『愛と幻想のシルフィード』日本公演の千秋楽です。

この「踊りある記」が更新される7月10日は、『愛と幻想のシルフィード』日本公演の千秋楽です。劇場に観に来て下さった「踊りある記」の読者の方々、どうもありがとうございました。
どんなフィードバックを頂いているのでしょうか。
今、この「踊りある記」を書いている私は、まだイギリスにいて出発前のあわただしい時を過ごしています。
日本ツアーも始まっていないのに、皆さんの感想を考えただけで不安と緊張でドキドキします。

さて、マシューのカンパニーをバレエカンパニーと書いている新聞、雑誌をよく見かけますが、これは大きな間違いだと思います。
決して、私たちダンサーはバレエカンパニーに所属しているとは誰も思っていません。(笑)
バレエ音楽を使うからでしょうか? それとも有名になった『Swan Lake』にバレエダンサーのアダム・クーパーが出演したからでしょうか?
日本では宣伝のためにはバレエカンパニーと書いた方が良いのですか?
ミュージカルに近いことをしていますが、歌や台詞がないのでこれも違いますし・・・。コンテンポラリーダンスカンパニーでも違う様な気がしますが、バレエカンパニーと呼ばれるよりはコンテンポラリーダンスカンパニーのほうがこのカンパニーに近いと思います。

以前、エタ(マシューのアシスタント)に、この事を聞くと「『Theater Dance Company』が一番良いと思う。」と言っていました。
Theater Dance Companyは、コンテンポラリーダンスカンパニーよりもっとドラマ(演劇性)が強いダンスカンパニーのことをイギリスではそう呼びます。

カンパニーメンバーに、「日本では私たちバレエカンパニーと呼ばれているよ。」と言うと、みんなびっくりします。そんなつもりは毛頭もないので。
「だからお客さんも観てみると違うので、びっくりして静かなのね。」と、いう意見もありました。
私たちはバレエカンパニーではない! とは思っていますが、日本の人たちがそう呼びたいなら、「別に構わない どうでも好きなように呼んで。」と、私も含め皆そう思っています。(笑)
それよりも、公演を観に来てくださる日本のお客様に楽しんでもらいたいと、ダンサーたちの神経はそちらにいっています。

一度、イギリスで観て下さると分かりますが、私の友人が「まるで吉本新喜劇だね。」と言っていましたが、本当に吉本新喜劇さんのように音楽が聞こえなくなるぐらいお客様の笑いの反応があります。客席の雰囲気はクラシック・バレエ公演とは全く違います。
ちなみに、私はバレエを観るのは大好きです。特に吉田都さんの素晴らしい踊りを観た後は、大多数のイギリス人の観客の中で日本人として、本当に鼻高々となります。
私が言いたいのは、バレエはバレエであって、マシューのカンパニーは違う、という事です。
日本でバレエ公演を何度も観ていらっしゃる方や、マシューの作品をずっと観に来て下さる方たちには、「マシューのカンパニーはバレエカンパニーではない。」という事は十分承知だと思いますが・・・。
何か、日本語での良い呼び方はありませんか?

私たちの公演を観られるときはリラックスして、感じた事を隣の人を気にせず、どんどん表して下さいね。
別に無理をして笑わなくてもいいのですが、自由に感情を出して良い時は、お隣の人を気にせず、感じたまま楽しんでください。
私たちも皆さんに楽しんでもらうように努力しますので。

開演前にワインやビールを1杯ロビーで飲んでから観るというのは、良いアイデアと思いません?(笑) 

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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