ピッツバーグ大学の演劇科のミュージカル公演『ZANNA DON'T』の振付を担当しています。

初のミュージカル振付です!もちろん、私です、最初にお話があった時は「NO!」と答えました。全幕振付などの経験がないので。:)
でも、再度オファーがあり、友人達も「MAMIなら今までの経験を使って出来る!もし、振付に困ったら、今まで踊ったのを使えば良い!」と‥・そんなことして良いの? と思ったけど、まー、どんな振付家にも最初があり、行動に起こさなかったらいつまでも経験出来ないな‥・と思い、お受けしました。

『ZANNA DON'T』は、高校生の話ですが、8人だけが出演し、全員がソロの歌があるので、かなり歌が歌えないといけません。演技の生徒ですが、歌はとても上手です。ただ、ダンスが‥・ピッツバーグ大学バージョンは、これに、ダンスが踊れる生徒を二人を足すのですが、ダンスの初級、中級レベルの生徒が二人参加しています。この二人はデュエットがあるのですが、とても体の動きが素直で、リフトはとても美しく出来る様になったので、なるべく踊りのレベルがばれる振りはなしで、演技とリフトのコンテンポラリーぽいデュエットにしました。

Photo:Mami Tomotani

ゲネプロを入れて計8週間(土曜休み)、1日4時間半のリハーサルがあるのですが、ダンスのウォーミングアップは毎回20分だけです! 発声も10分だけです。(最初の2週間は、歌の音取りだけを4時間半毎日やりました。)2回だけ、1時間のウォーミングアップをもらったので、プリエ、アイソレーション(胸、ヒップ、ショルダー、ヘッドを動かすジャズの動き)、タンデュ、バットマン、アームスの動きだけを説明し、後は振付の動きをこの20分の中に入れて、そこで稽古という感じです。
ディレクターの希望で、腹筋100回(もちろんヴァリエーションを変えて)と腕立て伏せを25回、この20分のウォーミングアップに入れています。
でも、この短期間で少しずつですが、良くなってくるのでやはりやる気があると違うというか、大学生なので理解が早いのか‥・私の目がこのダンスレベルに慣れて来たのか‥・いえ、絶対上達しています!! 毎日ダンス稽古があるわけでもなく、良くここまでがんばったな!、とうれしく、もっと時間がもらえたらー! と欲が出て来ます。

Photo:Mami Tomotani

振付のためにたくさんの映像や、写真などを検索して調べました。軍隊の訓練シーンや、ウエスタンの動きなど。例えば、ダンスシーンで石けんを落とすジョークがあるのですが、私はアメリカ人ではないので、やはりアメリカ人が全員知っているジョークなどが解らず、ディレクターや夫が教えてくれ、なんとかアメリカ人についていっています。:)(石けんのジョークは、ここでは書けない、大人のジョークです)
今回の劇場は、両サイドにも客席があり、3面を使ってなので、かなり難しく・・・。 4人が正面を向いて踊り、3人が下手を向いて、残りの3人が上手を向いて踊るなど、全員がそれぞれの方向で一番前で踊る形になります。もちろん、Vシェープなどいろいろと構成は変えますが、どこにいても3面の内、どれかの客席から全員よく見えます。

私が動けるので、早いテンポの動き等入れてしまい、もちろん演技の生徒たちはついていくのが必死で、また、3面を使わないといけないので、とても忙しく見え、何を歌っているのか、言っているのかが解りづらくなり、結果倍のスロースピードにしたり、シンプルな動きに変えたりと私も勉強になっています。
ココだけの話ですが、すっごく疲れた時や、やる気がない時に創った振りの方が、シンプルでストーリーを伝えるのに良く、頑張って創った振りほど、忙しく見え、変更が必要でした。あ、あと夜遅くにワインを飲みながら映画を見終わった後、急に振りが浮かび、よっぱらって創った振りもそのまま使え、面白いシーンになりました・・・。振付の才能があるのか、ないのか・・・。
2月14日の初日までがんばります。また、ゲネプロなど報告しますね。
写真はピッツバーグ大学とデイレクターとスタッフさんとセットを確認しているところです。

インタビュー & コラム

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友谷 真実 Mami Tomotani

マーサ・グラハム・サマースクール、劇団四季研究所、川副バレエスクールでダンスを学ぶ。
★主な出演作品:
ニュー・アドべンチュアーズ『くるみ割り人形』(クララ、キューピット役ほか)、『白鳥の湖』、『カーマン』、『エドワード・シザーハンズ』(ペグ 役ほか)、『Highland Fling』(愛と幻想のシルフィード)、州立バレエ・リンツにてロバート・プール、オルガ・コボス、ピーター・ミカなどの作品(オース トリア)、 アルティ・ブヨウ・フェスティバル(京都)、ベノルト・マンブレイの振付作;スイセイ・ミュージカル『フェーム』、『ピアニスト』; 劇団四季『キャッツ』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『アスペクツ・オブ・ラブ』、『ウエストサイド物語』、『オペラ座の怪人』、『ハン ス』、『オンディーヌ』など
★TV/映画:『くるみ割り人形』(BBC)他。
★振付作品:『just feel it?以・真・伝・心』個人のプロローグ(02年);アルティ・ブヨウ・フェスティバル(98年)、他。
http://ameblo.jp/mami-tomotani/

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