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(インタビュー/関口紘一)
[2009.09.18]

西島千博インタビュー

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NEOBALLETやDance Galaxyシリーズなどで大活躍のバレエダンサー、西島千博に「バレエの現在」を聞いた。最新インタビューをどうぞ。

ーーNEO BALLETというシリーズを公演されていますが、今回の『Rose Adagio』のダンス・ギャラクシーというのはどういう舞台ですか。

西島 Dance Galaxyは第1回は『ジゼル』を『GILLE(ジル)』として上演しましたが、基本的にはクラシック・バレエを現代ヴァージョンにアレンジしたもので、演出を変える段階で、演出家をバレエ関係ではない方にお願いして、Dance Galaxyを創っています。
NEOバレエはあくまでバレエを創るバレエダンサー、自分も含めてバレエを創る方と一緒に創る。ダンス・ギャラクシーはもちろんバレエダンサーもいますけれども、ミュージカルとかいろいろな幅広い活動をしている人たち、ジャズダンサーも入りますし、エンターテイメントの演出家も入ってきています。どちらかというとダンス・ミュージカルという方向です。1作目と2作目の『Rose Adagio』は、川崎悦子さんとコラボレーションさせていただいています。
Dance Galaxyで求めているものは、ミステリアスというか、サスペンス的に捉える現代的リアリティです。ドラマ的なものは同じですけれど、もう少しミステリアスで、サスペンスが強いですね。

ーー今回は『ジゼル』のように男性ヴァージョンではないんですか。

西島 特にそういうことではないのですが、湖月わたるさんは宝塚の男役のトップスターなので、僕の役もですが中性的な両性具有的な存在感はテーマとしては入ると思います。カラボスという役がそうですよね。

ーー西島さんはもちろん、まだカラボスを演じられたことはないですね。

西島 ないですね。カラボスってバレエ界でも大ヴェテランの方がやられてますね。『眠れる森の美女』って意外とカラボスの存在感によって、リアルに行くかファンタジーに行くかみたいな流れが出来が決まってしまうところがあります。今回もそういう流れはあると思います。カラボスの存在価値みたいなところで演出の意図が決まってくると思うのでとても重要なキー・ポイントになると思います。

ーーカラボスは魔法使いみたいということは変わらないんですか。

西島 どこまで話していいんだろうか・・・。
現段階では病院の一室で行われる設定になっているんです。カラボスは医者になっています。

ーーマッドサイエンティストみたいな存在でしょうか・・・

西島 100年の眠りから覚めたという意味が、現代によみがえったという・・・目を覚ますと病院だった・・・現代に生き返る姿が、病院の一室で繰り広げられます。

ーーデジレ王子もかかわってくるのでしょうか。

西島 それが、今回『ローズアダージオ』というタイトルがついているじゃないですか。ローズアダージオのシーンは4人の王子から求婚されるシーンなわけです。もしかしたら4人の王子がキーポイントになっているかもしれない・・・なんかどこまで言っていいか、難しいんですけど。
古典バレエはいろんなことが考えられますから、どこの場面をピックアップするかによって、ドラマが変わってくるんです。

ーーなるほど、ローズアダージオというタイトルがポイントになっているということですね。

西島 そうです。そのシーンの最後にカラボスが現れて事件が起きる、そこがわりと重要です。

ーーそうですか。ストーリーはそのくらいにしていただいたほうがよろしいですね。川崎悦子さんと組まれるのは2回目ですか。

西島 そうです。いつかなんか一緒にやりたいねっていうお話はでていたんですけれど、偶然なタイミングでお話をいただいて。自分が出演するならばやっぱり演出家を全然違うテイストの方を呼びたいなというのがあって。川崎さんと組んだことはありませんでしたが、川崎さんの演出は知っていましたから。クリエイトされる方だとわかっていましたから、これが現代版のクラシック・バレエにいかされればおもしろいと思いました。『GILLE』の時に、やっぱり想像以上に素敵に出来上がったので、なにかまた違うヴァージョンで出来るのではないかと思っていました。

ーーそれからさいたまの『NEOBALLET×ニジンスキー』ですが、プリンシパルがたくさん出演しますね。

西島 22人のプリンシパル、プラス、アンサンブルが26名になりますね。僕が新しく振付けるのが『火の鳥』と『シェエラザード』『青い鳥』『牧神の午後』など。『春の祭典』は青木尚哉、松崎えり、遠藤康之と僕の4人で振付けます。それから『遊戯』は、女性二人と男性一人の初演当時のテニスウエアを着たビジュアルで三角関係がテーマの作品ですが、当初のアイデアである、男性三人の作品に創りました。「NEOBALLET×ニジンスキー」ですから、ニジンスキーがもし、今生きていたらどういう演出振付を創るのだろうか、ということを想像しながら創ります。

