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[2007.10.10]

現代舞踊協会「第28回選抜新人舞踊公演」出演者インタビュー

 10月4日(木)、5日(金)東京、日本橋劇場において社団法人現代舞踊協会主催の「選抜新人舞踊公演」が開催されました。 この公演はオーディションにより選抜された若い舞踊家による作品が上演される公演で、第28回となる今回は二夜にわたり37作品が上演されました。 この中から4名の振付家であり舞踊家である方にインタビューをすることができました。みなさんには5つの同じ質問を元にお話を伺いました。この公演の舞台写真とともにお伝えいたします。 (掲載はインタビュー順)

[ 質問 ]
1.現代舞踊を始められたきっかけは何ですか?
2.ご自分で振付をされるようになったきっかけはなんですか?
3.作品を創作される時にどんなものから影響を受けますか?
4.舞踊以外でお好きなものはなんですか?
5.将来の夢を聞かせて下さい。

1.池田美佳(吉沢蔦に師事)
 池田さんは長身でロングヘアーのかわいらしい女性。今回いちばん初めにお話を伺うことができました。 作品は「贖罪」。

---- 現代舞踊を始められたきっかけは何ですか?

池田 幼稚園年長の時にお友達のバレエの発表会を見て「踊りたい」と言ったらしいです。小学校一年生のときから踊り始めました。近くにあったのがモダンバレエの教室でしたのでそちらで始めました。

---- どうして踊りたいと思ったのでしょうか?

池田 小さい頃から身体を動かすのが好きだったからだと思います。
 

---- ご自分で振付をされるようになったきっかけはなんですか?

池田 大学3年生までは先生の振付で踊っていました。ずっと自分で振付してみたいと思っていたのですが、昨年の新人公演から振付をはじめたので今回が2作品目です。

---- 今回の作品はどのくらいの期間で創作されたのですか?

池田 6月くらいから作り始めました。 (補足:7月の頭にこの公演に出るためのオーディションがあります。まずそこにむけて作品を創作されるそうです)

---- 作品を創作される時にどんなものから影響を受けますか?

池田 私の場合はまず曲から入ります。曲からテーマを考えて行きます。それから振りを考えて最後にタイトルを付けます。 とにかく音がいちばん最初で、そこから雰囲気をふくらませて行き、必要であれば絵や写真を探してみたりしてイメージをふくらませて自分がその物語の中の人 になるようにして行きます。 今回の場合は曲を聴いて自分で詩を作って、そこからも又イメージを作って行きました。

---- 普段、他の舞台をご覧になったりはされますか?

池田 舞台を見るのがすきなので現代舞踊、コンテンポラリー、ミュージカルなど毎週のように舞台を観に行きます。そこがレッスンと同じくらい大事な一番の勉強の場だと思っています。 舞台を観ながら(ただ観ているだけではなく、)自分もその舞台の空間に踊らせて舞台での立ち方とか「この人はなんで存在感があるんだろう?」とかいろいろなことを考えています。

---- 舞踊以外でお好きなものはなんですか?

池田 音楽が好きです。聞きながら勝手に(笑)踊ったりしています。

---- 将来の夢を聞かせて下さい。

池田 具体的には決まっていないのですが、ずっと踊り続けて行きたい。どんどん目標が高くなっていくので現実との差を埋めている最中です。

新人公演は振付、照明などいろいろなことを勉強する場、という先生の言葉に 「本当に勉強になるんです」とつぶやいた池田さん。舞台では白っぽい軽やかな衣裳とロングヘアーでしたが、力強い動きでインタビューの時との違いがとても印象的でした。

2.富士奈津子(金井桃枝舞踊研究所所属)
 富士さんは今回お話をいただいた4名の方の中で唯一、複数のダンサー(富士さん、呉松綾子さん、瀧澤悠紀さんの3名)が出演する作品を上演されました。 作品は「雨の鬱金香(チューリップ)」。

---- 現代舞踊を始められたきっかけは何ですか?

富士 母親が先生をしていてその影響です。おなかに入っているときから母と一緒に稽古場にいたと思います。 踊るのが小さいときから好きで、お姉さんたちのまねをしながらおむつをしたまま踊っていました。
 
---- ご自分で振付をされるようになったきっかけはなんですか?

富士 自分が出演しない作品を創るのも好きで、いろいろな人に踊ったものも含めると数え切れないのですが、10代の後半くらいから創作にも興味を持って少しずつ作り始めました。

---- 作品を創作される時にどんなものから影響を受けますか?

富士 ダンサー達から影響を受けることもありますし、読んでいる本だったり音楽だったり、だいたい自分がこの年で感じることからだと思います。

---- 今回の作品はどのように創作されたのですか?

富士 終わりの風船を割るところから考えました。 題名を考えた時に大きい風船を割りたい、と思いました。

---- ソロと群舞、両方されていると思うのですが、どちらがお好きですか?

富士 群舞だとどうしても自分のことがおろそかになるので、ダンサーとしての自分を見せるのはソロの方がいいかと思うのですが、群舞でそれぞれの役(キャラクター)を与えていくのもとても好きです。

---- 今回共演されるお二人はどのように選ばれたのですか?

富士 年齢が近いのと、同じスタジオで小さいときから一緒に(3歳、4歳から)踊っている人で仲がいいんです。言わなくてもわかることがたくさんあるし、言いたいことも言えますし。

---- 今回の作品はどのくらいの期間で創作されたのですか?

富士 去年の今くらいから私の頭のなかにはありました。完成は・・・今日の本番でできるといいのですが(笑)。

---- 舞踊以外でお好きなものはなんですか?

