マシュー・ボーンの『シザーハンズ』イギリス公演が始まりました!

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Liam Mower and Katrina Lyndon
Rehearsal Images by Johan Persson

マシュー・ボーンの『シザーハンズ』イギリス公演が始まりました!
ロンドンでの4週間のリハーサルが終わり、全員2役か3役を覚え最後に3グループに別れて(3役をやる人は3つのグループに入っています。)通しました。
とても良いエネルギーでそれぞれの課題も見えてよかったです。

マシューのノートもとても的確で、これからもっとキャラクターを掘り下げて同じエドワードに拍手をするのでも、このキャラクターだとどう拍手するか? 何故この動きでここに立ち、ここでこのリアクションをするのかも考えるように全員言われました。
また、新たな発見も見えてくるだろうから、「この役はここでこうしよう」と決めないようにも。もちろん、ダンスはしっかり、そしてカウントはしっかり持つようにとも。

私は、メインのエドワードを街に連れて行くペグ役と宗教家のエスメラルダ役の2つを演じます。
スタジオでの通し稽古で一番心配していた体力は大丈夫でしたが、脳が・・・!
毎朝10時から5時半、あるいは8時半までリハがあると夕方になると脳が疲れてくるのですが、これもだんだん老化していく脳にとって良いと思い頑張りました!

カンパニーのみんなからは、とても親切にされ、私が天然なので笑われていましたが、キム役のアシュリーから「真実の演技に惹きつけられた」ミュージカル『ビリーエリオット』で主役のビリーを演じ、今はメインのエドワードを演じるリーアムにも「さすが、素晴らしい!」と。今一番輝いている後輩達に言われるのは嬉しかったです。
ただ、あまりにも親切に扱われ、長い廊下をスタジオへ着くまでに「おはよう、マミ。体調はどう?」「体はどう?」「元気?」などずっと聞かれながら辿り着くので、スタジオに着いた時には病院に着いた感じでした(笑)

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Mami Tomotani, Perreira De Jesus Franque, Reece Causton, Molly Shaw-Downie  Rehearsal Images by Johan Persson

ミュージカルやお芝居ではあることですが、大きなダンスカンパニーで35歳や40歳ぐらいまでの現役のダンサーはいるかもしれませんが、さすがに50代で一緒に踊る作品は少なく今回は、20代、30代、40代(40代の男性陣が数名この作品のために戻ってきました。)そして私とエタが50代なので、こんな年齢幅のあるメンバーが集まるのは初めてです。始める前にマシューともそのことについて話しましたが、皆がそれぞれ全部持っているものをシェアすると良いと言っていました。

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New Adventures Company Members
Rehearsal Images by Johan Persson

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Liam Mower and New Adventures Company Members
Rehearsal Images by Johan Persson

これから汽車で3時間ほどのプリマスの劇場でテクニカルリハが1週間あり、2週目から公演が始まります。3週目はサッカーでも有名なマンチエスターで舞台があり4週目からロンドンのサドラーズ劇場です!

宗教家のエスメラルダ役は、初めて演じますが、とても面白いです!
他の役とスピードも違いゆっくり動き、厳格なキャラクターです。全てが「デビルに繋がっている」と思って周りを見るように・・・と演出家から言われています。最後のシーン、エドワードのハサミをキム(ヒロイン役)から見せられる時でもそれぞれの家族は思い直したり、後悔したりと自由に演じているのですが、私の役である宗教家はマシューから「私たちは合っていた! やはりエドワードは悪魔に繋がっている。」と演じるように言われ、キムと見つめあう場面も厳格に演じています。もちろん、50年代のアメリカという設定のこのマシュー作品の世界からかけ離れないようにしながら。
私が初演で演じていた(肥った体に見せるため)肉じゅばんを着て、タバコやビールを持っているグラブファミリーは、ゲイカップルに変更され新たなキャラクターとして衣装も違い男性陣が演じています。

