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[2008.10.10]

映画「ブロードウェイ・ブロードウェイ~コーラスラインにかける夢~」
高良結香さんインタビュー

映画「ブロードウェイ・ブロードウェイ~コーラスラインにかける夢~」
高良結香さんインタビュー

10月25日(土)より全国ロードショーとなる映画「ブロードウェイ・ブロードウェイ」。この映画はブロードウェイのオーディションのドキュメンタリー。 ミュージカル「コーラスライン」のオーディションに入ったカメラが応募者数3,000人、最終選考まで8ヶ月の激しき闘いを記録しています。「コーラスラ イン」さながらのダンサー達の本物の人生を垣間見ることのできる貴重な映像であるとともに、どんなに良くできたフィクションよりも観る者の心を動かす感動 の一本です。
今回はこの「コーラスライン」唯一の日本人キャスト高良結香さんにお話を聞くことができました。

----高良さんがブロードウェイでミュージカルに出演されるまでのことを教えて下さい。もともとブロードウェイを目指して渡米されたのですか?

高良結香(以下高良) いいえ。3歳からアメリカン・スクールだったので日本で高校を出て、大学に進むために渡米しました。ずっとアメリカンスクールだったので自然にアメリカへの進学を目指しました。

----ダンスや歌はいつごろから始められたのでしょうか?

高良 歌は3歳から。学校がクリスチャンスクールだったので自然に毎日賛美歌を歌っていました。 ダンスはクラシックバレエを5歳から始めてずっとやっていましたし、小さい頃は琉球舞踊もやっていたり。いろいろやっていました。

----クラシックバレエはお好きでしたか?

高良 大好きでした。いまでも大好きです。

----ニューヨークには進学のために渡られたということでしたが?

高良 大学進学のためにまずヴァージニアに行きました。トップが見たいと思ったのでニューヨークに。 車で、荷物で後ろが見えないくらいに荷物をつめこんで自分で運転して行きました。

------オーディションに受かるまではどのようなお仕事をされていたのですか?

高良 最初は外国人だし学生ビザだったので変なアルバイトとかしたくなかったんです。 それで(日本に)帰されたりしたら嫌だったし。親には1年は、と(援助を)お願いして毎日レッスンに明け暮れていていました。クラシックしかやったことが なかったのでモダン、ジャズ、バレエ、フラメンコに社交ダンス、もちろんシアターダンスもなんでもやりましたね。とりあえずなんでも吸収したくて、それが あったからニューヨークに出たのだと思います。 歌はポップスが大好きでしたけど、歌は別だと思っていたんですね。ニューヨークではじめてこれは一緒にしたら落ち着きのない自分にはぴったりだと(笑)気 がつきました。 以前から曲を作ったりしていましたが恥ずかしくて(外には)出せないと思っていたので・・・遠回りして今の自分(高良さんは歌手としてご活躍中です)にな れたと思います。 ブロードウェイが遠回りか!とか言われるんですけど(笑)自分の中では遠回りです。いい意味で。

----ではオーディションを受け始めたきっかけは?

高良 レッスンを毎日スタジオで受けていたら、先生や振付師の人たちが僕のこういうイベント、作品があるけどオーディションを受けて みない?と声がかかってやってみるというかんじでした。 その時はカンパニーワーク、コンサートダンスが多くてモダンとかジャズ、ヒップホップのカンパニーに入っていたり、アーティストのバックダンサーをしてい ました。でもニューヨークでビデオを撮ったりすることはいまだに少ないし(ほとんどロスなんですよ)、ヒップホップもやりたいけど今行くのは違うし、モダ ンダンスも好きだけどリハーサルが長いわりにはペイが低くて、電車賃にもならなかったり。やはり中途半端にアルバイトするのも嫌だったし。それでサラリー マンみたいになる?と思ったのがブロードウェイなんです。(このビジネスの中では)安定がある、働いたら保険もあるしーアメリカは(治療費が)高いんです よ!ー歌って踊るのも好きだし、やってみようと思いました。

------「コーラスライン」に出演されるまでにどんなミュージカルの舞台に立たれていたのでしょうか?

