夏のヨーロッパ、ベルリンの様子をお伝えいたします。

夏は、ベルリン国立バレエ団や、ベルリン国立歌劇場オペラは、まだ新しいシーズンが始まったばかりでパフォーマンスはありませんでした。
年々、観光客やアーティストなど訪れる人々も増え続け活気あふれる芸術の街ベルリンでした。

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8月から9月にかけて、ドイツの首都ベルリンでは「Tanz im August 」と言うフェスティバルが行われています。
このフェスティバルは今年30周年を迎え、今回は8月10日から9月2日まで開催されました。
世界から様々なダンスのグループ、舞踊団がベルリンに集まりました。
その中で、数ヶ月前からチケットが完売となったピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団のパフォーマンスなどを見に行きました。

私がピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団を見たのは、最終日の9月2日でした。
ベルリンでも最近はあまりパフォーマンスを見れる機会がないので、開演の2時間前からは、当日のキャンセルチケットを待つ人々で溢れていました。
私もピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団はこの数年見る機会がなく、どのように変化したのか、興味深く会場に入りました。
2009年に他界されたピナ・バウシュ、ピナがまだ芸術監督を務めていた時には、ヴッパタールまで見に行っていました。毎回、驚きの演出を見て、インスピレーションを得ていました。
今回は、 ノルウェー出身の「Alan Lucien Øyen」の振付、演出作品で、1部と2部と休憩を入れて4時間弱と言う大作でした。Øyenは、ダンス、劇場、セリフなどを用い、映画との境界線を探っているような演出で作品を作り上げていました。
人間の経験全てを描き、美しく、シンプルでありながらも複雑さを表現していました。ピナ・バウシュの舞踊団にしっくりくる作品だと思いました。
セットが回転していくことで、シナリオが変わっていくのですが、セリフあり、シアター的な演出の所々で、ダンサーシャープな動きでダンスを見せてはまた次のシナリオへ移っていく。従来のピナの個性を残しつつ、新しいカンパニーへの1面をも見れた作品でした。

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NEUES STÜCK II ©Mats_Bäcker

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NEUES STÜCK II ©Mats_Bäcker

キャストは以下の通りです。
Tanztheater Wuppertal Pina Bauschピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団 / Alan Lucien Øyen
「Neues Stück II」
振り付け、演出 Alan Lucien Øyen
ステージ Alex Eales
衣装 Stine Sjøgren
芸術コラボ担当 Daniel Proietto
芸術アドバイザー Andrew Wale
音響 Gunnar Innvær
照明 Martin Flack
ダンサー
Regina Advento, Pau Aran Gimeno, Emma Barrowman, Rainer Behr, Andrey Berezin, Çagdas Ermis, Jonathan Fredrickson, Nayoung Kim, Douglas Letheren, Eddie Martinez, Nazareth Panadero, Helena Pikon, Julie Shanahan, Stephanie Troyak, Aida Vainieri, Tsai-Chin Yu

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NEUES STÜCK II ©Mats_Bäcker

「Tanz im August 」フェスティバルではHaus der Berliner Festspieleで行われたヒップホップのグループのパフォーマンスも見に行きました。
こちらは、ブラジル出身のBruno Beltrãoが芸術監督を務める10人のダンサーで成り立つグループです。
ヒップホップや、ストリートダンスと言う今若者に人気を集めるダンスを、芸術的な作品に仕上げていました。
ストリートダンスと聞くと、ストーリー性や感情表現と言うよりは、動きで見せるダンスと言うイメージがあったのですが、今回はその動きを用いて、政治的な意味も含めた50分の作品でした。
アクロバティックな動きを見せながら、しっくりとした演技もあり、お客様には伝えたいメッセージを伝えていました。

Bruno Beltrão / Grupo de Rua
「INOAH」
芸術監督 Bruno Beltrão
芸術監督補佐 Ugo Alexandre Neves
ダンサー
Bruno Duarte, Cleidson De Almeida 'Kley', Douglas Santos, Igor Martins, João Chataignier, Leandro Gomes, Leonardo Laureano, Alci Junior Kpuê, Ronielson Araújo 'Kapu', Sid Yon
照明 Renato Machado
衣装 Marcelo Sommer
音楽 Felipe Storino

