今月は、ベルリンの情報をお届けしたいと思います。

ベルリン国立バレエ団は、2018 - 2019のシーズンから芸術監督が変わります。
その影響もあり、来年度のレパートリーはかなり変化があるようです。アレクセイ・ライトマンスキーの「ラ・バヤデール」が初演されるなど新作も予定されています。
また、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団では、事実上2018-2019は、サイモン・ラトル最後のシーズンとなります。

ベルリンで、今年第5回目になる「ベルリン・インターナショナルワークショップ」を行い、日本から才能溢れる素晴らしいダンサーをお連れしました。小学校6年生から、大学生までの皆さんです。
現地では、ベルリン国立バレエ学校でのレッスン、ウラジミール・マラーホフのレッスン、ベルリン国立バレエ団も訪れました。
クラッシックバレエはもちろんのこと、コンテンポラリー、体操クラス、ポワントクラス、ボーイズクラスなど盛りだくさんで、1日4クラスの日もありました。
また、世界遺産である「博物館島」では、印象派の絵画や、彫刻などを見学しました。
バレエのテクニックだけではなく、様々なところから芸術の要素の大切さを感じてくれれば嬉しい思いです。

期間中、ベルリン国立バレエ団の「ドン・キホーテ」を見ました。今年、初演された新作です。
音楽は、スペインのオリジナルな音楽が組み込まれており、ギターの演奏もありました。フラメンコ風の踊りもあり、エンターテイメント性に溢れた作品に仕上がっていました。
普通は、小柄な女性が踊るキューピット役が、全身タイツの男性と言うのには驚きました。キューピットのバリエーションは、振り自体は女性版と一緒でしたが、ピケの部分をジャンプでするなど面白かったです。
キトリ役のヤナ・サレンコは、今絶好調。生まれ持った脚のラインの美しさに加え、本当に隙が無く、いつ見てもポジションにはまっていました。また、ここでとまって欲しいという時には絶妙なバランスで見せ、観客がこうして欲しいと思う時にはそうなる、メリハリとスパイスの効いたすばらしい踊りでした。
バジルを踊ったジヌ・タマズラカウも持ち前のキレの良い回転と、ジャンプで、はつらつと踊っていました。2人の駆け引き、相性も抜群でした。
夢の場は、幻想的な森を演出していて、美しかったです。照明は少し暗かったのですが、独特の雰囲気が出ていていました。メルセデスやエスパーダがとても存在感のある演出になっていました。
この新作で、オリジナルで追加された風車のシーンの前の、ジプシーの踊りが見ごたえがありました。
ベルリン国立バレエ団で近日見たパフォーマンスの中で一番印象に残りました。

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「ドン・キホーテ」

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「ドン・キホーテ」

<スタッフ>
振付、演出:Victor Ullate
衣装、セット:Roberta Guidi di Bagno
照明:Marco Filibeck
<キャスト>
キトリ:ヤナ・サレンコ
バジル:ジヌ・タマズラカウ

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ベルリン国立バレエ学校を訪れました。

日本から参加した皆が、現地の生徒とレッスンを受けた時に、様々なレベルのクラスを見学させていただきました。
低学年クラスは、最初は筋力トレーニング、体操をしてから基礎をしっかりと、ゆっくり進むレッスンで、改めて基礎の重要性を再確認しました。
上級生のクラスは、クラスごとに特色がありました。先生によってこれだけ違うのか、と思うほどで、どのクラスも良かったです。
現地の6年生クラスは、バー・レッスンをしていても顔の付け方、手の付け方もバッチリそろっていました。そして、テクニックはもちろんのこと、踊り心があるダンサーが揃っていました。
ベルリン国立バレエ団で当時、一緒に踊っていたビアラ・ナチェワは、今年からベルリン国立バレエ学校の教師として教えています。彼女のクラスも見せていただきましたが、プロの為に必要な要素を生徒達に伝えていました。生徒の皆は個性あるダンサーが集まっていました。
卒業クラスのレッスンのコンビネーションはとても難しく、まるでパフォーマンスを見ているようでした。卒業試験では、教師の手腕も重視されるので、先生もコンビネーションを考えるのにもかなり時間をかけて準備します。
モダンのクラスでは、常に大きく動くこと、そして自由に動くことの大切さを教えてくださいました。最初は動きが小さかった生徒達も、だんだん自由に動けるようになり、一時間半で見違えるような動きになりました。
皆、心から楽しんでいるようでした。

またインターナショナルバレエアカデミーでは、皆、ウラジーミル・マラーホフの特別レッスンを受けました。
プロでも顔負けの難しいアレグロのコンビネーションで間違えずにできた順に、4人にマラーホフのサイン入りのバレエシューズがもらえると言うゲームをしたり、厳しさの中にも楽しさがあるレッスンでした。
アカデミー校長先生のハンス・フォーゲル先生のレッスンは、レッスンのコンビネーション自体がバリエーションのようでした。情熱的なレッスンでしたが、基礎の大切さも教えてくださりました。
アカデミーで受けたコンテンポラリーのレッスンも、流れの良いコンビネーションを組んでくださり、みんな受けやすかったようでした。
ラリッサ・ドブラジャン先生は、バリエーションクラスをしてくださるなど、本当に盛りだくさんの内容でした。

ヨーロッパは、街並みから全く違います。
芸術家として、このような環境でレッスンを受けたり、観たりした事で、テクニックだけでなく色々な事を感じてくれていたら、幸いです。

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ベルリン大聖堂

心から感謝すべきことがありました。6月末に、本を出していただくことになりました。

皆様にぜひ読んでいただければ光栄です。

インタビュー & コラム

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針山 愛美 Emi Hariyama

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
Emi International Arts
針山愛美のバレエワールド

 

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