『シザーハンズ』のオーストラリア公演を無事に終わりました。

最後の公演の日、ジョイス役のニーナから「Mami、こっちに来て」と言われ舞台上に呼ばれるとダンサー全員とスタッフさんたちがいて「私たちはMamiの事が大好きで、ずっと一緒にツアーをしてもらいたいぐらい。みんなMamiがいなくなったら寂しくなると思う。これはカンパニーみんなからのプレゼントよ」と、プレゼントとみんなからの寄せ書きのある大きなカードとカンパ金が入っている封筒をもらいました。(このカンパ金は英語の勉強に使わせてもらいます。ビール代にはしません。ここで誓います。)

Photo:Mami Tomotani

以前にも書いたように、私は『シザーハンズ』ではなく『Nutcracker!』を選んだのですが、ペグ役をやるマディーが急遽できなくなったので代わりに出演することになり、このオーストラリア・ツアーが私の『シザーハンズ』の最後の舞台でした。みんなからプレゼントをもらうなんて思ってもいなかったので感動しましたね。また、カツラのスタッフさんが「Mami行かないで」というカードをいつも私が見えるように持って袖に立っていたり、衣裳の早替えの椅子にそのカードがあったりと、みんなが特別な演出してくれたので、思い出深い最後の舞台になりました。

最後の公演地メルボーンでは新聞に「Mami Tomotaniがすべてにおいて良かった」というのと、ジョイス役をしているニーナの演技が良かった。という記事が載りました。批評はその人の一つの意見、感想なのであまりそれに左右されませんが、好評でツアーを終えるのはうれしいですね。
それぞれの国や町によって受け止め方が違うので、同じ作品でも毎回違う批評をもらいますが、それらは書く人によって違いますね。私でさえ同じ舞台を何回か観てもその時の自分の状況によって、あるいは座った席によってずいぶん感想が変わったのを覚えています。批評とは何のためにあるのでしょう?

Photo:Mami Tomotani

映画は批評が悪くてもチケットが高くないので自分が観たいと思ったら観に行きますが、劇場のチケットは高いのでもし悪い批評が出ると観に行くのを躊躇しますね。でも、悪い批評でも味のある書き方だと、あー、この人はそう思ったのだろうけど私は楽しめるかも、と思わせられることもあります。また、悪い批評でも面白く興味を注がれる風に書いてあると、本当にこの批評家が言った通りかな。とその作品に興味を持ち始める時もあります。ただ、ぶっきらぼうな悪い書き方だとチケットは高いのでお客さんは劇場に来なくなるのでしょうね。もちろん作品を提供している側の責任もあります。

ブロードウエィやウエスト・エンドでは悪評のために舞台が終わることもあります。私たちマシューのカンパニーのダンサーたちは、悪い批評を書かれてもユーモアがあり、賛成できる時は次の日みんなの話題になります。
私は、批評家ではないのですがいつも興味があります。同じ舞台でも、色々な新聞を買うと表現の仕方が違い、とても面白いです。
最近、みなさんは興味深い、あるいは面白い批評を読まれましたか?

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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