『白鳥の湖』の公演が終わり、ベルリンに戻った後ウクライナへ。 3月26日に、キエフ国立歌劇場でウクライナ初演となった『ラ・ペリ』のリハーサルのためにキエフに行きました。 今回上演された『ラ・ペリ』は、ウラジーミル・マラーホフ振付、演出の作品。 音楽はヨハン・ブルグミュラーの作品集をマラーホフ氏が編集しました。160年ほど前にフランスで初演され、その後ロシアでも上演

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2017/05/10掲載

2017年4月、新学期が始まり春らしい季節になりました。

桜が美しく、日本の四季は本当に世界一と言っていいほど情感があふれたものだと感激しています。今月は、クロアチアの様子をお伝えいたします。 1月の中旬から2カ月にわたりクロアチアの都市ザグレブに滞在し、ウラジーミル・マラーホフ氏と一緒に「白鳥の歌」の振り付け演出アシスタントを務めました。 3月17日が世界初演の日でしたが、3月6日の週から、ステージリハーサルをほとんど毎日行いました。 まずは、ステージ

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2017/04/10掲載

3月に入りクロアチアのザグレブに来てから1ヵ月以上が過ぎました。

毎日、朝から夜まで劇場に住み込み状態ですが、一刻一刻が早く過ぎ、あっという間に時が経っていきます。3月2日現在(3月17日に世界初演されるので、この記事が載るときにはもう初演の直前と思われます)「白鳥の湖」の振り付けは全て終わり、日々リハーサル、手直しなどを行っています。 ウラジーミル・マラーホフ氏は、いろいろな細かなところまで徹底的にリハーサルされますが、ユーモア豊かに指導されるのでスタジオには

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2017/03/10掲載

1月の中旬よりクロアチアの首都、ザグレブに来ています。

2017年3月17日に世界初演されるウラジーミル・マラーホフ版「白鳥の湖」の振り付け演出アシスタントを担当しています。 クロアチアに来たのは初めてですが、とても素晴らしく落ち着いた街です。 カンパニーのスケジュールは、朝10時から11時15分はクラスレッスン、その後11時35分から21時までリハーサルが行われます。 ダンサーは国際色豊かで、ヨーロッパ各地、アジア、オーストラリアからも集まり若く才能

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2017/02/10掲載

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