いよいよ始まりました。『Edward Scissorhands』のリハーサル。
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- コラム 友谷真実
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『Edward Scissorhands』の映画関係の方からは、「マシューの仕事が好きなので、映画の通りにやらなくて良い、マシューの好きなように舞台を創って下さい。」と言われています。
最初の週はビッグ・ダンスシーンを習うのと、それぞれのファミリーのキャラクターで、演技や動きを創りました。
メンバーは、たくさんの映画を参考のために見ています。
各ファミリーでそれぞれの性格や、子供、あるいは親や兄弟との関係を話し合います。 どうやって出会って結婚したか、子供の育て方、どこで働いているか、親たちの性生活が、子供たちにおおっぴらかどうかも。(笑) 子供たちが親に対して思っている事。ボーイフレンドとの関係。親から見たそれぞれの子供に対しての感じ方やどんな家に住んで、どんな車に乗っているかなどなど。
その後、4つの場面の会話をそれぞれのキャラクターで創ります。その分をジェスチャーで8カウント使って表現します。それをベースにもっと大きな動きにかえます。 私は「trailer-trash」役なので会話は「ちょっとこの赤ん坊、預かってくれない?」や「ねー、タバコを吸いたいんだけど、ライター貸して。」などのラフなアメリカの下層階級のイメージで考えました。 それを動きやジェスチャーにかえます。(これを舞台で使うかは知りませんが、キャラクターを考えるには良い準備でした。)
個人のキャラクターの動きを創った後、それぞれファミリーで朝、仕事に出るまでの動きを話し合いながら自分たちで創ります。こんな感じでたくさんのシーンを創りました。 母親同士や、年上の子供たちなどのグループに分かれてもです。
2週目は、それぞれ創った動きをマシューの指示で整理していきます。
結局、ファミリーの朝のシーンは振りを統一しないと、お客さんがどこを見て良いのか解らなくなる。ということで、それぞれのキャラクターで同じ振りをする事になりました。(今のところ)
後は、ダンスシーンの演出です。
私のパートナーはアダムですが、アダムはレイチェルとダンスキャプテンなので、みんなの前で踊っています。実をいうと2週目になっても私はまだ彼と踊っていません。 アンドリューがアダムの役もやるので彼と踊っています。最初は後ろで踊っているので、二人で「このシーンは後ろみたいだね。」と言っていたら、 途中で振りの関係で移動する事を忘れていて、実際踊りだしたら、後半はずっと前列なので二人で思わず踊りながら、「やばい!やばいよ。」と連呼していました。(笑)
印象としては、ダンスシーンはほとんど早いテンポです。
21世紀なのだから、少しはプレヤーの音楽のスピードを落とす機械を使って、ゆっくりのテンポにかえてくれてもいいのに・・・。
同時に衣装合わせもありました。
みんな、戻ってくるたびに「本当に素敵な衣装!」とうれしそうに帰ってきます。私が「私のキャラクターは素敵な衣装を着る訳ないよね。」とぼそっと言ったら、 後ろから即答で「ないよ。」と返事がきました。振り返るとエタがにやにやと笑っています。「公演が始まったら、Mamiはもう一つの役、Upton家もやる予定だから美しい衣装はその時に着られるわよ。」と、 この大変な時にもう一つの役も覚えないといけないという、忘れていたい事も思い出させてもくれました・・・。
衣装合わせ中もデザイナーのレズが「Mamiごめんね、本当にごめんね。マシューもMamiにはどんな衣装かまだ言ってない、言えないよ。 と言っていたけど、本当にごめんね。」と、ずーっと言っていました。はい、はい、私とアダムのパートは太った様に見えるように、動ける範囲のファットスーツを着ます! もちろん、ドレスなんて着ません。こうなったら私もレズに「この胸パット、もうちょっとリアルに動くのに変えてほしいな。」と注文したら、「ゼリー状のものを探してみる。 そしたら、リアルに動くよ!」と、するとこのファットスーツを作るスタッフが「男が女装するためのお店にあるかも。」と、有り難いアドバイスです。 私は一応女なのだけど、完全無視でかなり盛り上がりました。衣装を着なくてもリハーサルでは、私たちのファミリーは他の家族とは全然違うので目立っていますが、 衣装やカツラをつけたら、本当に演技はシンプルで十分だろうな・・・という感じです。
最後にシザーハンズ役のエドワードは、今のところみんなとあまり絡まないので、一緒にリハーサルをしていませんが、彼の「手」、すごいですよ!本当に、はさみで出来た手の様で動くと、とてもおもしろいです。
楽しみにしていて下さいね。
インタビュー & コラム
友谷 真実 Mami Tomotani
マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/