「ダンサーとは、輝く人のこと」DANIEL(荒井英之)『ODYSSEY 2021』開幕直前インタビュー

インタビュー&コラム/インタビュー

インタビュー=上村 奈巳恵

2019年の再演から2年ぶりに博品館劇場で上演される「ENTERTAINMENT SUPER DANCE THEATER ODYSSEY 2021」。東山義久をリーダーとするDIAMOND☆DOGSのメンバーと、ストリートダンス、ミュージカル、元宝塚スター、そしてバレエと各方面からの選び抜かれたダンサーが、それぞれのシーンで主役を務めアンサンブルとしても活躍するダンスパフォーマンス「ODYSSEY」。
3回目となる今作では、1幕は"タイムトラベル"をモチーフとし、様々な時代の英雄たちとの出会いと未来を模索する若者を描く。2幕は「不思議の国のアリス」を「ODYSSEY」風に描いたダンスアクト、そしてショーナンバーのフィナーレへと続く。
稽古が始まって2週間たったという頃に、バレエダンサー DANIEL(荒井英之)に話を伺った。

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ゲネプロより、第2幕

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ゲネプロより、第2幕
中塚皓平、舞羽美海、宇月颯、咲山類、木村咲哉

――DANIELさんと言えば、2010年のアメリカンエキスプレスカードのCMを記憶している方も多いかと思います。お母さまがバレエを指導されているので自然と始められたのでしょうか。

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© Dance Cube

DANIEL はい。母がエストレーラバレエを主催しているのでそこで始めました。教室の5回目の発表会の時に、王子さまが出てくる作品を作りたいけれど男の子がいないから1年だけやってみない?1年がんばるなら何でも好きな物を買ってあげるからと言われまして。当時僕は4年生くらいで、まだ子ども用の小さい自転車に乗っていたから大人が乗る様な大きな自転車が欲しくて、買ってもらって始めました(笑)。

――ご実家がお教室でもそんなに早くに始めたわけでもなかったのですね。

DANIEL そうです、それまでは全然。教室の発表会についていったりはしていましたけど、ロビーで走り回っていたりとかでした。

――何かほかのスポーツをされていたのですか。

DANIEL 水泳をやっていました。

――バレエを始めてみた時、1年続けてみていかがでしたか。

DANIEL 長く続けた水泳をやめて始めたバレエをここでやめてしまうのはもったいないというか、最初はそんな感じでしたね。塾にも通っていて、受験とバレエとどっちがいい?と言われた時に、バレエと(笑)。そこで昔母がいた山路瑠美子先生のスタジオに行くようになって、そこには男の子もいたのでちょっと楽しくなってきて、たくさん回ったりジャンプしたりと男性のテクニックにも興味を持ち始めました。

――その頃からコンクールにも出場されて結果を残されていますが、同世代には今でも活躍されている方も多いですね。

DANIEL 当時は男の子は増えてきたとはいえまだそこまで多くなかったので、ライバルではあるけれどコンクールで会える友だち、という感じでした。

――その後2002年にローザンヌ国際バレエコンクールに出場、カンヌ・ロゼラハイタワー ジュニアカンパニーへ留学されていますね。

DANIEL そうです。ローザンヌの時にヤン・ヌイッツ先生に相談して、自分からモニク・ルディエールにアプローチしました。僕、モニク・ルディエールに"カミカゼ"って言われたんです。嬉しかったです。

