【大人のダンス〜 Q&A編 〜 】Vol.2『どうして呼吸が大事なの?』
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『大人からはじめたダンサーに、長くダンスをたのしんでもらえるよう、ダンサー KaQがとっておきのコツを教えます♪』
さまざまなダンスを踊るダンサーKaQだからこそ伝えられる効果的なストレッチ方法や身体づくりに役立つ情報をおとどけします。
『呼吸』
ストレッチのときに「必ず呼吸をして!」といわれたことはありませんか?
踊っているときに「呼吸忘れているよ!」っていわれることもありますね。
そんなわけでこんなQ&Aを書いていきたいと思います。
はい。お答えします!
(1)ストレッチのときに呼吸してっていわれるのはどうして?
ストレッチには、大きく分けて2つ目的があります。
・筋肉をほぐしてリラックスする
そして、力を入れ続けていると筋繊維が縮んでいる状態が続き柔軟性がなくなります。
いわゆる"凝っている"状態ですね。
ところが筋肉は実は「伸びる」ことができません。
縮めた筋肉を元に戻そうと思っても、筋繊維は収縮できても伸長はできないんです。
そのかわりにできるのが「ゆるむ」こと。
「縮もう」とする神経の命令がなくなると自然に筋繊維がゆるんで元の長さに戻っていきます。
(2)踊っているとついつい呼吸するのを忘れてしまうのはどうして?
レッスンで踊るとき、それが慣れない動きだと身体に必要以上の力が入ってしまいますね。そうすると呼吸に使うための筋肉も収縮してかためてしまいます。
呼吸自体は、肺という大きな袋を横隔膜という筋肉などを使って広げる動きなので、上半身をかためてしまうとそれだけ袋に空気が入っていきません。
それで息が吸いづらくなったり止まってしまったりするのです。
(3)呼吸ってそもそも何で必要なの?
呼吸のメカニズム
肺を膨らませ空気を取り入れる
↓
肺の中で血中に空気中の酸素を取り込む
↓
血液に溶けた酸素が赤血球と心臓のポンプの働きで全身に運ばれる
↓
全身の細胞一つ一つがエネルギーを生み出す化学反応に酸素を使う
↓
生み出したエネルギーでさまざまな生命活動を行う
↓
化学反応が起こると二酸化炭素が生まれる
↓
二酸化炭素は体内では活用できないので赤血球と心臓のポンプの働きで肺に運ばれる
↓
二酸化炭素が肺の中に吐き出される
↓
肺を潰して空気を吐き出す
そして踊るときに呼吸が必要な大事な理由がもう一つあります。
「交感神経」は活動するときに活発になる神経のことなのですが、
「副交感神経」はその逆で休むときに活発になる神経。
ダンスで使われる、伸びやかでやわらかい動きは、必要な筋肉以外がなるべくゆるんでいたほうがいい。副交感神経が優位で身体がリラックスしていたほうがいいんです。
そのためには、ただ呼吸をすればいいわけではなくて、『腹式呼吸』をする必要があります。
ライター: KaQ / 羽祢田核(はねだ かく)
国立大学生物学科在学中にダンスにのめり込み卒業後、ダンサーとして大手テーマパークで活躍。
その後は舞台やコンサートに出演し2014年『ブエノスアイレス午前零時』出演を機に、2015年よりアルゼンチンタンゴを本格的に始める。
現在は清澄白河でStudioENTRADAを主宰し、キッズダンス・大人向け各種クラス・アルゼンチンタンゴなどを、4歳から74歳まで幅広い世代に向けて教えている。
ジャズ・ヒップホップ・サルサ・タンゴなど様々なジャンルの経験と理系的なセンスで組み立てたレッスンは、わかりやすく他にはない独特の切り口を持つ。
日本アルゼンチンタンゴ連盟認定インストルクトール
江東区立深川小学校HipHop講師
2017年Chacottダンスキューブ勝どきスタジオパフォーマンス出演