高良 「マンマ・ミーア」から「RENT」まで5作品に参加しました。

----ブロードウェイではまわりに日本の方はいらっしゃいましたか?

高良 オーディションとかでは会いますね。太平洋序曲(宮本亜門さん演出の)はアジア系なので、ふたり女の子がいました。でも多くはなかったですね。

----ところで高良さんがコニー役を得た決め手はなんだったのでしょうか?

高良 それは自分にはわからないですね。それは演出家やプロデューサーに聞いたほうが早いですね。でもよく聞かれるんです。
自分たちはベストをつくす以外、他のこと、審査することはコントロールできないんです。だから宿題をきちんとやってくること。宿題というのは筋トレしてー 自分はヨガとバレエが一番合うんですけどー体のメンテナンスをすること、プラス歌だったらいつでも歌っていてコニーが歌わなくてはいけないところは必ず覚 えて何回もリハーサルすること。台詞だったら何百回と読んでこの演技、この表現でいいのかひとつずつbreak downして考えていくこと。
それは本当に当たり前のことなんですね。
プラス「自分らしさ」を持っていかなくてはなりません。
誰みたいに素敵に踊ろう、誰みたいに素敵な演技をしようじゃボロがでちゃうと思うんですよ。
そういう人が(すでに)いるんだったら私はいらないし。
エレインと闘ってみてどうですか?と聞かれることがあるんですけど、エレインとは闘っていないし。最後は自分との闘いでそれはこの先も続いていくと思うんです。お互い(エレインも私も)精一杯がんばった。結果は向こうが出すのです。

-----舞台で演じるお仕事の魅力はなんでしょうか?

高良 魅力というより・・・愛しているからやるしかないんです。空気のようなものです。こうするしかないからやっているんです。
なんでやっているかと言えば、それだけ愛しているから。
長い間キャリアを続けている人ほど本物だと思います。
きらきらの衣裳が着たいからではなく、本当に愛していて誰にも負けたくないから舞台に立つのだと思います。

----- 今、日本にもたくさんいる舞台に立ちたいと頑張っている人たちにひとことお願いします。

高良 自分を信じて、夢を現実に変えていくということは自分が鍵を持っているってことを知って欲しい。
人生は短いし、今日が人生最後の日だったらどういうふうに悔いのないように生きるか考えて欲しい。
夢が12あっていまマイナス2の時点にいたとしても今日は何をしないといけないのかー今日は英語を学ばないといけないかもしれない、ダンスレッスンに行く のが精一杯かもしれない、ビデオを見るのが精一杯かもしれない。そうしてマイナス2がマイナス1.5になるように努力して、いつかやっと0になってスター トラインに立てる。baby stepsでいいと思うんです。でもそのエンジンをかけるのは自分なんです。誰のせいにしてもいけないし、何か言われても自分がやらなくてはいけない。
それであきらめるんだったら、愛していないと思うし、愛が浅い!(笑)だったらやらない方がいい。
誰にも負けたくないんだったら、人の3倍くらい努力するのは当たり前だと思います。
私もライブをするとき、ダンサー達に今日が最後のライブだと思って踊ってくださいっていいます。
たとえ明日、あさってとライブがあるとしても私もそのつもりで歌います。
そうやってみんなで頑張っていけたら素晴らしいものが生まれるのではないのでしょうか。

-----貴重なお時間をありがとうございました。

あいにくの雨の日、過密スケジュールとお聞きしていましたが 高良さんはスクリーンで観ていた時よりもさらに生き生きとされていて、こちらが元気をいただいたようなインタビューでした。 高良さんご出演の映画「ブロードウェイ・ブロードウェイ」についてはダンス・シネマでもご紹介しています。