――海外での経験はやはり刺激になりましたか。

DANIEL はい、僕は基本的に自分のことは遅咲きだと思っているんです。コンクールで賞をとりはじめたのも16、17の頃で決して早くはないですし、考え方も遅咲きでその頃からようやく色々考えるようになったくらい。
これは僕が生徒や組んだ相手の子によく話すのですが、海外に行ってみて思ったことは、自分さえ気をつけていれば誰に教わっても同じだということ。これはすごく大事なことで、たとえば何かに憧れていたり目指していたりすると、そこに行けば、とか、海外に行けばバレエが上手になる!といったような幻想的に思ってしまいがちですが、決して何かが突出して変わるわけではない。
昔ヤン・ヌイッツ先生が話してくれたのですが、「私に質問してくる生徒たちがたくさんいて、良い先生を紹介してくださいと言うけれど、いちばん良い先生は自分だよと私は答える」と言っていた意味がよく分かって、そういうことかと思い始めたのも留学したことがきっかけでした。
僕が行ったのはジュニアカンパニーで、作品で自分がどう求められているかということよりも、それ以前に言葉の問題がありました。日本語は聴き慣れているから、先生に何か言われても音のように流れていってしまいがちだったのが、フランス語だとこの人何を言っているんだろうって耳を傾ける。言葉に耳を傾けることによって、人の話をよく聞くようになったんです。それもまた大きくて。だから留学して一番大きかったのは、自分がいちばん大事だと気付いた部分と言葉が違ったことですね。
考えないと相手の言っていることが理解できない。でも本来ならば日本語でも相手の言っていることを理解して、自分が何を求められているのか理解して、作品が何を求めているのか理解してって大事なんです。なので、日本語は聞き慣れ過ぎていて、という話を今でもよくしますし、説明を脳に届くようにと考えて言ったりもします。長くなるというデメリットもありますが。やっぱり頭はよく働かせないとダメだよと僕もよく言いますし、先生方やダンサーでもそう言っている人が僕の周りには多いです。

――DANIELさんは、バレエ公演では荒井英之さんとして活動されていますが、"DANIEL"というお名前はどこからですか。

DANIEL クリスチャンネームです。生まれた時に洗礼を受けているので。
2013年の「DANCE SYMPHONY」に出演した時、打ち合わせでプロデューサーから「私は名前をとても大事にしている」と聞いて、「僕、DANIELという名前があります」と話したんです。そこでバレエ以外の舞台ではDANIELとしてやったら目に留まるだろうし、僕自身も新しい気持ちでやっていける、という意味も込めて"DANIEL"として活動することになりました。プロデューサーと生み出しだ"DANIEL"でもありますし、大事にしている部分でもあります。

――ご自身の中で、切り替えるスイッチになっていたりもしますか。

DANIEL 僕、もともと人見知りなんですけど、バレエだとパートナーがいるじゃないですか。中学生くらいの頃は一緒に練習しようと相手の子に言えなかったんです。そうしたら先輩ダンサーに「ヒデ、練習しようって男の子から言わなきゃだめだよ」って言われたんですが、もじもじしていたら先輩が代わりに声をかけてくれたりして。でもだんだん歳を重ねていったり、仕事になってきたりすると、先輩に頼んでいるわけにもいかず自分から言わないといけない。そうなってきたら、だんだんと"バレエダンサー荒井英之"というのが生まれてきて、なんていうのかその時点でもう役者ですよね。そうなってくるとはたして普段の自分が人見知りなのか、バレエダンサー荒井英之が本当の自分なのかも分からなくなってきますけれど、そういったこれまでがあって、こうやってインタビューも受けられるようになりました(笑)。

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――カンヌから帰国されて、その後Kバレエカンパニーに入団されたわけですね。

DANIEL そうですね、それまでの2年間は山路先生のところやほかで仕事をもらっていました。Kバレエには3年と少し在籍していました。

――その頃にチャコットの渋谷本店でイベントに参加していただいたりもしましたね。

DANIEL バレンタインに憧れのダンサーにプレゼントしよう!っていう、すごい企画でしたね(笑)。ありがたかったです。

――そしてあのCM出演がありました。出演のきっかけは何だったのでしょうか。

DANIEL Kバレエを退団したあとで。CM出演は何人かのダンサーに声がかかっていたようです。その中に僕の名前もあがっていて、何度かビデオを撮ったりして、最終的に僕に決まったと聞きました。

――CM出演がバレエ以外の舞台につながったのでしょうか。

DANIEL そうですね。「DANCE SYMPHONY」の時も、プロデューサーがあのアメックスのCMを見て、このダンサーと仕事がしたいと思ってくださったみたいです。

――「DANCE SYMPHONY 2013」がバレエ以外の公演への初出演でしたがいかがでしたか。

DANIEL (腕を見せて)今も鳥肌が立つくらい(笑)、めちゃくちゃ怖かったです。人見知りだし、基本的にはビビリなので(笑)。ちゃんと警戒心を持って臨んでいるともとれますが、もうとにかく本当に怖かったです。リハーサルが始まる前も、どんなことをするのか分からないし、どんな人たちがいるのかも分からないし、と恐ろしかったです。