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New Adventures Company Members  Rehearsal Images by Johan Persson

これから長いツアーが始まります。
「踊りある記」では、ツアー先の様子やどうやってダンサー達がイギリスツアーをしているかなど少しずつ書きますね。

最後に、マシュー・ボーンの『ロミオとジュリエット』の日本公演のチケット一般販売は12月6日からです! 自分へのあるいは友人、家族へのクリスマスや新年のプレゼントに最高と思います!
下記のウエブサイトからどうぞ。
https://horipro-stage.jp/stage/mbrj2024/

2023年も「踊りある記」のコメント、感想、応援などインスタグラム、Facebookやツイッターでお寄せくださりどうもありがとうございました。
暖かくして楽しいクリスマス、年末をお過ごしください。

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

福岡シティ川添バレエ学苑、三ノ上万由美バレエスタジオでバレエを黒田バレエスクールにてコン テンポラリーダンスを学ぶ。
15 歳で劇団四季合格し、ミューシカルで活躍後、英国マシュー・ボーンのニュー・アドベンチャーズに日本人として初めて入団。「くるみ割り人形」では主役クララを演じ、 「エドワード・シザーハンズ」「Highland Fling」(愛と幻想のシルフィード)、トニー賞 受賞の「白鳥の湖」「カーマン」 「眠りの森の美女」出演。 現在は、マシュー・ボーンのインターナショナルツアーの「前座公演」振付、ワークシ ョップを担当。2023 年―2024 年は「エドワード・シザーハンズ」イギリス公演に出演 する。
また、「ハリー・ポッターと呪いの子」日本アソシエイトムーブメントディレクター 担当。最近では NY のアーティスト、Kazue Taguchi の作品で NY の The Museum of Art and Design で踊り、福岡美術館でバンドネオン演奏者、川波幸恵とのコラボで踊った。
振付家として N.Y の全米 No.1 のミュージカル「フェーム」のモデルにもなったラガー ディア芸術高校で「サウンド・オブ・ミュージック」や芝居の「プライドと偏見」「キ ルトに綴る愛」「Compleat Female Stage Beauty」振付で活躍中。 ピッツバーグ大学の「Zanna Don't!」振付やコンテンポラリーのコンクール作品振付で は、NY の NYDA/Hariyama Ballet の二名のダンサー達が銀賞を受賞。YAGP N.Y でもトッ プ 12 入賞。2019 年には、国際バレエコンクールで 1 位と 4 位を受賞。 振付助手としては 2021 年、ホリプロミュージカル、マリア・フリードマン演出、振付 家ティム•ジャクソン「メリリー・ウィー・ロール・アロング」の 1 幕を担当。マシュ ー・ボーンの「ドリアングレイ」日本公演のリハーサルアシスタントも経験した。
ブロードウェイミュージカルを学ぶ NY のプログラム「Mid Manhattan Performing Arts」 芸術監督。
マイズナーテクニックで有名な「ネイバーフッド・プレイハウス
」、N.Y の Hariyama Ballet、でコンテンポラリー、シアターダンス指導、ジョフリーバ レエサマーインテンシブでコンテンポラリー、シアターダンス、バレエを指導、ステッ プス、カーネギー・メロン大学、プリンストン大学など全米、日 本でワークショップ を開催している。
チャコットの web マガジン「踊りある記」連載中。
その他出演作品は「王様と私 」(ロイヤルアルバートホール)、 劇団四季「キャッツ」、「ジーザス・クライスト=スーパースター」、「アスペクツ・オブ・ラブ」、「ウエストサイド物語」、「オペラ座の怪人」、「ハンス」、「オンディーヌ」、スイセイ・ミュージカル「フェーム」、「ピアニスト」。 オーストリア、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどのコンテンポラリー作品。
Website : https://www.mamitomotani.com/
X : @mamitomotani
Instagram : mami.lesson_choreograph

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