【大人のダンス〜 Q&A編 〜 】Vol.3『ストレッチと体幹の話』

『大人からはじめたダンサーに、長くダンスをたのしんでもらえるよう、ダンサー KaQがとっておきのコツを教えます♪』

さまざまなダンスを踊るダンサーKaQだからこそ伝えられる効果的なストレッチ方法や身体づくりに役立つ情報をおとどけします。


ストレッチをしてもなかなかやわらかくならない、効果を実感できない。
そう悩んでいる方は多いと思います。

筋肉はなるべく定期的にやらないとなかなかやわらかくならないし、とはいえ、毎日やるのも大変でついつい後回しに...。
そしてストレッチの時間がいつしか「早く終わって欲しい」ものになってしまったり。
うん、もったいないですね!
ストレッチはやり方さえまちがえなければ気持ちよくできるものだし、しっかり効果も実感できるようになります!!

そんな観点で今まで『骨盤』『呼吸』をキーワードにお伝えしてきましたが、今回は『体幹』をポイントにやわらかくなるストレッチの話をしたいと思います。

『体幹』


『体幹』という言葉、ここ10年ほどよく聞くようになりました。
では、体幹とは一体何をさすのでしょうか?
まずはしっかり定義を考えてみたいと思います。

体幹とは?


『体幹』は体(からだ)の幹(みき)のこと。
身体を大きな街路樹だと思ってイメージしてみてください。
地面から、土を足の指で掴むように根がしっかりと張り、その上に大きな幹が真っ直ぐ天に向かってニョキニョキ伸びる。
ある程度の高さまでいくと、まるで大きく広げた腕のように枝が横に伸びて、その先には手の平のように葉が広がっています。
街路樹でいうとこの幹の部分はかたくて曲がりにくいものですが、人の身体の場合はこの幹の部分はたくさんの骨と筋肉とそのほか(内臓など)でできていて、いろいろな方向に曲がるようにできています
そして、この胴体の部分の動きを筋肉を締めたりゆるめたりすることで、かたくもやわらかくもできるのが人の身体の素晴らしいところ!

例えば、今の私みたいにパソコンに向かって原稿を書いているときは、少し背中側を丸くしていますし、電車に乗っているときはなるべく揺られないように、身体を真っ直ぐに伸ばしていますよね。
つまり、『体幹』というのは胴体を動かす/動かさないための筋肉群のことになります。
ダンスをやっている人なら『』という用語は必ず先生から聞いたことがあると思いますが、この『軸』は背骨を、背骨の周りの筋肉が一本の棒のように伸ばしてくれている状態のことです。
体幹の力を抜けば『軸』はなくなりますね。
この『体幹』をうまく意識できるようになるとストレッチの効果を高めることができるし、自分でそれを感じられるようにもなります!!

もっとくわしく!

前回の椅子に座って行う首のストレッチを例にとって説明してみましょう。

このとき、"首を倒しているのと反対側の肩が上がらないよう"と注意してもらっています。これはなぜでしょうか。 

このストレッチで伸ばしたいのは首の側面についている筋肉です。
首の頭側の付け根と肩側の付け根が一番引っ張られるようにすると、ストレッチの効果は最大になります。ところが、反対側の肩が一緒に上がってきてしまうと首筋を伸ばす効果は薄れ、その代わりに脇腹が少し伸びるようになります。

こうやって「効果が薄れ」てしまうやり方が実はストレッチがうまくいかない一因なのです。
鏡を見ながらこのストレッチをぜひ試してみてください。
反対側の肩を意識するかどうかで、伸ばされる感覚がまったくちがってくるはずです。
そして、この体幹を感じられるようになれば、やわらかくなっていく実感をより手に入れることができるようになります。

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なかなか感じられない場合は、肩の上に手を置いて腕の力で下に押し下げるのもいいかもしれませんね!

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右肩が上がってしまわないように注意しましょう。


例えば、この「首ストレッチの場合」、柔軟性がついたかどうかは
反対側の肩が上がらないようにした状態でどれだけの角度で首を倒せるようになったか
という風に視覚化できるからです。
この『動かさない肩』を基準にしてそこからどれだけ首を倒せるかを自分の目で確認していくことで、以前の自分よりもやわらかくなっていくのがやっとわかるようになるんです。

『肩』は『体幹』の一部ですね。

こうやって伸ばしたい部位/引っ張られている部位と反対側の方向の力を体幹の筋肉をコントロールしてつくることで、ほんの少しの動きでも効果的にストレッチ効果を得ることができるようになるのです!

では どうやったら体幹の筋肉を意識できるようになるのでしょうか?
このクエスチョンを How To 編で取り上げてみたいと思います。

更新をお楽しみに!

 

 

 

 

ライター: KaQ / 羽祢田核(はねだ かく)

国立大学生物学科在学中にダンスにのめり込み卒業後、ダンサーとして大手テーマパークで活躍。
その後は舞台やコンサートに出演し2014年『ブエノスアイレス午前零時』出演を機に、2015年よりアルゼンチンタンゴを本格的に始める。
現在は清澄白河でStudioENTRADAを主宰し、キッズダンス・大人向け各種クラス・アルゼンチンタンゴなどを、4歳から74歳まで幅広い世代に向けて教えている。
ジャズ・ヒップホップ・サルサ・タンゴなど様々なジャンルの経験と理系的なセンスで組み立てたレッスンは、わかりやすく他にはない独特の切り口を持つ。

日本アルゼンチンタンゴ連盟認定インストルクトール
江東区立深川小学校HipHop講師
2017年Chacottダンスキューブ勝どきスタジオパフォーマンス出演


StudioENTRADA公式Webサイト

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【大人のダンス】

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