――この年から数年間、東山義久さんやDIAMOND☆DOGS(以下、D☆D)のメンバーの方たちとの公演が続いてますが、今回は2018年の「LOVE LOVE de SHOW Vol.5 White Labyrinth」以来、久しぶりになりますか。

DANIEL そうです。今回が「DANCE SYMPHONY」から数えて7回目になると思いますが、前回の「White Labyrinth」で、僕やっと少しつかめた気がしたんです。動きだったり、音だったり、やっと自分がこういう現場に慣れてきて対応できるようになってきたかな、というところで森新吾さんの訃報がありました。新吾さんが僕のことをよく思ってくれていたのかなと思っていた部分もあって、実際に間も空いていたので、もう声はかからないのかなと思っていたところにプロデューサーから電話がかかってきました。今度こういう舞台があるんだけど、と声をかけていただいて、正直とても嬉しかったです。僕の中でようやく、「White Labyrinth」以来の"DANIEL"としての時間が動き出すので。

――その間にはコロナが流行し始めましたし、環境が変わりました。

DANIEL そうですね、東山さんからもコロナのこともあってD☆Dのメンバーのみでの活動が多かったと聞いています。

――クラシック・バレエの場合は、作品の振付や音楽が身体に馴染んでいることが多いと思いますが、こういった舞台の場合は全てを一から作ることになるので、取り組み方は全然違ってくるかと思いますが、その辺りはいかがですか。

DANIEL 全然違いますね。よく時間軸で話すのですが、バレエの世界の場合は過去のものに向かって追求していって戻ってくるじゃないですか。それがこの「ODYSSEY」のような作品の場合は、今のこの現実世界から未来に向かって創っていくようなものなんです。アプローチの仕方も違いますし、考え方も全然違います。どちらが良いかという話ではなくどちらも大変ではありますが、こちら側の作品って、見ているだけで、その場にいるだけでも絶対に何かを感じられる舞台になることは間違いないんですよね、今までの経験から考えると。よく分からない作品だったなとか、よく分からない動きだったな、と時間が過ぎることがないのがこの舞台の特徴だと思います。だから、たとえ稽古が始まっていなくても、絶対に面白いから観にきてねと自信を持って言えます。

――本当にそうですね。観客側としては毎回大いに楽しませてもらっています。出演される側の楽しさもありますか。

DANIEL まずは怖いのが一番ですけれど(笑)。バレエとは音の取り方が全然違っていて、バレエはカウントの中で1、2、3・・とおおらかに捉えますが、彼らはカウントの間も小刻みに取っていきます。それが自分もできた時は、ラップを上手く歌えた時のように「ハマった!」と思えて、気持ち良い部分はありますね。
それと「DANCE SYMPHONY」の時からずっと言い続けているのですが、バレエの公演と比べたらダンサーがとにかく少ないので、舞台上で自分自身を証明しないと、舞台に立つ意味もそこにいる意味もないなとすごく思うので、そこはとても意識しています。

――そういった意識や経験は、その後のバレエの舞台にも活かされていますか。

DANIEL それはもう間違いなくフィードバックされています。DANIELで得たものは荒井英之に多大なる影響を与えています。意識の問題だったり、体の使い方だったり、自分の見せ方であったり、様々ですが確実にプラスになっています。

――昨年の都民フェスティバル「海賊」全幕でのアリ役は大変好評でした。

DANIEL 「海賊」はストーリー的にはコンラッドが主軸ですが、僕はアリがいちばん好きなんです。そのアリ役であったことと、コンラッド役の奥村康祐君とメドーラの加治屋百合子さん、その中に入れたことも幸運でした。奥村君も加治屋さんも、愛にあふれていましたから。奥村康祐君は僕のひとつ歳上でしっかり尊敬できる人なので、アリとしてコンラッドに絶対的に尽くし従うことができて、全身全霊でアリを演じることができました。

