インタビュー&レポート

インタビュー: 最新の記事

インタビュー: 月別アーカイブ

インタビュアー/関口紘一、アンジェラ加瀬 撮影/Angela Kase
[2010.03.24]

高田茜インタビュー
『リーズの結婚』『コンチェルト』『エリート・シンコペーション』など、初めて踊る作品に挑戦しています

1003takada_akane.jpg

----高田茜さんは、NBAコンクールで審査委員長賞を受賞してチャコットの奨学金でボリショイ・バレエ・アカデミーに留学し、2008年のローザンヌ国際バレエコンクールでスカラシップとオーディエンス賞を受賞されて英国ロイヤル・バレエの研修生になられた。そして早くも入団が決まったわけですが、正式にはいつから団員になったのですか。
高田茜(以下、高田)2009年の9月です。

----どういうふうに知らされるのですか。
高田 私の場合は昨年の2月、『ラ・バヤデール』の幕が降りた舞台上で、ディレクターのモニカ・メイスンさんがいらして「あなたにコントラクトあげるわ」って言われました。

----一人だけだったのですか。
高田 その時は、私一人だけでしたからすごく感激しました。結局、同期には女性が5人、男性2人が入団しました。そのうちロイヤル・バレエ・スクールからきたのは男性、女性が2人ずつです。

----まるで、プリンシパル昇進の予行演習みたいな感じですね。 
高田 そんな・・・違います。でもとっても嬉しかったです。

----もともとロイヤル・バレエ団に入りたかったんですか。
高田 小さいころから『ロミオとジュリエット』とか「ガラ・コンサート」など見ていた作品がロイヤル系のものが多かったので、できればそういうカンパニーで働きたいな、という希望はありました。 

----毎日どのようなスケジュールで活動しているのですか。

高田 今週は10時30分からクラスです。それから一日が始まります。全幕物のリハーサルですと、12時から2〜3時間くらい通してやります。それとこれから上演するトリプルビルの『エリートシンコペーション』『コンチェルト』『ユダの木』のリハーサルも同時に進行していきます。私は『ユダの木』は今回関係ないのですが。
今日は『コンチェルト』のリハーサルがあって、私は2時から3時までお休みが入るはずだったのですが、怪我をした人が出たのでそのカバーをして、そのままリハーサルを続けることになりました。結局、今日は『リーズの結婚』『コンチェルト』『エリートシンコペーション』のリハーサルをしました。3作品とも初めて踊るものだったので、頭もいっぱい使いました。

----そうですか、やはりバレエ学校時代とは違ってたいへんですね。ボリショイ・バレエ・アカデミーはいかがでしたか。
高田 ボリショイ・バレエ・アカデミーでは、最初は外国人クラスだったのですが、ある日、ナタリア・アルヒコワ先生が来て、茜はロシア人のクラスに入りなさい、と言われてロシアの人たちと一緒に練習していました。
ボリショイへは、あまりロシアということが頭にあったわけではなかったのですが、行って良かったです。2年間、すごくいい経験をさせてもらいました。宮廷舞踊やキャラクター・ダンスの授業もあったし、ロシア語のクラスもありました。ロイヤルにはロシア出身のダンサーもいますしね。
バレエ以外のことが勉強できたことが凄く良かったですね。バレエの表現にも余裕が持てるようになったと思います。

----ボリショイ劇場でもバレエ学校の生徒として踊りましたか。
高田 ええ、コンサートなどで踊ったことはありますが、私は16歳の時に入って6年生と7年生の2年間だけで、卒業までいませんでしたから。

----それからローザンヌのコンクールを受けられた。
高田 そうですね、以前からテレビでも観ていましたし、参加してステップアップしたい、と思っていました。でも私もですが、初めて参加したので、バレエ団(高橋洋美バレエ・スタジオ)や先生が大変だったと思います。

----その後もとても順調ですね。
高田 研修生になったのは08年の9月で、1年間ということでした。研修生として入って一番最初に踊ったのは『白鳥の湖』のコール・ドだったと思います。秋に『眠れる森の美女』の妖精で初めて名前の着いた役を踊りました。それから、怪我人がでたのでブルー・ガールを踊る前に、蔵健太先輩の青い鳥とフロリナ王女を踊っています。蔵先輩は優しくていろいろと親切に教えてくれます。当初はアンドレと踊る予定だったですが、急に前日代わったんです。当日のリハーサルだけで、やりやすように踊らせいただきました。

----ほんとうに早くから役が付きましたね。
高田 ラッキーですよね。

----どの役が一番印象深いですか。

高田 そうですね、研修生の時まだお休みに入る前に、モニカからキャスト表を見せられて『レ・パティヌール』(『スケートをする人々』)のブルー・ガールを来年踊りますって言われて、あれはほんとにびっくりしました。初めての作品で観たことなかったんですけど、アシュトン振付のすごい可愛い舞台だったので踊っていてもすごく楽しかった。
一年に一度、モニカと2人だけで会ってお話をする機会があるのですが、その時は『眠れる森の美女』の妖精の役をカバーすることになるだろう、と言われていました。でも怪我人が多くて、私はいろいろと代役に名前は入っていたので、こうやって踊れることになって本当によかったです。

----次に踊る役で決まっているのですか。
高田 4月に『シンデレラ』の秋の精を踊ります。

----リハーサルはもうどんどんこなしているのでしょうか。
高田 そうなのですが、やることがすべて新しいことばかりなので。
かつてのロイヤル・バレエ団のプリンシパル・ダンサーとして活躍したレスリー・コリア先生は、リハーサルではとても優しいし、いつも笑顔です。
クリストフ・カー先生はレパートリーの振りをみんな覚えていますし、ロイヤル・バレエ団には必要な先生ですが、非常に厳しいです。ブルー・ガールの時に初めて直接教えていただきましたが、すべてに厳しかったですね。ステップなどもたいへん細かく指導していただきました。

----ロイヤル・バレエ団に入って一番感じたことはなんですか。
高田 やっぱり、毎日毎日ショーは続いていくじゃないですか。それにプロとして対応していかなければならない、ということですね。それを大切にしていかなければならいということです。日本にいた時は、1年に1回とか2回でしたが、ここでは毎日毎日お客さんに見せていくために、衣装を自分であげていくとか、健康管理もそうだし、全部プロフェッショナルにやっていかなければならなりません。研修生の時にいい経験をさせてもらって助かっています。それまでは生徒として扱われてきましたが、今ではそういったことが当たり前にできて当たり前の世界に入りました。

----お休みはいつですか。
高田 日曜日です。シーズンの途中で1週間のミニブレイクがあるんですけど、今度は日本に帰りました。その前に『眠れる森の美女』が5公演あって、母と先生が見に来てくれました。フロリナ王女を踊ったときも見に来ていただいて、その後、一緒に日本に帰りました。

----そうでしたか。ほんとうに順調で良かったですね。これからはこの機会を生かして素晴らしい活躍を大いに期待しています。