今回は舞台メークについて話します。

毎回、キャラクター別にアイシャドーやリップなど決められた色のものが配られます。新しい舞台の時は、顔の絵にメークがされているお手本が化粧前に張られます。
時々、自分たちで工夫して少しかえたりしますが基本的には決まった通りします。
が・・・、やはり若い女の子達はキャラクターより、美しくいたいみたいです。(笑)

『くるみ割り』の1幕は孤児なので、メインのクララ、シュガー、大人びている子、ルビーだけつけまつ毛をつけますが他の子はつけません。
ところが1ヶ月すぎると全員つけています。(笑)
私が「1幕は孤児だから、つけまつ毛をつけてぱっちりとした目にはしないのではなかった?」と言うと、さすが言い訳が上手で有名なヨーロッパ人「男の子に間違えられる。」「2幕への早替えが大変だから1幕からつけておくの。」など私にはすぐに考えられない色々な答えが真面目に返ってきます。
私はルビーとクララ以外の時はつけていないので、もしかしたら私だけつけていない時があったかもしれません。
マシューの作品のようにキャラクターが大切な舞台は、メークや衣装などで、普通のきれいな子にならないようにするのが楽しみです。長く舞台をやっていると、可愛く、あるいは美しくメークするのがほとんどなので。(笑)

左からトモタニ、レイチェル、ソフィア

左からトモタニ、レイチェル、ソフィア

『SWAN』の時は美しいプリセス役なので、日本人の私はつけまつ毛や目の瞼に彫りを書いたりしました。すると、イギリス人のダンサーたちが「Mamiのメークは本当にきれい。私もつけまつ毛や彫りを書くわ。」と必要ないぐらい基が美しいのに同じメークを始めました。私が必死で回りの外国人ダンサーたちに見劣りがしないようにメークに工夫しているのに、同じメークをされては意味がないのですが。

「ハイランド・フリング」のmorag役

「ハイランド・フリング」のmorag役

今回の『Highland Fling』《日本では「愛と幻想のシルフィード」》の私の役は、元彼を婚約者から取り戻そうとしたり、麻薬を売ったりと、そうとうきつい性格の役なので、目を黒くダークにと言われています。テクニカルリハーサルで黒い目を強調しましたが、マシューからもっとと言われ、プロの人に相談して今は自分でそうとう目の周りを黒くしています。

私にとって今回の役作りはとても難しかったのですが、メークや衣装でもっと大胆になれ助けてもらっています。
2幕のメークはとても不思議です。
観てからのお楽しみなのでここでは触れません。
ですが、早替えで時々習字用紙に墨をこぼした感じになっています。(笑)

これから舞台を観に行く予定のある方はメークの方も気にして観て下さい。
結構、面白いですよ。

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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