富士 絵を描くことです。踊りに関することでしたら衣裳の絵を書いたり、音を創ったりもします。

---- みんな踊りにつながっているのですね。

富士
 そうですね。物づくりが結構好きです。

---- 将来の夢を聞かせて下さい。

富士 漠然と目の前にあるのは母のサポートです。 また自分がダンサーとして、自分にもまわりにも負けないで「富士奈津子」というひとりのダンサーとしてありたいなと思います。

ゲネプロで作品を拝見した際、登場したあかい植木鉢を 「自分たちで色を塗って、電車で持ってきました」と答えてくれた富士さん。 装置を使うのが結構好き、椅子ひとつにしても会話をするのが好きという富士さんの作品は3人のダンサーがそれぞれの役を演じる、さらに物さえも存在感のあ る舞台でした。

3.立石樹乃(中村しんじ・川野眞子・立石美智子に師事)
 立石さんは普段四国、高知県で活動をされています。前日に飛行機で移動されたとのこと。 作品は「La Japonaise」。

---- 現代舞踊を始められたきっかけは何ですか?

立石 母親が舞踊家で小さい頃は見ているだけでした。だんだん発表会を見に行くようになって、踊りたくなって。小学校5年生の時に始めました。

---- ご自分で振付をされるようになったきっかけはなんですか?

立石 現代舞踊会協会の「アンデパンダン新人舞踊展」に20歳の時に出てみようと思って始めました。
 

---- 今回で何作品目になりますか?

立石 6~7作品目になると思います。

---- ソロと振付するのはどちらがお好きですか?

立石 どちらも自分のやりたいことをしているので楽しいです。発表会で3歳から高校生くらいまでの人に振付たことがあります。

---- 作品を創作される時にどんなものから影響を受けますか?音楽が先にあるんですか?

立石 気に入った音楽があった時とか、映画や雑誌から雰囲気を見つけたりします。 今回は絵の本をみていて「あっ」と思って目が止まったものがあって、全然違う音楽、その音楽自体が好きで以前子供の振付をしたことのあるものがあって、たまたまそれが一致して自分のソロが出来そうだなと思いました。

---- 舞踊以外でお好きなものは何ですか?

立石 時間が、暇がたくさんある時は、縫い物したりするのが好きです。

---- 将来の夢を聞かせてください。

立石  小さなことしかないような気がするのですが・・・旅行はいつもしてみたいなと思っています。高知の市内に住んでいあるのですが、高知はとても広くて隅まで 行こうとすると車で4時間くらいかかってしまうので、あまり行ったことがないんです。飛行機で東京に行く方が近いくらい。だから時間ができたら見て回りた いね、と昨日母と飛行機の中で話していたところなんです。

---- 今日の公演の後、舞踊に関しての目標などありますか?

立石 2年前から母と地元で作品を創るようになって2作品を創ったところです。3回目の作品創りが目標です。

インタビューにひとつひとつ言葉を選んで丁寧に答えて下さった立石さん。舞台では真っ赤な衣裳に扇や着物が登場し、くっきりとした色彩の舞台を見せて下さいました。

4.山中ひさの(坂本秀子舞踊団所属)

 山中さんは明るい金色の髪を舞台用にセットし、シャープな印象でしたがとてもかわいらしい声の女性です。 作品は「朽ちる眼蓋(まぶた)」。

---- 現代舞踊を始められたきっかけは何ですか?

山中
 地元が京都なんですけれども、祖母の知り合いが先生をしていらしてその関係で通うようになりました。モダンバレエです。3歳からです。

---- 3歳の頃のこと覚えていらっしゃいますか?

山中 自分で行きたいと言った訳ではないので嫌で、お稽古場には行くのですが母親から離れないでお姉さんの踊るのをじっと見るだけでした。 それで家に帰ってからこっそり踊っていました。(笑)
 

---- ご自分で振付をされるようになったきっかけはなんですか?

山中 お稽古場の方針もあり、上のお姉さんを見ていてコンクールに出たいなと思いました。基本的に自分で振付をしてそれを先生に見ていただくというスタイルなんです。

---- 今回で何作品目になりますか?

山中 8~9作品目だと思います。

---- 作品を創作される時にどんなものから影響を受けますか?

山中 「絵」と「本」から入ることが多いですね。直接関係なくても小説とかを読んでいて、そこから勝手に自分が想像したものを創ることが多 いです。もちろんそのお話の人がやりたくて、題材を借りてきたりすることもあるのですが、様子がおかしいというか変わった人が出てくる小説とかで「この人 だったらこういうこともあるかもしれないな」という「こういうこと」を勝手に想像して創ることが多いです。

---- その場合の踊りの第一歩はどのように始まるのですか?

山中 動いてみて、その次に探すのが「音」なので、音の始まり方や雰囲気を聞くことが多いです。

---- 今回の作品はとても印象的なタイトルですが、どの段階で決められたのですか?

山中 今回は一番最初に内容と題名が同時に出てきました。

---- 舞踊以外でお好きなものはなんですか?

山中 演劇を観るのが好きです。鈴木裕美さんや蜷川幸雄さんの作品が好きです。

----将来の夢を聞かせて下さい。

山中 まだ探しているのですが、何かしら踊りに関わって行きたいと思っています。

「衣裳さんにイメージを話して作っていただいた」という衣裳に独特のメイクで迫力のある舞台を見せて下さった山中さん。
お話を伺った時と、舞台の上とはまるで別人のようで新鮮な驚きを与えて下さいました。

4名のお話、作品を比べてみても何一つ同じ物はなく、現代舞踊というジャンルの今後が楽しみになる2日間でした。

今後の現代舞踊公演につきましてはダンスキューブのステージ情報でも随時ご紹介して行きます。
詳しくは(社)現代舞踊協会のホームページもご覧下さい。
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/modance/