続けて、練習しなくては!

と改めて思わせてくれた、シルク・ドゥ・ソレイユの『TOTEM』 のパフォーマンスを観ました!
会場は大きなテントで移動公演です。テントの中に入ると、遊園地に行った様な、お菓子、ポップコーン、ドリンクの売り場があり、シルク・ドゥ・ソレイユの商品売り場も広く、でも、テントの中なので少し暗く、お祭りに来た感じです!食べ物も飲み物も席に持って行けました。
私は、劇団四季のテント時代のミュージカル『CATS』を経験していますが、日本の方がテントの中でも、劇場、室内という感じのとても良い造りでしたが、こちらは、サーカスなので親しみやすく、雨でロビーは床(コンクリート)が濡れていたりしていましたが、それはそれで臨場感があり良かったです。(笑)
でも、チケットの価格は良い席で$350、安い席で$55と親しみのあるお値段ではありませんでしたが、会場はほぼ満員でした!シルク・ドゥ・ソレイユ カンパニーは凄いですね!
この『TOTEM』は、人類が両生類の状態だった頃から驚くべき進化を表し、最後には空まで飛べる生物に変化するか? というのを表現していました。私はこれを観て、生命の力、生命のつながりを感じました。そして、人間だけでは、未来につながらないということも。
テントの中も宇宙の様な感じです。
今までに私が観たシルク・ドゥ・ソレイユの ミステリアスな世界、 何か違う世界、夢の中の様な感じではなく、これはもっと明るく、現実の世界にイマジネーションが入っているという感じでした。
科学者の様な男性と他(生物)の世界を知っているような、ミステリアスな男性が観客を作品に導いていました。そして、不思議な生物、未来を表している様な全身ミラーボールの様な総タイツの物体が最初に、空から降りてきて、最後は水に戻って行きました。
私が一番好きだったのは、インディアンが小さな肩幅ほどのリングで 色々な動物の生命を表した場面です。リングと インディアンの動きに、水が流れる様な、暖かさもあり、神秘的でした。
動物と自然に感謝し、それを大切にし、人間も同じ所から来た。というそれぞれの生命のつながりを素敵に、時には、明るく面白く、危険も隣り合わせているというパフォーマンスを真剣なシーンで表していました。

Photo:Mami Tomotani

とにかく、セットが凄い!!これがテントの中で? というぐらいジェットコースターの様なセットが出てきて、映像の水のシーンと上手に絡んでいました。ステージいっぱいの亀の甲羅は人を乗せたまま空中に上がって行き、衣装は、カラフルで照明と一緒にとてもきれいでした。音楽も生のバンドと歌で、民族っぽい、神秘的な大自然を表す様な音楽でした。制作費が凄いと話題になっただけあります。

パフォーマンスは、さすがサーカス!緊張する場面もたくさんありました。
カップルが大きな空中ブランコ上で恥じらい、お互いを気にし出し、じゃれ合い、けんかなどを演じていましたが、コンテンポラリーの様な振りもあり、かわいらしいシーンでした。これは、小鳥をイメージして出来たキャラクターだそうです。もちろん、一つ間違えると空中から落ちてしまう危険がある振りもたくさん入っていましたが。
ミュージカルだと、相手役が(素晴らしい役者さんですが)ダンサーではない大御所の方の肩に乗るリフトなどの振りなどがあると、それはそれで、違う危険と緊張がありますが。。。(笑)

「あー、やだ。今日は気分がのらないな。」「頑張っているのに、うまくいかないな。」という日はどんなお仕事に携わっている人でも、人間なので必ずあります。そういう日、私たちプロのダンサーは本番前に音楽を聞いたり、個人でウォーミングアップしたり、お客さんのことを考えたりして役に入るなど、人それぞれで、気持ちの持って行き方を知っていますが、この方たちは、危険が一緒でどうやってキープしているのでしょうね。
やっぱり、日頃からの練習でしょうね・・・

素晴らしい、ショーで2時間半(休憩30分)をとても楽しませてもらいました!
私の友人がスタッフとして関わるシルク・ドゥ・ソレイユの新作は『マイケルジャクソン』です!これも楽しみですね。

Photo:Mami Tomotani

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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