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「INOAH」

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「INOAH」

9月1日
ベルリン音楽フェスティバルの初日を聴きに行きました。
長年、ベルリン国立歌劇場で主任指揮者(永久雇用)を務めている世界のマエストロ、ダニエル・バレンボイムの指揮でベルリン国立歌劇場のオーケストラでもある「シュタッツ・カペル」の演奏でした。
会場は、ベルリン・フィルハーモニーです。
プログラムの中で、特に印象に残ったのは、ストラビンスキー作曲の「春の祭典」でした。
モーリス・ベジャール版(1959年)、ケネス・マクミラン版(1962年)、ピナ・バウシュ版(1975年)、マーサ・グレアム版(1984年)など、世界の振付家がこの音楽で作品を発表しています。
バレエ作品として、踊りを見ながら聴く「春の祭典」ではなく、演奏だけ聞くと、聞こえてくる1音1音が鮮明に耳に入ってきて、まるで音楽が踊っているようでした。
ベルリン・フィルハーモニーという会場で、バレンボイム指揮で聞いた演奏は、迫力、魂が伝わり圧巻でした。
このような機会が日々溢れている芸術の街ベルリン、本当に素晴らしい街だと思います。

ベルリン国立バレエ学校にも行ってきました。
入学式の日には、1年生のまだ本当に子供の雰囲気が残るバレリーナ、ダンサーの姿も見られました。両親に連れられて希望に満ちた瞳でした。
新入生歓迎会では、高学年の生徒の踊りや、手品を用いたパフォーマンスなどがあり、先輩から新入生たちには一人一人プレゼントを手渡すなど、心温まるひとときでした。
そして、今年もまた日本から数人の新しい留学生を送り出すことができました。
留学すれば上手になるとい言うことではなく、一人一人がどのようにその経験を生かし、その日々を過ごすかが重要になってくると思います。ぜひ色々な経験をして大きな人間になってくれればというのが私の願いです。

ベルリン国立バレエ団は、今シーズンから新しい芸術監督を迎えました。2018年から2019年のシーズンは、Johannes Öhman が芸術監督を務め、来年度2019年から2020年はSasha Waltz と2人共同で芸術監督を務めます。
プリンシパルに、キューバからダンサーが加わったほか、アメリカン・バレエシアターからダニエル・シムキンも加わりました。
どのように変化していくか楽しみなところです。

9月には、ウクライナのキエフも訪れ、キエフ国立バレエ学校、キエフ国立バレエ団を訪れました。
バレエ学校には数名留学生を送り出すことができました。バレエだけではなく人間としても、様々な経験をしてほしいと思います。
ウクライナに関しては、旧ソビエト時代から今に至るまで一言では語れない歴史があり、私もいろいろな想いがある国です。またゆっくりお伝えしたいと思います。11月にまたウクライナに行く予定があります。

来月も、また世界各国の様子をお伝えしたいと思います。

針山愛美『世界を踊るトゥシューズ〜私とバレエ』

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針山愛美/著 Emi Hariyama
体裁:四六版並製、240頁
ISBN978-4-8460-1734-7 C0073(舞踊)

チャコットにも、置いていただいています。
今とはかけ離れた世界のことも触れていますが、是非皆様に読んで頂けると嬉しいです。

 

インタビュー & コラム

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針山 愛美 Emi Hariyama

13 歳でワガノワ・バレエ学校に短期留学、16歳でボリショイ・バレエ学校に3年間留学した後、モスクワ音楽劇場バレエ(ロシア)、エッセン・バレエ(ドイ ツ)、インターナショナルバレエ、サンノゼバレエ、ボストン・バレエ団(アメリカ)、と世界各地のバレエ団に入団し海外で活躍を続ける。
2004年8月からはベルリン国立バレエ団の一員に。

1996年:全日本バレエコンクールシニアの部第2位、パリ国際コンクール銀メダル(金メダル無し)
1997年:モスクワ国際バレエコンクール特別賞
2002年:毎日放送「情熱大陸」出演 、[エスティ ローダー ディファイニング ビューティ アワード]受賞
Emi International Arts
針山愛美のバレエワールド

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