【大人のダンス〜 How To編 〜 】Vol.2『どうして呼吸が大事なの?』

『大人からはじめたダンサーに、長くダンスをたのしんでもらえるよう、ダンサー KaQがとっておきのコツを教えます♪』

さまざまなダンスを踊るダンサーKaQだからこそ伝えられる効果的なストレッチ方法や身体づくりに役立つ情報をおとどけします。


Q&A編
では、ダンスにおける『呼吸』の役割と、ダンスに必要な『呼吸』は『腹式呼吸』であることをお伝えしました。 


生きていく上でも、ストレッチする上でも、踊る上でも、とにかく大事な『呼吸』。
How Toではその『呼吸』をかんたんに実践できる方法をお伝えします。


まずは『呼吸=腹式呼吸(深呼吸)』を正しくできるようにします



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正しく腹式呼吸!

腹式呼吸の練習方法 ~その1~姿勢を意識する

 

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床に寝た状態で腰の後ろに手を差し込みます。
何もしないとこの部分は少し床から浮いているので、その隙間が潰れるように(=自分の指先にお腹の重さを感じるように力を入れます。)

その状態でおへそが上に膨らんでいくように呼吸をしていきます。
呼吸は、鼻から吸って口から吐きましょう
空気を鼻の奥まで吸い込んで背中から空気が入り込んでくるようなイメージで吸うと、腹筋がしっかり動いてくれます。

お腹が先に膨らめば胸が広がったり肩が少し上がっても大丈夫。

これで腹式呼吸の感覚をつかんだら、あとは座っても立っても大丈夫です。好きな姿勢で続けてください。

腹式呼吸の練習方法 ~その2~呼吸法を練習する

  

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おへそが上に膨らんでいくように鼻から吸います

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上半身を丸めて口から吐ききりましょう

腹式呼吸は、吐く息が長いほうがうまくいきます。

最初は8カウントで息を吸って、2倍の16カウントで息を吐き続けるようにしましょう。

吐く息がなくなっても上半身を丸めてとにかく肺から空気を全部追い出してください。
ここをがんばると、次に楽に大きく息を吸うことができます。

4セット繰り返して、吸う/吐くどちらも肺の動きを少しずつ大きくしていってください。

その次は間隔を短く、4カウントで吸って12カウントで吐きます
思いっきり吸い上げて、息をより強く遠くに吐き出します。

 

『呼吸』は『呼』+『吸』、吸うことを呼ぶ(促す)ために、吐くほうをはっきりできるのが大事です。
これができたら、腹式呼吸をさまざまな場面で使っていきます。

  

腹式呼吸を使ってみよう! 

 

柔軟性アップのために呼吸を使う

ストレッチのときに腹式呼吸をすることで、痛みを軽減して筋肉を伸ばすことができます。
前回取り上げた開脚ストレッチをすべてしっかり腹式呼吸をしながらやってみます。
このときにこんなことを意識するとより効果的です。

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息を吸って

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吐きながら身体を倒します

  

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吸いながら少し身体を戻します

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吐きながらまた身体を倒していきます


吐く息に合わせて身体を倒していき、吸う息に合わせて少し身体を戻します。
ずっと引っ張り続けるのも身体にとってはストレスなので、息を吐いてリラックスしながら筋肉を伸ばして、吸うときは少し角度を戻して休憩させます。
こうすることで、呼吸のたびに角度が増していきますよ。

身体の力を抜くために呼吸を使う

 
これは最初はクロスフロアのときに練習したほうがいいかもしれません。
例えば左右のシェネ、一つの動きの終わりで必ず息を吐きます。

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息を止めている状態

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息を吐いた状態

慣れないとここで息を止めてしまいがちですが、しっかりはっきり吐いて
吐きながら、膝・肘・肩などの関節がゆるんでいくのを意識しましょう。
切り返して、次の動きをするときに吐くのをやめると自然に息を吸うことができます。
慣れてきたら、切り返し毎ではなくて、2 - 3回シェネをする間ずっと吐き続けて、息がもたなくなったら吸うのに切り替える、という風にしていくと、リラックスしたままさまざまな動きができるようになります。

強く力を使うために呼吸を使う


実はリラックスだけでなくて、力を集中させるときにも呼吸を使います。
動きによって吸う/吐くどちらも使いますが、力を集中させたいときには、長いカウントでしていた腹式呼吸を、1-2カウントくらいまで縮めます
一瞬で吐き出す/吸い込むに動きを合わせると、より1つの動きに力を集中できるようになります。
よいパフォーマンスには身体の各部/筋肉が連動して動くことが大事ですが、『腹式呼吸』は全身の筋肉を連動して行うものなので、これがしっかりできているとほかの動作の連動性も飛躍的に高まります。
最初は、筋トレやバーレッスンのときに動作と呼吸を合わせることを意識し、それを振付で踊るときに活かせるようにしていくといいと思います。

これを読んでいる間にも意識していないけどずっと『呼吸』をしていると思います。
何も考えなくても、寝ているときでも生きていけるように身体はそういう進化をしてきているんですね。
でも、無意識にしている呼吸を意識して使いこなせると、1つ上のレベルで身体を使いこなせるようになります。
レッスンを受けるときは、ぜひ自分の『呼吸』のことも意識してみてくださいね♪



ストレッチのときに呼吸してっていわれるのはどうして?

Q&A編を読む

  

体験の声

いつも「身体がかたいから痛い!」と痛くなったらすぐ諦めてしまっていたので、ここまで身体を倒せることに感動です!
踊るときもつい、呼吸を忘れて常にかたい踊りになってしまうのが悩みだったので、呼吸を意識しながらレッスンしてみたいと思います!

KaQ / 羽祢田核

国立大学生物学科在学中にダンスにのめり込み卒業後、ダンサーとして大手テーマパークで活躍。
その後は舞台やコンサートに出演し2014年『ブエノスアイレス午前零時』出演を機に、2015年よりアルゼンチンタンゴを本格的に始める。
現在は清澄白河でStudioENTRADAを主宰し、キッズダンス・大人向け各種クラス・アルゼンチンタンゴなどを、4歳から74歳まで幅広い世代に向けて教えている。
ジャズ・ヒップホップ・サルサ・タンゴなど様々なジャンルの経験と理系的なセンスで組み立てたレッスンは、わかりやすく他にはない独特の切り口を持つ。

日本アルゼンチンタンゴ連盟認定インストルクトール
江東区立深川小学校HipHop講師
2017年Chacottダンスキューブ勝どきスタジオパフォーマンス出演


StudioENTRADA公式Webサイト

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