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インタビュー/すずなあつこ
[2016.01.21]

リアム・スカーレット『ヴィサラ』を踊った英国ロイヤル・バレエのファースト・ソリスト平野亮一に聞く

平野亮一が主演するリアム・スカーレット振付『ヴィサラ(Viscera)』、ジェローム・ロビンズ振付『牧神の午後』、ジョージ・バランシン振付『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』、カルロス・アコスタ振付『カルメン』が収録された「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2016/2016 」が、1月23日よりTOHOシネマズ日本橋ほかで公開される。一週間の限定上演だ。
そのなかで、リアム・スカーレットが振付た『ヴィサラ』の主役をつとめた、英国ロイヤル・バレエ団ファースト・ソリストの平野亮一に話を聞いた。

Ryoichi-Hirano.jpg 平野 亮一

----ロイヤル・バレエに入られた当初から長身で優しげな美しいダンサーさんだと思っていましたが、最近、それに加えて、たくましさ、男らしさ、の魅力が増しましたね。『ヴィサラ』では、ロイヤル初演時から、中心の役を踊っていらっしゃるのですか。

平野 『ヴィサラ』はもともと、リアム・スカーレットがマイアミ・シティ・バレエのために振付けた演目で、その時はマイアミのダンサーが踊っていたのですが、ロイヤルでは初演時と二回目の今回ともに僕が踊っています。
『ヴィサラ』は、ストーリーがあるわけではないのですが、群舞の部分は、とてもスピーディで変化があり、マリアネラ・ヌニェスと僕が踊るパ・ド・ドゥはゆるやかで、愛しているのに別れないといけないというような哀切を描いていて、そのコントラストが作品の一番の魅力だと思います。ヴィサラ=“Viscera”を直訳すると “内蔵” になりますが、スカーレットがよく「内蔵をえぐり出すように踊れ!」と言っています。

1601Viscera01.jpg 「ヴィサラ」

----リアム・スカーレットは、ロイヤル・バレエのダンサーから振付家になった、ということで、気心の知れた同僚ということになるのでしょうか。同じくらいの年齢ですか。

平野 はい、気心の知れた同僚、年齢は僕の方が3つくらい年上だったと思います。彼の振付はよく踊っていて、日本でも、昨年のオーチャードホールのガラで踊った『アスフォデルの花畑』よりや、ロイヤル・バレエで上演された『スィート・バイオレット』。それからコヴェント・ガーデンの小さい方のシアターで上演された『ヘンゼルとグレーテル』では、僕は魔女役を踊りました。彼の振付は、自然な動きですごく踊りやすい。身体にすんなり入ってきます。
また、今シーズン、彼の新作『フランケンシュタイン』全幕が初演予定なのですが、主役のモンスターを踊る予定です。

----パートナーのマリアネラ・ヌニェスは、今回、『ヴィサラ』のほかに『カルメン』も主演されていますね。よく一緒に踊られているのですか。

平野 はい、最近、一緒に踊ることが多いですね。『ロミオとジュリエット』で僕がパリスで彼女がジュリエットだったり。今、一番、輝いている女性ダンサーではないでしょうか。力強いし、テクニックも凄いし、気品もあって。

----最近、平野さんが踊って印象に残っている役はありますか。

平野 『ロミオとジュリエット』で初めてティボルトを踊りました! いつもパリスとか、他の演目でも王子など優しい役が多いので悪役はあまり踊っていなくて……楽しかった!

1601Viscera02.jpg 「ヴィサラ」マリアネラ・ヌニェス
(C) ROH, Andrej Uspenski
1601Viscera03.jpg 「ヴィサラ」ラウラ・モレーラ
(C) ROH, Andrej Uspenski

----ところで、この後、どんなものを踊られる予定ですか。

平野 今シーズンはいろいろなチャンスをいただいています。『ジゼル』『冬物語』のプリンシパル、それに先ほどお話ししたリアム・スカーレットの『フランケンシュタイン』。また、ノルウェー国立バレエでゲストとして『ジゼル』を1月末と2月初めに踊る予定です。同じ日本人の西野麻衣子さんがプリンシパルとして活躍されていて、長身のパートナーをということでオファーをもらいました。14年間ずっとロイヤルでやってきて、ロイヤルで上演するヴァージョンしか踊ってきていないので、別の版に挑戦できるのはとても嬉しい。これからもこんな機会が増えていけばと思います。

----カナダ・ナショナル・バレエで活躍されていたお兄さん、平野啓一さんが引退して第二の人生に進まれていますが、第二の人生を考えることはありますか。

平野 今は考えないでおこうと思っています。ちょっとずつ考えた方が良いのかも知れませんが、それよりも、今、踊ることだけ、きちんと考えていきたい。あとで、踊れる時にもっと、と後悔するのは嫌なので、目の前の舞台に全力で取り組んでいきたいと思っています。

----お忙しいところいろいろとお話しいただきまして、ありがとうございました。これからのご活躍を期待します。

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2015/16

公開予定
●ロイヤル・バレエ「ヴィサラ/牧神の午後/チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ/カルメン」
2016年1月23日公開 (本国公演日:11/12)

「ヴィサラ」
振 付:リアム・スカーレット
出 演:平野亮一/ラウラ・モレーラ/マリアネラ・ヌニェス/崔由姫
「牧神の午後」
振 付:ジェローム・ロビンス
出 演:サラ・ラム/ワディム・ムンタギロフ
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振 付:ジョージ・バランシン
出 演:ヤーナ・サレンコ/スティーヴン・マックレー
「カルメン」
振 付:カルロス・アコスタ 
出 演:マリアネラ・ヌニェス(カルメン)/カルロス・アコスタ(ドン・ホセ)/フェデリコ・ボネ(エスカミーリョ)

1601carmen.jpg 「カルメン」
(C)ROH. Photographed by Tristram Kenton

●ロイヤル・バレエ 「くるみ割り人形」  
2016年2月6日公開 (本国公演日:12/16)

●ロイヤル・オペラ 「椿姫」 
2016年3月5日公開 (本国公演日:2/4)


■上映劇場:TOHOシネマズ日本橋、TOHOシネマズららぽーと横浜、お台場シネマメディアージュTOHOシネマズ名古屋ベイシティ 大阪ステーションシティシネマ ほか
<全作品1週間限定上映>

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