ーーここでも100年後が出てくるわけですね。バレエ・リュスの作品は、クラシック・バレエの全幕を作り変えるのとはまた違いますね。

西島 そうですね、バレエダンサーばかりで創りますから、一人ひとりバレエダンサーの個性があって、その個性を生かせる演出ができたらいいな、と思っています。
まず、プリンシパルというだけで存在感がまったく違うわけです。出てきただけ立っているだけでみせられるという方がそろっているわけですから、ガラ・コンサートです。その人が光る一番得意なものを踊ってもらいます。新しいものを試行錯誤してクリエイトするのと違って、その人の良さが出るということが趣旨なので、出来るテクニックは回って跳んですべて表現してもらいます。まり一番おいしい公演ですよね。いいところだけがみられるわけです。
他の公演が重なってしまったバレエ団以外ほとんどの日本の代表的なバレエ団から出演してもらっています。この時期にこれだけの出演者が集まることが奇跡といってもいいと思います。バレエ・リュス100年にあわせて日本人のプリンシパルが集まることも珍しいことだと思います。
いつも受身で待っているだけではなくて、もうそろそろ自分たちでやりたいことをクリエイトしていこう、という気持ちの問題っていうのをすごく感じています。いつもいつも先生からいわれたとおりにしか動いていないダンサーたちが、気がついたら何もしてなくてもう引退の時期、とかいうのではなくて、もっとダンサー同士が何かを求めて活動を自分たちでやっていかなければならない時代だと思うんです。それがやっぱり今までバレエ界を支えてきてくださった方々へのリスペクトにもなると思います。感謝の気持ちというのは上にのっかるだけでなく、自分たちで動くことから始まるのではないか、と思います。
今回はこれだけのメンバーが集まったので、これからのバレエ界を創ろうという気持ちでもあります。
僕が芸術監督ですが、出演者でもあるので、一人の出演者としてもみんなで創るバレエ公演です。

ーー期待しております。本日はお忙しいところありがとうございました。
 

(インタビュー日/2009年8月14日)


バレエ・リュス結成100周年記念『NEO BALLET×ニジンスキー』
〜千夜一夜 夢のプリンシパル・ガラ〜  
>>>発売中

  • 9/21(月・祝)
  • 彩の国さいたま芸術劇場大ホール
  • 芸術監督・演出・振付・出演=西島千博
  • 出演=青木尚哉/秋元康臣/伊藤範子/金田あゆ子/上山千奈/児玉麗奈/酒井はな/佐々木大/柴田有紀/邵智羽/白椛祐子/橘るみ/田中ルリ /中島周/中村誠/西田佑子/橋口晋策/橋本直樹/福岡雄大/松岡梨絵/松崎えり/横関雄一郎/吉本真由美/渡部美咲〔五十音順〕
    ※予定しておりました大嶋正樹は怪我のため降板となりました。
    Aプログラムに予定しておりました「牧神の午後」は中村誠に変更になります。
  • 演目=薔薇の精/牧神の午後/春の祭典/シェエラザード/ジゼル/ライモンダ/パラード/火の鳥/ナルシス/白鳥の湖/眠れる森の美女/遊戯/レ・シルフィード/ペトルーシュカ(予定)
  • SS席12,000円(完売)/S席10,000円/A席8,000円/学生席3,000円(全席指定、税込)
  • 開演時間=14:00と19:00
  • お問い合わせ=財団法人埼玉県芸術文化復興財団 048-858-5511


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DANCE GALAXY vol.2『Rose Adagio(ローズ・アダージオ)』 >>>11/7(土)前売開始

  • 2010.2/11(木・祝)〜14(日)
  • 天王洲 銀河劇場
  • 構成・演出・振付=川崎悦子
  • 出演=西島千博/東 文昭/穴井 豪/生尾佳子/大柴拓磨/大真みらん/木下菜津子/キミホ・ハルバート/三枝宏次/佐藤洋介/湖月わたる
  • S席8,800円/A席6,800円(全席指定・税込)
  • 開演時間=11日17:00、12・13日13:00、14日13:00と17:00(12日はトークショーあり。)
  • お問い合わせ=銀河劇場チケットセンター 03-5769-0011

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