インタビュー&レポート

インタビュー: 最新の記事

インタビュー: 月別アーカイブ

関口 紘一
[2011.08.26]

ミュージカル『ロミオとジュリエット』で「死」を踊るダンサー、中島周と大貫勇輔が語った

フランスのジェラール・プレスギュルヴィックがミュージカルにして大ヒットし、世界で500万人以上を動員したという、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』。
小池修一郎が潤色・演出するこの舞台の日本オリジナル・ヴァージョンは、ロミオ役が城田優と山崎育三郎、ジュリエット役は500名を超えるオーディションを勝ち抜いた崑夏美とフランク莉奈のダブルキャストで、9月7日の初日に向けて熱いリハーサルが進行している。
このヴァージョンは、ロミオと対立するティボルトが秘かにジュリエットを愛しているばかりでなく、キャピュレット夫人とも関係を持っているのではないか、と思わせるなどの新しい解釈がありたいへん興味深い。
そしてダンスは、安室奈美恵、SMAP、AKB48などのアーティストのPVやコンサートの振付、舞台『GQ』の演出・振付を手掛けるなどの活躍をみせているTETSUHARUの振付。男女15名ずつのダンサーを配して迫力あるダンス・シーンを展開するが、「死」を表すダンサーが登場してこの作品に独特の雰囲気を醸す。短時日のうちに激しく変転する悲劇のすべてを支配しているかのような「死」は、東京バレエ団でベジャール、ノイマイヤー作品などを踊った中島周とストリート系からジャズ、バレエ、コンテンポラリー、アクロバットなどジャンルを越えて活動する大貫勇輔のダブルキャスト。「死」を踊る二人のダンサーが、この役について語ってくれた。

中島 周「これまで僕はバレエの『ロミオとジュリエット』を踊ったことはないけれど非常に関心があって、マクミランやクランコ、ノイマイヤーなどいろいろなヴァージョンを観ています。おそらく『ロミオとジュリエット』は、客席から一番多く観た作品だと思います。それで今回踊るのは何かの縁というより、「踊らされている」「やらされている」というような運命的なものさえ感じています。「死」という抽象的な役を踊りますが、名前があってこういう生い立ちで、という具体的な役より僕は踊り易いし好きです。東京バレエ団時代にベジャール作品などを踊らせてもらっていたことが影響しているのかもしれません。今まで踊ってきたベジャールやノイマイヤー、キリアンなどは芸術性の高いバレエで、今回の舞台はどちらかというとエンターテイメントの要素が強いと思います。しかし小池修一郎先生とTETSUHARUさんが創り出す世界です。歌も芝居もダンスもたくさんあって、大変バランスのとれた良い舞台になると思います。TETSUHARUさんの振付を踊るのは『GQ』以来二回目ですが、非常に音の取り方が巧みですし、様々なジャンルのダンスを融合する力のある方でとても踊りやすいので、自分自身も期待しています」

1108umeda01.jpg中島周 PHOTO BY LESLIE KEE

大貫 勇輔「ぼくはダンスはジャズダンスから始めて、バレエは5、6年やってます。今回の「死」の役は抽象的な概念を擬人化して、人間の身体で表現していくものですが、こうした役は今まではあまり踊ったことはありません。強いていえば、バッカス神々を踊ったことがあるかな。「死」というとネガティブに感じる方がいるかもしれませんが、ぼくは命あるものにはみんな死があるし、命を創っているのは死ですから、両方の意味があると思います。「死」はすべてを見透して未来を知っていて、舞台には多面的に現れると思います。『ロミオとジュリエット』はいろいろな作品がありますけど、今回の舞台は、ジュリエットの母が甥のティボルトと関係があったり、そのティボルトがジュリエットを好きだったりしてキャピュレット家側に近親相姦的な状況があって、ティボルトのロミオへの憎しみが強く浮き彫りにされていて分かりやすいし、ダンスシーンには凄い迫力があります。TETSUHARUさんの振付で踊るのは、今回が4回目かな。大いに期待して頂きたいですね」

1108umeda02.jpg大貫勇輔 PHOTO BY LESLIE KEE

ミュージカル『ロミオとジュリエット』は、9月7日東京、赤坂ACTシアターで、10月8日大阪、梅田芸術劇場で幕を開ける。

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』

●9/7(水)〜10/20(木)
●潤色・演出=小池修一郎
●出演=
[ロミオ(ダブルキャスト)]城田優/山崎育三郎
[ジュリエット]昆夏美/フランク莉奈
[ベンヴォーリオ]浦井健治
[ティボルト(ダブルキャスト)]上原理生/平方元基
[マーキューシオ(ダブルキャスト)]良知真次/石井一彰
[パリス]岡田亮輔
[キャピュレット卿]石川禅
[ロレンス神父]安崎求
[モンタギュー夫人]大鳥れい
[ヴェローナ大公]中山昇
[乳母]未来優希
[キャピュレット夫人]涼風真世
[死のダンサー(ダブルキャスト)]中島周/大貫勇輔
●お問い合せ=公式サイト http://romeo-juliette.com/

<東京>
●9/7(水)〜10/2(日)
●赤坂ACTシアター
●S席13,000円/A席9,000円
●開演時間=7・8・30日18:30、月・木・金・日・祝13:30、18・23・土12:30/17:30、水13:30/18:30、火曜休演

<大阪>
●10/8(土)〜20(木)
●梅田芸術劇場 メインホール
●S席13,000円/A席8,000円/B席4,000円
●開演時間=8日16:00、12・土・日・祝12:30/17:30、17・木・金13:00、火曜休演