――「ODYSSEY」は全員が主役で全員がアンサンブル、というコンセプトだと思いますが、ご自身で振付けたパートもありますか。

DANIEL あります!観ていただければ分かると思います。今までは新吾さんが演出・構成・振付の全てを手がけるというすごいことをやっていましたが、今回は東山さんが構成を考えていたり、中塚皓平君がやっていたりと全員が協力している中で、「ダニーも助けてね」と皓ちゃんにも言われましたし、DANIELもこういったことをやってみたら、と後ろでプロデューサーに言われているような気もしますし、いい機会だと思って振付けさせてもらいました。
ただし、彼らは仕事が早いんですよ!だから僕も、普段と比べると信じられないくらいのスピードで振付けました。ただの動きではなくて、コンセプトを持って、ちょっと壮大な意味のあるものとして作れたのは、自分の中では良かったと思っています。
一つは"THE クラシック!"にして、もう一つは多少違ったものにと、色分けもしました。これはバレエダンサーが振付けたなっていうのはきっと分かると思いますが、それも一つの良さとして観ていただけたら。このシーン好きだったな、と言ってくれる方がたくさんいらしたら嬉しいです。

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ゲネプロよりオープニング
© Dance Cube

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DANIEL、木村咲哉
ライト兄弟をモチーフとしたDANIEL振付のシーン
© Dance Cube

――演出をしてみたいと思ったりもされますか。

DANIEL 思いますね。昔、東山さんや植木豪さんに、ダニーもいつか自分のプロデュースの舞台を、と言われて。その当時は想像がつかなかったのですが、やっぱりダンサーとして生きているからには自分がやりたいようにって思うだろう、ということなんだなと思います。

――逆にクラシックの舞台に違う畑のゲストを呼んでみるのも面白いかもしれません。

DANIEL そうですね。僕が企画する基本クラシックの舞台に今回のメンバーが出てくれたら、それはもう強力な助っ人になります。とんでもない火の玉を迎え入れるような話ですから。バレエって少しお堅いイメージもまだありますし、何かしらの特効薬だったり爆薬のような感じになったら面白いですね。

――今回も多彩なメンバーがそろっています。「ODYSSEY」シリーズに女性が出演されるのは初めてですね。女性がいらっしゃるのでリフトなんかもあるのかな、と期待しています。

DANIEL そうなんです。僕の本領が発揮できます!(笑) 女性陣もバックグラウンドがすごいですし、動きの一つ一つに、おお!と思える部分があって、こんなにも対応力があるんだな、とリハーサルを見ていて思いました。ジャズのノリというかグルーブ感というのか、それも的確で。本当にすごい方たちです。

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舞羽美海、東山義久 © Dance Cube

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舞羽美海、東山義久 © Dance Cube

――バレエ以外のジャンルにも挑戦してみたいですか。

DANIEL チャレンジはしたいですね。作品の中でやってみてはいますが。
皆さんそれぞれの武器がありますが、この舞台のすごいところって、同じ振付でもそれぞれのスタイルで踊る。スタイル東山、スタイルHILOMU、スタイル長澤風海、みたいな。手の出し方一つにしても様々なんです。振付師が生み出したものをそれぞれが自分のものにしている。昨日僕が出ていないシーンを見ていて、これはすごいなと思いました。

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宇月颯、和田泰右、木村咲哉、廣瀬真平、新開理雄、HILOMU、DANIEL

――本当にそうですね。毎公演、目が足りないと感じます。

DANIEL 何度も観てもらいたいですし、すべてのダンサーを観ていただきたいです。お客さまそれぞれに推しメンがいるかもしれませんが、たまに他の人も観てもらいたいなと。そこも楽しめるひとつの要素だと思います。スタイルを確立している人たちって、自分の方に寄せていくんだなって。

――見どころはどんなところでしょうか。

DANIEL 全てです! 僕、どこかでだったか覚えていないのですが「ダンサーたちの輝き」というようなフレーズを見て、ふと思ったのですが、ダンサーたちの輝き、ではなく、輝いていなかったらダンサーと呼べないんだろうなと思ったんです。以前ほかのインタビューでもお話したのですが、ダンサーというのは踊る人のことではなく、観ている人の心を躍らせる人がダンサーと。そして、輝いていないとダンサーではないのではないか。やっぱり本質を自分の中に生み出して、輝いてこそダンサーと呼べる。だからこそ、自分を創り上げて、舞台を創り上げていく、という風にしていきたいと思っています。
僕は言葉に出して自分に認識させていますが、言葉にしなくても絶対にそう思っている人たちばかりの集団で、本当に見どころを追うには目が二つじゃ足りないです。
僕、博品館劇場さんでの舞台はいつも命をかけて10回、11回と公演させていただいています。終わったあとは燃え尽きた灰のようになりますが、それだけのものを他のみんなも絶対に掛けています。僕たちの本気が詰まった舞台ですから、劇場に足を運んでいただければ、あとはもう全ての場面をお楽しみください、と。これは今までの舞台でもそうだったと思いますし、D☆Dの舞台の特徴だと思いますが、見どころはなく、見どころは全て。

