ブロードウェイのミュージカル『エビータ』は、満席のお客様を迫力のある舞台で存分に楽しませていました!

以前この「踊りある記」でも何回か触れました、日本人のプロデューサ、川名康浩さんもプロデュースされている作品です。
私は、エビータの音楽が大好きですが、生のオーケストラと素晴らしい役者さんたちの声で、大満足でした。主役の女性は、第1キャストのElena Rogersがバケーション中で、第2キャストの方が演じていましたが、声が良く、見栄えも美しく、一緒に観に行った友人は、第2キャストの女性の方が好き。と言っていました。「チェ」の役は、リッキー・マーティンで、ポップ歌手のイメージは全然なく、華とユーモア(皮肉る)もあり激しいエビータと逆で良いバランスでした。
シーンチェンジがとてもスムースで映画の様でした。また、セットが豪華でドライアイスが、アルゼンチン、違う国をミステリアスに表していてタイムスリップした気分になりました。音楽もテンポが昔のと違い、とてもストーリーに合っていてオーケストラも素晴らしかったです!

エビータは、のし上がったという感じが強く出ていて、いかにもアルゼンチンの強い女という感じでした。日本だけに住んでいると、このエビータはちょっとやり過ぎと思うかもしれませんが、いろいろな国に住み、いろいろな国のパフォーマーたちと一緒に仕事をすると、この強さ、とっても自信があり、我を通すなど、またのし上がっていくと、周りに「NO」という人がいなくなり、どんどん自分は正しいと思い込むなど、今回のエビータは良く表していました。
マドンナが演じた映画の『エビータ』に足された曲「You must love me」も上手に舞台でも使われていました。

「エビータ」 Photo by Richard Termine

「エビータ」
Photo by Richard Termine

ダンスも美しく、ほとんどがタンゴをアレンジしていて面白かったです。 歌がメインのシーンも、簡単な振りを構成で上手く、物語を伝えていました。 何曲かタンゴをアレンジした振りが続くので、違うダンスももう少しあればな、とも思いました。
とにかく満席で、チケットの売り上げも1番だそうです!

下記は川名さんのメールからです。
「今回才能豊かなイギリス人のクリエイター(作曲家のAndrew Lloyd Webber, 作詞家のTim Rice, 演出家のMichael Grandage, デザイナーのChristopher Oram)と一緒に仕事が出来、たいへん有意義な時間を過ごすことが出来ました。アメリカ人の振付師のRob Ashfordも本当に素晴らしい仕事をしてくれました。」

「キンキーブーツ」 Photo by Sean Williams

「キンキーブーツ」
Photo by Sean Williams

川名さんは新作ミュージカル『Kinky Boots(キンキーブーツ)』のトライアル公演が終わり、来年にこのミュージカルをブロードウェイに持って行く準備中です。このミュージカル『Kinky Boots』は、脚本はトニー賞4度受賞のHarvey Fierstein、作曲はグラミー賞受賞のCyndi Lauper、演出&振付は『La Cage aux Folles(ラ・カージュ・オ・オ・フォール)』でトニー賞受賞のJerry Mitchellだそうです。来年がとても楽しみですね!

最後に私は、ピッッツバーグ大学のミュージカル『Zanna Don't!』のオーディションの審査を終えました。

私がメイン審査をしたダンスのオーディションですが、作品は、とってもスピードがあり、ずっとエナジードリンクを飲んでいるようなハイテンションの作品なので、ダンスもそのようなソウルミュージックを映画の『ブルース・ブラザーズ』から「THINK」を選び、ソウルダンスと、ハイスクールダンスと物語に出て来る、ゲイの役のちょっとドラッククィーンの様な動きを入れてオーディション用の振りを創りました。
もちろん、演技の生徒さんたちなので、なるべく簡単にしましたが、演出家が思っていたキャストが変わるほど、オーディションでは思いっきり皆に楽しんでもらい、良い面を出してもらいました!

後日、私はこの演技の生徒さんの中で、ダンスを素直に踊っていて癖が無く、なんとかこの2ヶ月で演出家が希望しているデュエットが出来そうな・・・4人だけに、いくつか簡単なリフト、床での動き、アダージョを(バランスを取って、片足をあげれるか)コールバックで見ました。

配役も決まり、いよいよ「感謝祭」のホリデー後リハーサルが始まります!
その内容をまた伝えますね。

皆様もHAPPYなクリスマスと素晴らしい新年をお迎えください。

「エビータ」Photo by Richard Termine

「エビータ」Photo by Richard Termine

「エビータ」Photo by Richard Termine

「エビータ」Photo by Richard Termine

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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