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宇月颯、DANIEL、舞羽美海、長澤風海
© Dance Cube

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舞羽美海、長澤風海 © Dance Cube

――バレエ公演ではあまりないような公演回数ですが、体のメンテナンスも大変でしょうか。

DANIEL テンションがいちばん大事になってくるかもしれませんね。(植木)豪さんが一緒だった時は、「ダニー行け!」って袖から僕を送り出してくれたり、そういう力に助けられたりしていました。豪さん、東山さんって僕より10歳くらい上なので、体の負担とかもその分先を行っているはずで、それを支えるのは精神力であって、ものすごい精神力であの体を創り上げて、踊りや舞台を創り上げている。そういうことを見せてくれる二人なので、すごく尊敬していて、尊敬と共に絶対に下にくだってはいけないとも思っているんです。必ず隣にいなくてはいけない、と生意気にも思っています。下にくだってしまうとそこで何かが変わってしまうと思うんです。もちろん敬意は払いますし、リハーサルの時の接し方などはありますが、舞台に立った時は全員が横並び、というのが僕の考え方なんです。

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東山義久 © Dance Cube

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© Dance Cube

――最後に意気込みと、どんな方に観に来てほしいかを教えてください。

DANIEL 今回は振付もしていますし、そういった点でも新しいDANIELを見せられると思います。
本番はバレエダンサーに観に来て欲しいですね。熱量もすごいですし、こういう舞台の作り方というのもバレエダンサーにとっては斬新に見える部分がたくさんあると思うので。
いろいろな本も読んでみたりすると、僕影響を受けやすいのですが(笑)、やっぱり人生は自分が主役と書いている人も多いですし、自分のために人生を費やさないといけない。そうなるとバレエをやっているからには、自分のために踊ってもらいたいですし、どうしてバレエをやっているの?と聞かれた時に必ず答えてもらいたいですよね。好きなダンサーはいるの?とか、どういう風になりたい、どういう風に踊りたい?と聞かれた時なんかにも。これはすごく思いますね。
ダンサーとはどういうことなのかと僕いつも考えていて、これはバレエをやっている若い子たちや生徒さんには伝えたいと思っているのですが、ダンサーとして生きるということは自分を舞台上で証明することで、人生をかけて自分自身を証明することだというのは日頃から考えていますが、なぜ舞台に立つのか、どういう意識を持って舞台に立つのか、ということの答えがこの舞台には詰まっていると思うんです。言葉で伝えることも大事ですが、僕たちが背中を見せたり、舞台に立つことで証明してみせることも大事で、一番だと思っているので、そういった点で、それができる、できている舞台だと思います。ぜひバレエダンサー、バレエをやっている子たちにも観てもらいたいですね。

――本日はお稽古前のお忙しい中、ありがとうございました。出演の皆さんとDANIELさんとで創る熱いステージに期待しております。

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第2幕 © Dance Cube

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舞羽美海、DANIEL、長澤風海 © Dance Cube

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(中央)宇月颯 © Dance Cube

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舞羽美海、DANIEL、長澤風海、HILOMU、木村咲哉、宇月颯 © Dance Cube

ENTERTAINMENT SUPER DANCE THEATER ODYSSEY 2021

●2021 年 10 月 6 日(水)〜13 日(水)
●博品館劇場

■STAFF:
構成・演出・振付:D☆D
音楽:la malinconica TAKA
振付:長澤風海 木野村温子
振付協力:DANIEL

■出演:
DIAMOND☆DOGS
(東山義久
中塚皓平 和田泰右 咲山類
廣瀬真平 新開理雄 Homer)
DANIEL 長澤風海 木村咲哉 HILOMU
舞羽美海 宇月颯

●公式サイト
http://www.hakuhinkan.co.jp/theater/archives/event/entertainment-super-dance-theaterodyssey-2021

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